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2年前から、「原発賠償を考えぬく」というコラムを鑑定部のホームページ(http://www3.plala.or.jp/kantei/baisyo25.html)に連載しています。

 

今回のコラムで25回目なので、毎月一回のペースです。

 

書きたいテーマはいっぱいあるのですが、多くの関係者が注目しているので、文字通り「考えぬいた」上で書かなければとの思いが強く、なかなか筆が進みません。

 

今回のテーマは、事故後4年の節目なので、宅地・建物・農地・山林・立木等の不動産を中心にして、財物賠償の現状と問題点について採り上げました。

 

一言でいえば、東京電力の不誠実な対応と、個別性の強い不動産を一律に評価することの問題点を指摘したつもりです。

 

当事者・関係者以外の方には、直接的には関心の薄いテーマかもしれませんが、多くの被災者の方々が直面している問題ですので、ぜひ、ご一読下さい。

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「働かざるもの食うべからず」とは、働こうとしない怠惰な人間は食べることを許されない。食べるためにはまじめに働かなければならない・・・、という意味で、新約聖書の中にある言葉です。

 

念のためつけ加えますが、様々な事情で働きたくても働けない人や、十二分に働いて高齢化したお年寄りなどには、あてはまらないことは言うまでもありません。

 

この言葉を人間ではなく、不動産(物件)にあてはめるとどうなるでしょうか。

 

40年近く、不動産鑑定士の仕事をやってきましたが、不動産(物件)の価値とは、使えるか?、貸せるか?、売れるか?、で決まるということを、ようやく分かりかけてきました。

 

使えるの中には、自分で使う、使って収獲や売上を上げる、資産形成の手段とするという内容も含んでいます。

 

かつて、不動産バブルの時代には、どんな使い方もできないような物件にも値段が付いたことがありました。

 

30年ほど前に、岩手県の山奥の94ヘクタールの山林の鑑定を依頼されて、10億円弱の評価をしたことがあります。

 

下北半島の突端に近い佐井村にある青森天然ヒバの山林を現地調査したこともあります。

 

いずれも不動産バブルの頃は反当100万円ぐらいで取引されました。

 

昨年の夏に、30年ぶりに岩手県の岩洞湖に近い94ヘクタールの山林を現地調査しました。

 

メガソーラーの用地として使えるのではないかという目的での調査でした。たしかに、南向きの緩傾斜で、メガソーラー向きの山林ではあるのですが、東北電力が昨年の10月から買い取りを一時中断したことで、取引は流れました。

 

太陽光発電の用地として使える見通しが立てば、値段が付くのですが、その見通しがないと値段の付けようがありません。

 

持ち主からは専任媒介契約を受けましたので、とりあえず9,400万円(反当10万円)で当社のHPに載せました。

 

山林の評価(値段付け)は難しいのですが、住宅の評価は取引も多いので、それほど難しくありません。

 

住めるか?、貸せるか?売れるか?というモノサシで計れば、素人でも値段の見当は付けられます。

 

つまり、何らかの点で世の中の役に立つ物件であるか否か、どの程度役に立つ物件なのかで価格は決まるわけです。

 

これからの世の中は、人口減少・土地余り・住宅余りの時代になるわけですから、働かざる(役に立たない・収益を生まない)不動産は持つべからずといえるわけです。

遠交近攻という言葉は、中国の戦国時代(紀元前403年~同221年)の兵法書「三十六計」の中にあり、「遠きと交わり(同盟を組み)、近く(の相手)を攻める」という意味です。

 

200年近く続いた戦乱の時代に生まれた、「実践で鍛えられた知恵」として、現代でも十分に通用する内容ですし、学ぶべきことが多いといえます。

 

戦乱の時にあって、国家の指導者は、周辺国を攻め、「領土拡大・国家膨張」の戦略を採らざるを得なかったのは、ある意味では当然のことでしょう。

 

近くの敵対国に対し攻勢をしかけるには、その周りの外側の国と交わり同盟を結んで、敵対国を包囲する戦略が求められたわけです。

 

この戦略を基本に据えれば、「敵の敵は味方」となるわけで、戦略・戦術の幅も広がることになります。

 

戦国時代から2,200年余り後のグローバル化時代・インターネット時代の現代にあって、「遠交近攻」はどう生かすべきなのでしょうか。

 

身近な、ビジネスの世界で考えてみます。多くの場合、近くの同業者はライバルであり、同業者が集まっていくら懇親を深めても、本音の話は出来ませんし、期待できません。せいぜい、腹の探り合いで終わりです。

 

商圏がかぶらない、遠くの同業者とは悩みごとの相談も情報の共有・支援も心置きなくできるわけだし、仕事上の連携も可能になるわけです。

 

「一五会」という不動産鑑定士の勉強会が40年近く続いています。不動産鑑定士の15期の研修を受けた約140人の同期生のうち、25人程が毎年、各地で同期会・勉強会・情報交換会を開いているわけです。

 

私も、特別の事情がない限り毎回出席して、旧交を温めています。不動鑑定業界の実情や将来見通し等について、本音の話ができて、大変有益です。

 

不動産鑑定士の世界は、全国で5千人余りと非常に小さな業界であり、仕事の依頼者も公共機関が主で、限られたものです。

 

そんな限られた業界だけで生きていくことに物足りなさを感じて、不動産事業部を立ち上げて、不動産仲介業を始めたのが12年前です。

 

不動産仲介業(宅建業)は売りと買い、貸しと借りの物件情報を業界が共有し、契約・成約に結びつける情報サービス業です。

 

近くの、同じ地域の同業者は、お互いに競争者であると同時に協力者でもあるわけです。その意味では、遠交近攻だけではなく、「遠交近交」の関係も大切なわけです。

 

そんなことも少し分かりかけてきたところですが、面白い、やりがいのある仕事であることだけは確かです。

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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

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