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・・・不動産と世相を本音で語り、真剣勝負で生きる・・・
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不動産鑑定士として、不動産業界に関わって40年余りになります。

 

お客さまに直接役立つ仕事を通じて、業界のイメージアップ・レベルアップを目ざして不動産事業部を立ち上げ、売買・賃貸仲介業を始めて10年余りが経過しました。

 

インターネットの普及が、世の中のビジネスモデルを変化させるとの予感を信じ、不動産業界もインターネットを中心とした「信頼産業」に転身できることを目ざして立ち上げたわけです。

 

しかし、道半ば、日暮れて道遠し、百年河清を待つ、といった情況に大きな変化は見られません。

 

予測がまちがっていたのか?努力不足・力不足なのか?業者・業界の悪知恵・悪巧みが良心派・良識派・お客さま本位派を上回っているのか?

 

以下、2~3回に分けて、

1)業界が「怪しい」と思われる理由

2)業界の悪しき慣行

3)100年、河清を待つしかないのか?

をテーマに論じることにします。

 

今回は、業界が「怪しい」と思われる理由について、週刊東洋経済2016年3月29日号の記事を参考にしてまとめてみました。(少し長くなりますがお付き合いください。)

 

今でも、不動産会社の門を叩くには、かなりの「勇気」が必要と思っている人は少なくありません。「怖い人が出てきそう」「しつこく営業されそう」というイメージが世の中にまだまだ残っているからです。

 

なぜ、悪いイメージを持たれるのか、その背景・理由を考えてみます。

 

激しい売り込み、しつこい営業の理由

マイホームを購入する場合には、いろいろな知識が必要になってきます。たとえば、自分がいったいいくら銀行借り入れできるのか?自分はどのくらいの返済が理想なのだろうか?ということをも考えなければなりません。

 

そんな不安も多々ある中、本来ならばそれに答えてくれるのが不動産会社であるべきなのですが、実際には気軽に問い合わせたが最後、しつこい営業に悩まされるという声が後を絶ちません。

 

では、なぜそんなにしつこい営業をするのでしょうか?

 

その背景にあるのは、お客様を一度返したら戻ってこない……という不動産会社の「常識」があります。お客様が来ると、いろいろな物件を紹介しますが、もしその場で決まらなかった場合、そのお客様は別の不動産会社に探しに行くであろうと考えます。実際に、午前中はA社と待ち合わせ、午後はB社と待ち合わせて、それぞれ別の物件を見る約束をしているケースも少なくありません。(お客さまの立場に立てばあたり前です。)

 

従って、不動産会社はお客様が物件を決めるまで返さない……そんな意識になりがちなのです。不動産会社はお客様を集めるために多額の広告費を払っていますので、決まらなければマイナスになってしまいます。

 

営業マンの給与体系の問題点

不動産会社の給与体系は、多くの場合、基本給にプラスしてコミッション(歩合給)が入る仕組みがとても多いのです。

 

もちろん、営利企業である以上、どんな仕事でも業績に応じてボーナスが支給されたりしますので、何も不動産業界だけではないのですが、不動産業に関していえばそのお客様からの売り上げのうち、何%が営業マンのコミッションになるという、給与体系になっている場合が多いのです。

 

当然ながら物件価格の高いものを決めれば、コミッションも高いわけです。そこが不動産会社のお勧め物件の危険なところです。

 

さらに気をつけるべきは、いわゆる自社物件というものです。その不動産会社が建てて分譲したり、あるいは中古物件をいったん下取りして綺麗にしてから販売する物件は、その不動産会社の自社所有物ですので自社物件と呼ばれます。

 

自社物件は当然ながら利益率が高いので、とにかく売りたいという事情がその営業マンに存在します。新築分譲マンションはその典型です。

 

売りっ放しの業界体質

「一生のお付き合いですから」不動産を購入したことがある人なら、一度は営業マンから聞いたことのある言葉ではないでしょうか?

 

この言葉はつまり「売ることだけが目的ではありませんよ」と安心させたい営業マンのセールスートークです。

 

しかし、実際に一生のお付き合いをしてくれる営業マンはそうはいません。なぜなら、そもそも転職の多い業界であること、そして大手であれば転勤が定期的に行われるためです。

 

もちろん、ハウスメーカーや不動産会社が建てた住宅を購入する場合には、法律で最低10年間の建物の基本構造部分や雨水の浸入を防止する部分の保証が売った会社からなされます。しかし、それを仲介した不動産会社にその責任はなく、契約をして引き渡しを終えて仲介手数料をもらえば、それ以後は何もしないのが一般的です。

 

不動産会社の半数が10年で消滅している

不動産会社の10年後の生存率は50%程度です。つまり、半数の会社は、そもそも会社が10年後には存在しない確率が50%もあるということは、どういうことでしょうか。

 

「一生のお付き合い」をするためには、その営業マンの熱意とかその会社の誠意という次元では不可能だと言えます。

 

マイホームなどの不動産に関するトラブルはつきませんが、その問題が発覚するのは、購入後早くて数年後、遅ければ10年以上経ってからになります。そしてほとんどの場合において、その時には会社がない……そうした問題がとても多いのです。

 

業界モラルの低さ

日本の不動産会社では、従業員5人に1人以上の宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)がいなければならないと法律で定められています。逆に言えば、5人中4人は資格を持たなくてもよいということになります。(当社の不動産事業部は全員有資格者です)

 

もちろん、宅地建物取引士であれば安心で、そうでなければダメだと断言できるものではありませんが、極端な話で言えば、昨日までまったく関係のない職業にいた人が、ある日名刺をもってお客様の前で仕事をすることは、何ら問題のないことなのです。

 

不動産業界のモラルの低さを指摘される場合が少なからずあるのは、こうした制度および不動産業界の意識の低さも大きな原因です。

 

「おとり広告」の問題点

マイホームを探す場合には不動産広告を見たり、インターネットで探すことになりますが、その広告にまつわる問題もあります。

不動産会社は多額の広告費を払ってお客様を集めているわけですが、広告費をかけている以上、問い合わせがたくさん欲しいのは当たり前のことです。そこで問題となるのが「おとり広告」です。

 

「おとり広告」とは、実際にはない物件を掲載してお客様の関心を引き寄せ、問い合わせさせるというものです。しかし、問い合わせた場合にはその物件はありませんので、たとえば「つい先ほど申し込みが入ってしまった」とか「契約になってしまった」等々の言い訳でごまかし、違う物件を紹介することになります。さすがに、この世に存在もしない物件を掲載することまではなくても、少し前に決まってしまった物件で割安だったものをいつまでも掲載しているというケースが今でもネット上には少なからず存在しているのです。

 

一生に何度も買わないから、なかなか学べない

日本においてマイホームを購入するということは、一生に1回というイメージがあり、実際に何度も買い替えるケースは少ないわけです。たとえば米国のように、一生の間に5回前後の買い替えをすることが一般的な国と比較すると、不動産取引において経験を重ねていくことが難しいという問題があります。つまり、仮に失敗したり思いどおりに行かなかったことを活かして、次はもっといい不動産会社を見つけようというシステムになっていないわけです。

 

賃貸トラブルでの苦い原体験

普通の人にとって、不動産会社との関わりは、進学や就職に際してアパートや賃貸マンションに入居することが初体験のわけです。

 

入居中の水回りのトラブルや近隣騒音への対応、退去時の敷金返済トラブル・・・、不動産会社に対する苦情や不満は少なくありません。

 

多くの人が経験する賃貸物件入居・退去時のいやな思い・苦い経験が、不動産業界や業者を「怪しい」と思う最大の理由ともいえます。

 

不動産業界が不信感を持たれる原因は多くありますが、実際には正しい営業活動をしている会社が多数派です。しかし、問題のある会社があることも確かです。その背景にあるものに「売りは信頼」「買いは情報」という言葉があります。自分の家などを売る場合には、大切な財産であるがゆえに信頼できる不動産会社という基準で選択するものの、買う場合には、よい物件が欲しいという思いが先行し、物件情報を基準に選択してしまう人が圧倒的に多いということです。その結果「よい不動産会社=よい物件・多くの物件情報を紹介してくれる会社」になってしまいます。

 

もちろん、情報は重要です。しかし、一生の買い物であることを忘れずに、誰から買うか? どこから買うか?という視点が一番大事なことです。

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「働かざるもの食うべからず」とは、働こうとしない怠惰な人間は食べることを許されない。食べるためにはまじめに働かなければならない・・・、という意味で、新約聖書の中にある言葉です。

 

念のためつけ加えますが、様々な事情で働きたくても働けない人や、十二分に働いて高齢化したお年寄りなどには、あてはまらないことは言うまでもありません。

 

この言葉を人間ではなく、不動産(物件)にあてはめるとどうなるでしょうか。

 

40年近く、不動産鑑定士の仕事をやってきましたが、不動産(物件)の価値とは、使えるか?、貸せるか?、売れるか?、で決まるということを、ようやく分かりかけてきました。

 

使えるの中には、自分で使う、使って収獲や売上を上げる、資産形成の手段とするという内容も含んでいます。

 

かつて、不動産バブルの時代には、どんな使い方もできないような物件にも値段が付いたことがありました。

 

30年ほど前に、岩手県の山奥の94ヘクタールの山林の鑑定を依頼されて、10億円弱の評価をしたことがあります。

 

下北半島の突端に近い佐井村にある青森天然ヒバの山林を現地調査したこともあります。

 

いずれも不動産バブルの頃は反当100万円ぐらいで取引されました。

 

昨年の夏に、30年ぶりに岩手県の岩洞湖に近い94ヘクタールの山林を現地調査しました。

 

メガソーラーの用地として使えるのではないかという目的での調査でした。たしかに、南向きの緩傾斜で、メガソーラー向きの山林ではあるのですが、東北電力が昨年の10月から買い取りを一時中断したことで、取引は流れました。

 

太陽光発電の用地として使える見通しが立てば、値段が付くのですが、その見通しがないと値段の付けようがありません。

 

持ち主からは専任媒介契約を受けましたので、とりあえず9,400万円(反当10万円)で当社のHPに載せました。

 

山林の評価(値段付け)は難しいのですが、住宅の評価は取引も多いので、それほど難しくありません。

 

住めるか?、貸せるか?売れるか?というモノサシで計れば、素人でも値段の見当は付けられます。

 

つまり、何らかの点で世の中の役に立つ物件であるか否か、どの程度役に立つ物件なのかで価格は決まるわけです。

 

これからの世の中は、人口減少・土地余り・住宅余りの時代になるわけですから、働かざる(役に立たない・収益を生まない)不動産は持つべからずといえるわけです。

ほとんどの人にとって、生涯に一度か二度の大きな買い物である住宅購入について、冷めた目で検討してみます。
 
福島市内で、新築戸建2,500万円、中古戸建1,500万円のケースで、ローン借入リスク、売却時の目減りリスク(出口戦略)、快適に住むメリットについて考えてみました。
 
ローン借入リスクには二つの側面があります。一つは、金利変動のリスクです。年利1.4%の変動金利で2,500万円(25年元利均等返済)の借入をした場合、毎月の返済額は98,813円です。
 
これがもし、年利4%(十分にあり得ることです)になったとすれば、毎月の返済額は131,959円となり1.3倍になります。
 
長期のローンは固定金利で借りることは鉄則です。
 
ちなみに、フラット35の固定金利2.11%を利用した場合、25年返済で月額107,307円です。ハウスメーカーの営業マンの「家賃並みの支払いで持家が買えますよ!」とは、セールストークです。
 
もう一つのリスクは、病気・勤務先の倒産・転職・解雇などの事情で、ローンの返済力が低下するリスクです。
 
アベノミクスなどに踊らされて、甘い見通しを信じても、いざという時に誰も助けてくれません。
 
売却時の資産価値低下リスクにも二つの側面があります。一つは木造建物の資産価値(市場価値)は築後10年で半減するという現実のリスクです。20年経過した建物はほぼゼロ査定です。
 
もう一つのリスクは、土地価格そのものの低下リスクです。土地神話の時代は20年前に終わっています。人口減少・所得低下の時代に、よほどの好立地な場所・地域以外は地価の上昇は望めません。
 
安倍政権のインフレ政策が実現したとしても、変動金利でローンを組んで住宅を購入する人には、金利上昇のデメリットの方が土地価格上昇のメリットよりもはるかに大きいことを忘れてはいけません。
 
では、どうすれば良いのでしょうか?
 
ローンを組んで住宅を購入するということは、これだけのリスクが伴うことを十分に認識することが出発点です。
 
その上で、ローンの借入額をできるだけ低額に抑えて、年収の4倍以内にすることも対策の一つです。
 
さらに、10年後あるいは20年後の住宅価格(土地と建物の価格)が下がりにくい物件を購入することも大切です。
 
少しリフォームすれば、十分に使える戸建中古住宅が福島市内では年間500戸程度売りに出ます。これらの中古売家の中から、家族構成や自分の好みに合った物件を探し出し、建物の品質・性能チェックを十分に行った上での住宅購入が今の時代の「住まい探し」ではないでしょうか。
 
なお、念のため申し上げますと、築後40年前後の住宅(マンションも含む)は、要注意です。
 
40年前は、日本中が建築ブームでした。そのため人手不足、大工不足、建材不足が続き、素人大工や手抜き工事、粗悪建材の使用が広まっていました。
 
マイホームを買うことは、多額の借金をして不動産というリスク資産に投資をする行為です。念には念を入れて、最悪の場合にも対応できる事前の検討・準備が何よりも重要なことです。
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