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  不動産鑑定士として不動産に関わる仕事を始めて40年近くになります。不動産鑑定士の二次試験に合格してすぐに(財)日本不動産研究所の本所(東京、虎ノ門)に修習を兼ねて勤務しました。30才を過ぎていましたので、年齢制限があり、入所は難しいと聞いていたのですが、故天野光晴代議士(元国土庁長官)の強い推薦もあり、なんとか入所することができました。面接では、天野先生との関係を根ほり葉ほり聞かれました。先生の子息と中小企業診断士として親しくさせていただいていること、先生の中学生のお孫さん2人を私の家内が英語教室で教えていたこと、天野先生のご自宅は我が家から数十メートルの近所であることなどを説明したことが懐かしく憶い出されます。後で聞いたことですが、入所試験に先だって、当時の国土庁の官房長が霞ヶ関から虎ノ門までわざわざ出向いて、高橋という者が不動産研究所に入所を希望しているので「よろしく」と天野先生の伝言(指示?)を伝えていただいたそうです。人の世話というのは、そこまでするのかと大いに勉強になりました。
 
   入所する前から思っていたことですが、「不動産」という言葉のイメージが、わが国では決して良くない、はっきり云えば悪いイメージを連想させるものでした。不動産研究所の先輩や同僚からも不動産研究所などといっても世間一般の人にはなかなか理解してもらえないといったボヤキもよく聞かれました。その頃は、「日本不動産銀行」という銀行がありました。その後、なぜか「日本債券信用銀行」と名を変え、今は合併して「あおぞら銀行」となっていますが、イメージも内容も良くなかったからでしょうか。「不動産」という言葉のイメージが良くないのは、決して言葉に責任があるのではなく、不動産に関わってきた関係者全体の行動、実績を反映したものであり、その責任は私も含めて関係者総てにあると思います。
  
   そこで「不動産」という言葉が、いつ頃から日本で使われ始めたのか、その語源はどこにあるのかを調べてみました。わが国で「不動産」という言葉が使われたのは、明治29年制定の民法第86条第1項「土地及ヒ其定著物ハ之ヲ不動産トス」という規定が初めてのようです。しかも「動産」という表現・言葉と「対」として使われました。それまでは「地所」「土地」などという言葉で表現していたようです。ちなみに英語では(real estate)ですが、ドイツ語では(Immobilien)、フランス語では(Immobiliers)、いずれも「動かないもの」、「不動のもの」といった意味のようです。フランス語の直訳として「不動産」という言葉が「作られた」ようです。わが国の民法典がフランス法やドイツ法(大陸法)の強い影響を受けて制定されたことも、よーく解りました。独りよがりの解説になったことをお許し下さい。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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