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 仕事として不動産に関わるようになって30余年になります。その間に、不動産は一に場所、二にも場所、三、四がなくて五にも場所という言葉を何十回も聞かされました。しかし、正直にいってその本当の意味するところはよく分かりませんでした。不動産、特に商業用不動産は「場所」、つまり立地条件が全てだぐらいのことを頭だけで理解していた程度だったわけです。
 
 今回、あるビルのテナント募集を任されました。夜型繁華街の中心地、置賜町の一角にある3階建の築後30数年のビルです。安くて美味しい、ボリュームもある「トンカツ」を主としたお店で、昼も夜も繁盛する有名なトンカツ屋さんだったビルです。
 
 高齢だった店主が亡くなり、しばらく空店舗だった物件を、今回は貸店舗にするので協力して欲しいとの依頼を受けました。不動産事業部を立ち上げてまもなく4年になりますが、飲食型テナントビルの仲介依頼は初めてであり、若干の戸惑いはありましたが、お引き受けしました。物件の所有者であり、今回の依頼者となった方が、このコラムの熱心な(?)読者であり、本音言三に仕事を任せてみたいとの思いがあったからのようです。
 
 このコラムはホームページで公開していますが、毎月発行する「物件情報誌」にも4~5回分、まとめて載せています。「情報誌」は毎月800部発行ですから、ホームページ経由の読者を加えると毎月1,000人程度の方々に読んでいただいていることになります。改めて感謝申し上げます。
 
 今回の依頼を受けてすぐに「貸店舗」と大きく書いた募集カンバンを看板屋さんに3枚注文しました。一週間後にカンバンを付けると、その日のうちから電話での問い合わせが相次いで入りました。1年近く空店舗だったので、飲食業関係者のあいだでは話題になっていたようです。それにしても反響の大きさ、早さには驚きました。
 
 テナント希望の当事者だけでなく、酒類販売業者や飲食業の全国展開支援業者の方々からも多くの問い合わせやご来店をいただきました。文字通り「有難い」ことです。そして、改めて分かったことですが、商業用不動産、特に飲食店舗は、立地条件、つまり場所が決定的に重要だということです。この件で多くの飲食業関係者の方々にお会いし、貴重なお話を聞かせていただきました。あのビルが建物は古いが夜型繁華街の立地条件としては、福島市内でも一、二を争う好条件の立地であること。駅にも近く、東北電力の支店・営業所にも近く、昼の集客も見込めること。南側に三角型の広い公園(予定地)があるため3階建のビルの壁面全体にカンバン効果が期待できること等々です。
 
 そして、なによりも嬉しかったことは、福島の若者が、特に飲食業に従事していたり、経営に携わっている30代、40代の若者(?)が非常に前向きで、元気なことが分かったことです。世の中が不景気でお客さんが少ない、官官接待がなくなり企業の交際費も削減されて宴会需要はさっぱりだめだ、などという話は耳にタコができる程聞いていました。だが、今回の件で話を聞いた若者達は、全員が元気印、自分の腕なら、自分の味なら、あの場所なら絶対に繁盛店にしてみせると云い切る自信にあふれていました。
 
 お会いした方々が実際に営んでいる店も何軒か訪ねてみました。味や値段、食材、品ぞろえに工夫をこらし、いずれも超繁盛店です。飲食店というのは、やり方次第で、腕次第で、そして立地条件が良ければ、まだまだ積極展開が可能な業種であることがよーく分かりました。
 
 今回のテナント募集では「娘一人にムコ(予定)五人」という状態で嬉しい悲鳴を上げていますが、長く、安定した経営を続けられる方をオーナーと一緒にじっくりと選ばせていただくべく勉強中です。ちなみにそのテナントビルは東北電力福島営業所の東側に立地する3階建のビルで「とんかつ利福」のカンバンがまだ付いています。関心のある方は、現地をご覧になってご意見をお寄せ下さい。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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