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 昨年末に出版された標題の本を読みました。著者の幸田昌則氏は不動産業界にはめずらしく、九州大学の法学部を卒業後、リクルートに入社し、江副浩正元社長のもとで「不動産」を勉強した経歴の持ち主です。1990年から始まった日本の不動産バブルの崩壊を、前年の1989年に明確に予測・予言していたことで有名な方です。現在は不動産市況のアナリストとして活躍し、私も4回ほど受講料5万円を払ってセミナーを聞きに上京しました。
 
セミナーは盛況で、毎回全国から100人近い不動産業者や「資産家」が集まります。ただ残念なのは、全国に4,000余名いる不動産鑑定士のうちこのセミナーに参加したことがあるのは私だけだったということです。
 不動産鑑定士の仕事は、現在の土地や建物の価格について調査・分析するだけでなく、これから不動産は上がるのか下がるのかについても分析・予測するのが大切な仕事だと思うからです。
 
 「………不動産の鉄則」は、マイホームの落とし穴として住宅購入のリスクやマイナス面を指摘したうえで、一生一度の高額な買い物は、実は経済的には「投資行為」であると云い切っています。幸田氏は「不動産の鉄則」として以下の点をあげています。
 
① マイホームは「売る」前提で考える。
 米国人は「住宅」を投資と考えている。つまり「出口」(売り)を考えたうえで「入り口」(買い)から入る。
 日本人は一生住むことを大前提にしている。これからは、値上がりの期待できる物件か、少なくとも値下がり幅の小さい物件を取得すべきだ。
 
② 「我が家」は変化する。
 時代の変化が激しくなるなかで、自分や家族の状況も大きく変化します。年収などの経済的状況だけでなく、家族構成も当然変化します。住宅だけを急いで「持ち家」と固定的に考えるのではなく、広くて良質な賃貸住宅の供給増加が見込まれるなかで「賃貸派」としての選択も考えるべきではないか。
 
③ 不況期こそ、優良物件の買いどき。
 3年~5年は不況が続くと予想されます。こんな時期は、買い手の希望価格が通りやすいので優良物件の買いどきともいえます。
 
④ 不動産の主治医を持つ。
 長い人生を健康で楽しく、経済的にも恵まれた生活とするためには、弁護士と税理士と身近な主治医が必要だとされています。これに加えて不動産の主治医(ホームドクター)を持つべきだと幸田氏は説きます。量よりも質が重視される時代の不動産の「目利き」役として、又、変化の時代にリスクを避けチャンスを生かす不動産の運用力を高める顧問役としての不動産の主治医です。
 
⑤ 中古住宅は資産ロスが少ない。
 新築住宅は、気分的に快適に住むことができるのは確かです。一方、中古住宅は、見栄えは劣りますが、時間という「審判」を受けているので、欠陥や問題点は表に現れており、ある意味では安心できる物件と云えます。新築を買うのか、中古を選ぶのかは、個々人の好みと懐具合によりますが、中古のほうが資産ロスのリスクは低いということは確かです。
 
 当社では、中古戸建住宅、中古マンションの物件情報の提供に力を入れてきました。幸い、福島市内では、築年数の浅い優良戸建やマンションも数多く出回っていますし、今後も出てくると思われます。新築だけでなく、優良中古物件の取得も選択肢の一つとしてぜひご検討下さい。
 
 
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

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