忍者ブログ
[6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  「夜討ち朝駆け戦の習い」という懐かしい言葉を思い出させる出来事が最近ありました。
 
 国土交通省が、この10月1日から宅建業法の施行規則を改正し、深夜や早朝の「営業活動」を禁止したのです。
 
 一部のマンション業者やハウスメーカーの営業マンがお客様の都合や迷惑を考えないで、「夜襲営業」や「早朝奇襲営業」を行っていたことに対する規制強化の一環です。
 
 戦国武将や帝国陸軍は夜襲攻撃と早朝奇襲攻撃を得意技としていたことはよく知られていることですが、今でも、その「伝統」はマスコミ取材陣に根強く残っているし、不動産業界の一部にも残っていたということでしょうか。
 
 国土交通省がターゲットにしたのは、主としてワンルーム・マンションの販売業者のようです。
 
 規制の内容としては、(1)会社名や氏名を告げずに勧誘すること。
(2)相手が断ったのにもかかわらず、しつこく勧誘すること。
(3)午後9時から午前8時までの時間に電話又は訪問による勧誘。
の三項目です。
 
 いずれも、常識以前の禁止事項ですが、こんな規制を受けなければならないぐらい、この業界の一部には「時代遅れ」な部分が残っていたということでしょう。
 
 モデルハウスやモデルルームを見学し、住所・氏名・電話番号を記入したりすると、翌日から電話攻勢・夜討ち朝駆けにさらされるというのは「世間の常識」です。
 
 残念ながら、この「世間の常識」を完全には否定できないのが業界の現状でもあります。
 
 今は、インターネット・検索エンジンを利用すればほとんどの情報が入手できる時代なのです。
 
 多額の費用を使ってモデルハウスを建てたからといって、その費用を早く回収しようとして、お客様を追いかけ回すような営業スタイルは通用しないのです。
 
 当社が、インターネット・ホームページ中心の仲介に切り替えて4年が経過しました。おかげさまで、売買仲介、賃貸仲介ともにお客様の理解が広がり、少なからぬ支持・支援をいただけるまでに育ってきました。
 
 私どもの方から、お客様に「夜討ち朝駆け」を仕掛けることは決してありませんが、当社のホームページは、365日、24時間、「開店」していますので、お客様の方からは、「夜討ち朝駆け」でホームページをご覧になっていただくことは大歓迎です。
 
 もちろん、メールも24時間受付中です。
 
 
PR
  この2年間程、不動産仲介業のあるべき姿、役割について考えに考えを重ね、なけなしの知恵を絞って、「ネット不動産フロンティアノート」を書き進めてきました。
 
衣・食・住という人間が生活する上での三大要素の一つに関わる仕事でありながら、不動産業界に対して、世の中の風当たりはなぜ厳しいのか?……、という疑問を解き明かすことが、執筆の動機の一つでした。
 
多額の費用を使って、折り込みチラシを配布すれば、その費用を回収するために、どうしても「しつこい営業」になりがちだという事情は分かりました。
 
福島市内で10万枚の折り込みチラシを配布するには約50万円の費用がかかります。
 
お客様からの問い合わせは5件あれば良いほうです。
 
これが、「しつこい営業」を生む原因であり、仲介業界が不信の目で見られる理由の一つです。
 
インターネットとホームページ、メールを活用すれば、多額の費用をかけて折り込みチラシを配布しなくても、お客様に「物件情報」を、速く・安く・正確にお届けすることができるようになりました。
 
インターネットとホームページ、メールが切り拓いた新しい不動産仲介業の世界です。
 
では、この新しい世界では、不動産仲介業者やその営業マンはどんな仕事をすれば良いのでしょうか。その役割は、どんなものでしょう。
 
そこで思い至ったのが、登山におけるガイドの役割ということです。
 
(社)日本山岳ガイド協会が「山岳ガイドの役割10ヶ条」を定めています。そのうち、不動産仲介業にもあてはまる5ヶ条について、ご紹介します。
 
(1)人命第一の行動をする。
 
……不動産仲介業に即して言えば、お客様の利益・立場を第一と考え、行動するということでしょうか。お客様は、命の次に大切なお金を支払って、一生一度の高額な買い物をするわけです。仲介業者は自分の立場・利益でなく、お客様のために行動することが求められるわけです。
 
(2)常に必要十分な体力や技術を維持しておく。
 
仲介業に置き換えれば、不動産取引、土地・建物についての知識や経験を積み重ね、お客様が安心・安全に住宅を取得することをサポートするということでしょうか。
 
 (3)参加者が目的の登山に適切であるか判断する。
 
お客様にとっては、住宅購入は初めての体験であるケースが大部分です。無理のない資金計画、返済計画についてプロとしての立場からアドバイスをして、場合よっては、別の物件、購入時期の延期も含めて助言できる仲介業者でありたいものです。
 
(4)天候や地形を把握し、ルートの判断をする。
 
土地・建物・環境・災害リスク、不動産にかかわる事項は千差万別であり、経済環境も変われば、将来予測も関係してきます。
 
一方的に、楽観的な見通しだけでなく、最悪の事態にも備えるアドバイスや判断が住宅取得案内人(ガイド)としての仲介業者には求められます。
 
(5)天候・ルート・顧客体調の良否により、登山の継続や中止の判断をする。
 
住宅取得は年収の4~5倍、生涯賃金の20%程度の高額な買い物です。
 
土地や建物という「商品」を見極める力だけでなく、「商品」が経済価値を維持する可能性や、お客様の体力(経済力)によっては、ルートの変更や登山(物件取得)そのものを中止、又は延期するという決断も大事なことです。
 
不動産仲介業者は、お客様が住宅取得という大事業・大目的を安心・安全に実現することをサポートするのが仕事です。
 
山登りの時に、信頼できる山岳ガイドを選ぶのと同じように、不動産会社選びも大切なことではないでしょうか。
 
 
 
 
  不動産仲介業に携わって6年余りになります。売買仲介、賃貸仲介ともに、三つの透明化が大切だとつくづく思います。
 
 一つは物件の透明化です。土地、建物、マンション、いずれにせよ、市場に出てくる物件には、良い面とマイナス面が必ずあります。
 
 売り主や仲介業者は、物件の良いところだけを伝えたがりますが、マイナス面も含めて、しっかりとお客様に伝えるのが本当の仲介業ではないでしょうか。
 
 なぜかといえば、買って実際に住んでみれば、住宅の欠点・マイナス面は必ず分かるからです。仲介の際にマイナス面に気づかなかったとすれば、仲介業者はプロとして失格ですし、知っていてお客様に伝えなかったとしたら「サギ的行為」だからです。
 
 二つ目は、取引の透明化です。
 
 賃貸仲介でいえば、敷金精算時の内訳の詳細表示・透明化です。これは「東京ルール」の普及でかなり減少しましたが、旧い賃貸契約書ではまだ残っているので「要注意」です。
 
 売買仲介の世界には、不明朗な「取引慣行」が少なからず残っています。
 
○物件の所在地を地番まで表示しない。
○物件情報の意図的な出し惜しみ、囲い込みをする。
○来店を誘うことによる強引な営業。
○架空の競争相手を仕立てる「煽り行為」の横行。
など、旧い営業手法・不透明な手法が、残念ながら残っているのが実情です。
 
 しかし、これらの旧い手法は、インターネットの利用でお客様から見透かされ、数年のうちに姿を消すに違いありません。
 
 三番目の問題点は、不透明な業界体質です。
 
 不動産業界は、売主(貸手)と買主(借手)と仲介業者の三者が存在して成り立つ業界です。
 
 売買仲介に限っていえば、売主と買主は価格については鋭く利益は対立します。物件情報の開示についても、その利害は一致しません。
 
 仲立ちする仲介業者は、どちらの立場に立てば良いのでしょうか?
 
 米国では、仲介業者は原則として両方の代理人(仲介業者)となることを禁止されています。その最大の理由は、仲介業者の立場が「あいまい・不透明」になり、売主・買主双方の利益が損なわれる恐れが多いということのようです。
 
 日本では、大手仲介業者を中心にして、双方代理・両手数料取引が大手を振って行われています。法的規制がないからです。
 
 このことが、わが国の不動産仲介業界に不透明な体質が根強く残る最大の原因だといわれています。
 
 たしかに、売主・買主の両方から仲介手数料が入るのは大きな魅力です。しかし、これが続いていたのでは、売主側業者による物件情報の囲い込みが一般化し、市場の透明化・業界の透明化は望むべくもありません。
 
 
アーカイブ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

アクセス解析
忍者ブログ [PR]