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 三連休の初日に、南福島総合住宅公園内の住宅展示場を訪ねてみました。
 
 午前の時間だったせいもあるのでしょうが、人影はまばらで、「住宅不況」を肌で感じました。
 
 訪ねてみた最大の目的は、地場工務店大手のA建設のチラシ広告に載っていたお譲りしますという「モデルハウス」を見るためです。
 
建坪52坪、木造2階建ての在来工法の住宅で、展示場建て替えのためお譲りしますとのことでした。ただし、「移築費用はお客さまの負担です」とありました。
 
木造2階建て、しかも在来工法の住宅を移築することは、技術的に可能なのかどうか、経済的に採算が合うのかどうかという疑問があったので、ぜひその点を確かめようと訪ねてみたわけです。
 
モデルハウスだけあって玄関は広いし、一度こんな家に住んでみたいと思わせる魅力のある建物でした。
 
対応してくれた女性のスタッフに、この家は解体移築できるのですか?と尋ねてみました。
 
床材や壁材は再利用できませんが、柱や梁は十分に再利用できるので移築可能ですとの答えがありました。
 
費用はどのくらいかかるのですか?と尋ねました。すると、女性のスタッフは、このアンケートにご記入いただけますかと返してきました。
 
少しムッとして、アンケートに記入しないと移築費用は教えてもらえないのですか?と問い返すと、先方もムッとした感じで約2,300万円ぐらいかかりますと教えてくれました。
 
移築費用は2,300万円ほどですが、それに加えて外廻りの給・排水工事代として200万~300万円はみておいて下さいとのことです。
 
同じ規模・仕様で新築すると3,300万円程度だそうですから、新築より500万~700万円程度安く仕上がるということです。
 
結局、そのモデルハウスの内部は見ることなく、何か「むなしい感じ」のまま外に出ました。
 
私の場合、在来工法の木造住宅を解体移転することは技術的に可能なのかどうか、経済的に採算が合うのかどうかを確かめたいという目的で訪ねたのですから、目的は十分に達したことになります。
 
家を建てようと思って展示場を訪ねたお客さまの場合はどんな感じをもつのでしょうか?
 
まず、アンケートにご記入下さいというのが本当のねらいであって、モデルハウスと「お譲りします」というのは「オトリ広告」に近いものだと感じるのは下司の勘繰りなのでしょうか。
 
外に出てみると隣りに大手プレハブメーカーであるSハウスの展示場がありました。「980万円でモデルハウスお譲りします」と大きな看板が出ていました。
 
ついでにと思って中に入って説明を聞きました。プレハブ・ユニット工法なので安い費用で解体移築が可能ですとの説明にやや納得ができました。
 
説明の最後に、係員は、ただしこれは抽選になりますとのことでした。
 
倍率はどのくらいになるのですかと尋ねると、約2,000倍ですとのことです。東北の各展示場でお客さまの申込みを受付けて12月半ばまで受付をして抽選をするそうです。
 
2,000分の1の確率では宝くじ並みではないでしょうか。チラシ広告でモデルハウスを「800万円でお譲りします」といったものをよく見ますが、こういう内容だったわけです。チラシには倍率は2,000倍になるなどとは一行も書いてありません。
 
白昼堂々とこんな集客手法をまだやっているハウスメーカーがあることを、改めて知りました。不動産業界全体のマイナスイメージを広めるためにやっているとしか思えません。
 
同じ展示場の中にモデルハウスを展示している他のハウスメーカーさんの名誉のために申し添えますが、前を通りかかると、「よかったら、内部もご覧下さい」と声をかけてくれるだけで、しつこい「営業」などは全くありませんでした。
 
普通のお客さまが、不動産会社のドアを開けて中に入るのは「勇気」のいる行為だといわれている意味を改めて思い知らされる体験でした。

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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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