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新聞報道によれば、政府は尖閣三島(約4.49平方キロ)を20億5,000万円で買い取ることで地権者と合意したとのことです。
 
 地権者との交渉では、先行していた東京都側が、不動産鑑定士や地質・海洋学者らのチームを派遣して準備作業を進めてきましたが、空振りに終わりそうです。
 
 もともと、石原都知事の思い付き的発想から出た話であって、何ら戦略的裏付けも、具体的な作戦計画もなかったようです。
 
 4,490,000平米の離島を20億5,000万円でで政府が買うということは、1平米当たり456.6円、反当(1000㎡当たり)45万6,600円という法外に高い価格です。
 
 私の古巣の(財)日本不動産研究所の不動産鑑定士が派遣団に同行していたようですから、恐らく、反当1万円、1平米10円ぐらいの評価額になるはずでした。
 
 1平米10円、全体で4,490万円の鑑定価格では、地権者も同意しないでしょうし、それ以上の評価額を鑑定士が出すことは困難です。
 
 つまり、正攻法では対応できない問題を、石原都知事はパフォーマンスとして演出したとしか思えません。
 
 国が三島を借地している賃借料が年間2,500万円弱ということですが、この地代そのものが、政治加算されたものであり、何ら妥当性のないものです。
 
 土地の値段や地代を経済的に算定するのが不動産鑑定士の仕事ですが、尖閣三島に限っていえば、政治的配慮や外交上の加算が大きく影響しており、鑑定評価とは、本質的になじまない問題です。
 
 にもかかわらず、尖閣諸島に不動産鑑定士を含むチームを派遣したということは、為政者としては失格だと断言できます。
 
 地権者との交渉見通しや、都議会対応も含めて、全くのパフォーマンスであったことが、間もなく明らかになるのではないでしょうか。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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