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土地神話が崩壊して20余年、福島市内にもマイナスの価値しかない物件が散見されるようになりました。
 
 例えば、飯坂温泉の中心部にある「旧若竹旅館」です。約250坪の敷地の上に6階建て70室の建物が建っています。
 
 今月21日福島地裁で競売に付され、最低入札価格93万2千円でしたが、誰も入札しませんでした。つまり売れなかったということです。
 
 この物件については、数人の知人から相談されて、調べていました。
 
 40年程前に、都市計画道路予定地が含まれることを無視して(県会議員の力を借りて)、鉄筋コンクリート造り6階建てのホテル建築を強行したようです。
 
 当然の結果として、今さら、大規模なリフォームをして福祉施設等に転用する際に必要とされる「建築確認」は不可能です。
 
 建物を解体撤去して、更地にすれば3,000万円程度の価格は付きそうな土地ですが、解体撤去費用が約4,000万円必要ですから、物件の価値としては、1,000万円のマイナス価値です。
 
 最終的には、街の美観を損ねるということで、地元観光協会や市当局が、解体撤去費用を負担して解決するのでしょうか。
 
 渡利の松齢橋の東側に「ホテルエンペラー」という旧ラブホテルがあります。
 
 30年程前に、何回か競売にかけられ、所有者が何度か替わりましたが、今では廃墟となっています。
 
 この物件も狭い敷地の上に7階建ての建物が建っており、解体撤去費が土地価格を上回るため、マイナス価値の物件となっています。
 
 福島市内ではありませんが、福島原発に近く、放射線量の高い地域の土地は、実質はマイナスの価値でしょう。
 
 これからは、色々な理由でマイナス価値となる物件が多くなるのではないでしょうか。
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不動産業界、特にアパートやマンションを貸したり、借りたりする不動産賃貸の世界は不思議な世界です。
 
 月額賃料(家賃)が5万円のアパートを借りる場合、前家賃1ヶ月、敷金2ヶ月、礼金1ヶ月、仲介手数料1ヶ月、合計5万円×5ヶ月=25万円が必要となります。
 
 敷金の2ヶ月分10万円は、退出する時には、原則として戻ってくることになっているので、保証金としての意味で納得できます。
 
 問題は礼金を1ヶ月分払わなければならないケースが増えていることです。
 
 戦後の極端な住宅不足の時であれば、大家さんの好意で貸していただけたことに対する感謝の意味で、「礼金」をお支払いするということもある程度理解できます。
 
 今は、住宅過剰の時代です。アパートやマンション、戸建貸家などの賃貸住宅は全国に約1,800万戸あります。そのうち空室、つまり空家になっているのが約400万戸、率にして22%が空家なわけです。
 
 福島県内に限っていえば、東日本大震災前の2010年の統計では、賃貸住宅は206,900戸、空室は60,000戸、空室率は29%でした。その結果として、「礼金」という意味不明の金銭支払いも激減していました。
 
 津波と原発事故で多くの県民が被災し、福島市にも約1万人の方々が避難してきています。
 
 応急仮設住宅が福島市内に956戸建設されていますが、これでは足りないので、民間のアパート等約3,500戸を借り上げ住宅として活用しているわけです。
 
 この影響で、福島市内では賃貸物件が極端に不足しています。例年ですと、常に5,000戸程度の賃貸物件が空いているわけですが、現在は300戸~500戸程度です。
 
 マーケットの力関係でいえば、完全な貸し手市場となっています。
 
 それに便乗して「礼金」などという説明のつかない「悪慣習」が復活してきました。
 
家賃をしっかり受け取った上に、「礼金」という相手の弱味につけ入った金銭を求めることは、どう説明しても借りる側、払う側には納得してもらえないのではないでしょうか。
 
当社が1月25日現在で取り扱っている賃貸物件はファミリータイプ、シングルタイプ合わせて45件です。そのうち20件は0.5ヶ月~1ヶ月の「礼金」が必要な物件です。
 
あえて、貸主・大家さんに申し上げます。人の弱味につけ入るようなビジネスは長い目で見れば、決してプラスにならないのではないでしょうか。
昨日、福島市の中心部の借地の上に建っている住宅を所有する方から相談を受けました。
 
 60坪余りの土地を戦前から借地しているのですが、建物も古くなったし、住む人も高齢者の一人住まいなので、何とかしなければとの相談でした。
 
 地代は年額50万円余りということで、決して安くはありません、経済的負担も小さくないとのことです。
 
 話し合いが進むうちに、何か、話が噛み合いません……。
 
 相談にこられた方は、借地人は建物を解体撤去し、更地にして、地主様に無償で返さなければならないと思い込んでいたのです。
 
 福島市の中心部の場合、「借地権」の価格は更地価格の4割~5割程度はすると説明すると、ビックリした表情をされました。
 
 わが国の借地法・借家法は、借り手の立場を強く保護しており、「借地権」というのは、立派な高価な価値のあるものですとの説明を聞いて、すっかり明るい表情になり、家族とよく話し合って、また来ますとのことでした。
 
 不動産に日常的に係わっている者や金融関係の人にとっては借地権に価格があることは「常識」ですが、永く借地をしている当事者にとっては、あまり知られていないケースもあるのだと、一つ勉強になりました。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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