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このほど、政府の地震調査研究本部は30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した08年版「全国地震予測図」を公表しました。①静岡市86.8%、②甲府市82.3%、③津市62.5%、④高知市54.3%と50%を超えた確率で、30年前の宮城県沖地震以上の揺れが予測されているわけです。
確率の低い順位では、①福島市0.1%、②盛岡市0.2%、③宇都宮市0.3%、④札幌市0.5%、⑤佐賀市0.6%となっています。地震に対する安全性という点では、静岡市の868分の1、東京(新宿区)の114分の1、周辺県との比較でも仙台市の28分の1、山形市の8分の1、水戸市の83分の1、新潟市の34分の1、宇都宮市の3分の1といずれもダントツの低さです。
自分は30年前の宮城県沖地震を震源地に近い仙台市の一番町にあった第一勧業銀行ビル内で体験しました。(財)日本不動産研究所に勤めていた頃のことです。夕方5時過ぎにチョットした予震がありましたが、夕方のミーティングを続けていた時です。ゴーという音と同時に地底から突き上げられるような感じを受けました。周りのロッカーが倒れかかってきて、何人かで手で押し戻した光景をはっきり覚えています。水道、ガス、電気も止まり1週間ぐらいは仕事にならないので、手分けして市内の被害状況の調査に出かけました。調査のポイントは被害を受けたビルや家屋の状況把握と原因調査、高台の造成地の被害状況の調査です。初歩的調査で分かったことは、建物については地盤の弱い埋め立て造成地に立てられた1階を駐車場にしたいわゆる下駄履ビルの1階部分がつぶれ易いということです。地盤については、高台の造成地の場、もとの地山を切り土した部分に被害は全くなく、谷を埋めた盛り土造成の部分に被害が集中していたということです。仙台市の震度が6弱でしたから、今回発表された震度予測と同じものです。人的被害は少なかったのですが、建物やインフラの被害は大きなものでした。
今回の発表でも明らかなように福島市の場合、地震のリスクは他の都市との比較で非常に低いわけです。これを企業誘致や地域振興の材料に使うのは、何か他人の不幸や欠点を自分を売り出すために利用するようで感心しない方も多いことでしょう。しかし、福島に住み、生活している一市民としては大いに安心してよいことですし、全国に宣伝しても許されるのではないでしょうか。そういえば、10年程前に、市役所の企業誘致係の担当者が私の事務所を訪ねてきたことがありました。大笹生の研究学園都市(オフィスアルカディア)の造成地の分譲価格についての相談でした。日本海沿いの工業団地のなかには、10年間は地代はゼロ、工場を建て地元の人を雇用してくれれば、10年後は土地は無償で譲り渡しますという好条件の工業団地もありますよ、分譲価格は原価割れ覚悟で決めるしかないですよ、といった話をした覚えがあります。進出予定企業が精密機械工業だというので、大笹生の活断層の話を聞いてみました。市の担当者も当然大笹生活断層のことはよく知っていたのですが、進出予定企業側にはまだ説明していないとのことでした。私は、不動産鑑定士としても、一市民としても、まず真っ先に進出予定地が活断層の真上にあることを説明すべきこと、たとえ1000年に1度の発生確率だとしても、相手が調べて分かる前に市側から十分に説明すべきであると市の担当者に説きました。大笹生の十六沼周辺では未だに企業の立地はなく、スポーツ公園として一時的に利用されているところを見ると、市の担当者は誠実な対応をしたのだと思います。目先の利益、一時的な利害で行動するのではなく、長期的な視野で、誠意を持って対応する、そんな生き方を貫いていきたいものです。
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