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不動産の鑑定評価の仕事に関わって40年近くになります。その間に、福島県内を中心にして約3,000件の鑑定評価書を作成したことになります。少し専門的な解説になりますが、不動産は三つの手法で評価することが「原則」とされています。
第一は、類似の物件(土地や建物)がいくらの値段で実際に取引されたかを調査して算定する取引事例比較法です。
第二は、その物件を新たに作り出すにはどのくらいの費用を必要とするかを算定する原価法です。土地の場合でいえば、山林・原野を造成し、道路を付け、水道・ガス・下水の配管を設置する費用を積み上げて算定します。建物の場合は、類似の建物の建築費(原価)から現在の価値を算定する手法です。
第三は、その物件が生み出す利益・収益から物件そのものの価格を算出する収益還元法といわれる手法です。例えば、年間84万円(月額7万円)の家賃収入のある中古マンションの一室は、84万円÷12%=700万円と算定をする手法です。ポイントは月額7万円の家賃の安定性・継続性の判断、12%の還元利回りを高いとみるか低いとみるかの判断です。
12%という数字は建物の減価償却費や税金、管理費などを控除する前の収益(粗利益)に対する利回りですから、ネットでは7%ぐらいです。0%に近い定期預金の金利と比べて高いとみるか、30年~40年後にはスラム化して家賃収入はゼロになり、解体費用を考えるとマイナスの価値になる危険性を考慮すれば利回りはもっと高くなければ・・・と考えるかは投資家としての判断です。
これらの三つの手法を適用して不動産の鑑定評価を行えば、大きな間違いをしないでほぼ妥当な価格を算定できるとされています。
さて、今回のメインテーマである人物評価、人物鑑定に話を戻します。人間を永くやっていると様々な人と出会います。若い時から人の好き嫌いははっきりしているほうでしたが、最近は特にその傾向が強くなった気がします。個人的な好き嫌いは別にして、人物評価にも三つの手法・モノサシがあります。
第一は志の高さです。経済力や経験、学歴はなくても高い志さえあれば、その人は評価に値する人間ではないでしょうか。
第二は人間としてどれだけの幅をもてるかです。目先の利害や損得に追い立てられ、世の中や世界を広く見ることが難しくなっている時代にあって、包容力、受容力の大きさは、得難いキャラクターの一つです。
第三は、奥行きの深さというモノサシです。学歴や職歴ではなく、世の中や物事とどれだけ深く関わって生きてきたか、どれだけ真剣に人や仕事、学問に対処してきたかが問われることになります。この能力は本人の心構え一つで人生経験を重ねると共に伸ばし、研ぐことができるものではないでしょうか。この三つの評価手法・モノサシはなんのことはない、小学校低学年の算数で習う立方体の体積計算法と全く同じです。底辺X奥行X高さ=体積という計算式を人物評価に応用したものです。
ところで、「三高」という言葉が昔いわれたことがありました。女性からみて理想的な結婚相手の三条件というぐらいの意味だったでしょうか。
第一に背が高いこと、第二に学歴が高いこと、第三は収入が高いこと、という三つの高さを基準に男性を評価するということだったようです。最近は「三高」という言葉があまり聞かれなくなりました。個人的には大変良いことだと考えています。山あり、谷ありの長い道のりを共に歩むのですから、外見や目先の「三高」などのモノサシで道づれを選ぶのには賛成しかねるからです。
長い道のりを共に過ごすという意味では、住宅選び、物件選びも同じではないでしょうか。我が家に戻るとほっとする、心が安らぐ、リフレッシュできる、そんな条件を満たす物件選びのお手伝いを心がけています。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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