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不動産を売買する場合、金額も高額であり、売り主も買い主も一生に一度というケースが多いので、契約は文書で取り交わし、細かい点まで契約書には書き込むことになっています。
 
しかし、文書を交わしただけではただの約束であり、不安が残ります。売り主も買い主も、途中で気が変わったり、特別な事情が生じたりする場合があるからです。
 
約束したこと(契約内容)をしっかりと守りますという意味を込めて、「手付け金」を買い主から売り主へ契約時に支払うわけです。
 
手付け金は売買代金の1割から2割程度のケースが大部分です。
 
買い主は、途中で気が変わったり、他にもっと良い物件が見つかったような場合、手付け金を放棄すれば、契約を解除することができます。
 
売り主の側が気が変わったり、他にもっと高く買ってくれる人を見つけた場合、手付け金の倍額を買い主に返せば、契約は解除できます。このことを業界用語で「手付け倍返し」というわけです。
 
3年ほ度前です。蓬莱団地に住む人から相談を受けました。今住んでいる場所から近いし、価格も安いと思ったので、1,200万円の物件に50万円の手付金を払って、売買契約を結んだが、10日後に、手付け金を返して契約を解除するとの通知を受けたとのことです。
 
よくよく話を聞いてみると、1,500万円で買う人が出てきたので、手付け倍返しで100万円を返しても(実質50万円の持ち出し)、300万円高く売る方が得だとの事情があったようです。
 
相談に来た方は、気に入った物件だったので大変残念がっていました。
 
この事情から分かることは、安いと思った物件、気に入った物件は、少々無理をしても、手付け金を2割ぐらいまで支払った方が安心だということです。
 
売り主も、2割の手付け金を受け取れば、浮気をしないはずです。
 
買い主も、万一、解約になっても2割もの金額がただ同然で手にはいるのですから、損な話ではありません。
 
「手付け金」については、思い出すのもつらい憶い出があります。
 
英国留学から戻り、福島で教職を得たKさんが旧市内の土地を奥様の名義で購入しました。
 
神戸に住む父親が、娘さんのために土地代金を支払い、夫であるKさんが家を建てるプランでした。
 
当社とは20年来の付き合いのある開発分譲業者の分譲地で、価格は2,500万円、手付け金は250万円で、当社が仲介をしました。
 
ところが、残金決済・引き渡しを目前にして、Kさんが急死したのです。
 
Kさんの急死を知って、売り主である分譲業者をすぐに訪ねました。
 
法律的には、契約は有効であり、亡くなったKさんの奥様が、契約書通りに、売買契約を進めるか、手付け金を放棄して解除するかのいずれかになるわけです。
 
しかし、開発・分譲業者(株式会社ベルウッド)の鈴木社長は立派でした。
「手付け金は全額返済します」、「契約はなかったことにします」と即座に決めました。
 
 こんな時、売り主や不動産仲介業者がどんな対応をすれば良いのか、どんな対応をする人や会社が多いのかは、今でもわかりません。
 
 多分、同じように手付け金は全額返し、淡々と契約解除に応じる会社が多いと信じたいです。
 
 少なくとも、(株)ベルウッドの鈴木社長と私は、人間として恥ずかしくない対応ができたと誇りに思っています。
 
 丁度3年前の、梅雨時のつらい憶い出です。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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