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国土交通省土地政策課が昨年6月、「敷地細分化抑制のための評価指標マニュアル」を発表しました。大都市圏で顕著なミニ開発を抑制し、将来にわたって良好な居住環境を維持するための指標ということでしょうか。
 
指標作成の背景・目的は以下の4点です。
 
① 住宅・宅地については、量的には充足されたが、居住環境の質については十分とは言えない。
② 今後は、新規に供給される宅地の質の向上とともに、既存宅地の質の向上を図る必要がある。
③ 問題のあるミニ開発を抑制し、良好な居住環境を持つミニ開発(?)へと誘導する。
④ 消費者が住宅の居住環境を評価できる評価指標・手法を検討・作成する。
 
ちなみにミニ開発とは100㎡以下の区画敷地のことを指しています。地方都市では、中心市街地以外にはほとんどみられませんが、居住環境を測定するモノサシとしてご紹介します。
 
土地の価格は立地・利便性・宅地の利用しやすさ(用途地域、容積率、道路幅員、最寄り駅までの距離等)と街並み・景観形成・緑環境等の「居住環境形成要因」で決まると考えられます。
 
この居住環境価値を計測する項目としては、指標は以下の7項目をあげています。
 
○ 地域の緑に覆われた面積の比率(緑被率)
○ 1人当たりの空地面積
○ 建物面積に対する空地面積の比率
○ 人と車の分離
○ バリアフリー化への対応
○ 良好な日照・通風・採光の確保
○ 街並み・景観の統一
 
このモノサシで市内の住宅地を見なおし、順位をつけるとしたらどんな場所・地域があげられるでしょうか。
 
森合の県立美術館周辺の住宅地の一部、御倉町の旧日銀支店長宅周辺の住宅地、花園町の桜の聖母短大周辺の住宅地などがすぐに思い浮かびます。
 
全国レベルでは田園調布、麻布、番町 … 関西の芦屋あたりでしょうか。
 
いずれもこの10年来、高層マンション開発が盛んで品格のある居住環境というイメージから遠くなりつつあります。高層マンションの立地は、視点を変えれば、立体型の空間ミニ開発ともいえます。億ション=ミニ開発、何か変ですね。
 
例外もあります。福島市の森合の住民は某建設会社が企画した高層マンション計画を地域のイメージ・環境を損なうとして計画案に同意せず、デベロッパーもあっさりと計画変更に応じて、区画分譲地としました。
 
田園調布は地域住民の昔からの協定で敷地の細分化(ミニ開発)や高層マンションの建築を認めていません。
 
地域の品格・居住環境を決める大切な要素の一つに、その地域に住む人々の意識・品性・知性・品格という要素があることを考えさせられました。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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