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7月15日からから佐賀県で開催されている全国知事会議で、福島県の佐藤雄平知事が「原発事故の風評被害と風化に非常に困っている・・・」と各知事に説明した、との報道がなされています。

 

「・・・非常に困っている・・・」云々の発言の全文を精査したわけではないので、言葉足らずの面があるのかもしれませんが、非常に困っているのは被災者や県民であって、指導者・リーダーたるべき知事までが、「困っている・・・」では、何か頼りないものを感じるのは私だけでしょうか?

 

そこでまず、「風評被害」について調べてみました。

 

「風評被害」とは、「根拠のない噂のために受ける被害」と定義できるようです。

 

原発事故による放射線被害は、根拠のある、事実に基づいた実害です。ただ、その被害の程度や将来への影響などについて、考え方や予測に違いがあるために意見が分かれているのも事実です。

 

指導者たる者が、困った困った・・・、非常に困った・・・、などと言っていたのでは、県民は本当に困ってしまうのです。

 

指導者たる知事に、被災者・県民が求めていることは、放射線被害という実害と、根拠の有無も含めた「風評被害」について、「実害」と「風評」を区分する根拠・基準を明確に示し、根拠のない風評に対しては、徹底して解明・説明する姿勢、リーダーシップであることに疑いはありません。

 

「福島は安全」「福島は大丈夫」「福島の復興は前進している」などの言葉を何十回くり返しても、空しく響くだけです。(念のため申し添えますが、雄平知事のことを云っているのではありません。一部のメディアに見られる風潮のことです)

 

ところで、原発事故の「風化」の原因と対応策はどうあるべきでしょうか。

 

時間の経過と共に、原発事故そのものも忘れ去られ、人々の記憶の中で「風化」するのは、ある意味では、自然の摂理であり、いたしかたない面もあります。

 

しかし、原発の事故原因の究明も不十分なまま、喉元過ぎれば熱さを忘れるといわぬばかりの、原発再稼働推進派の策謀・キャンペーンも見逃すわけにはいきません。

 

全国版のテレビニュースや新聞で、震災関連・原発関連の報道が少なくなり、扱いも小さくなっていると感じるのは私だけでしょうか。

 

日本のメディアは原発の「安全神話」を全国民に信じこませた「前科」があるわけです。

 

せめて、その罪滅ぼしの意味も含めて、国民の中に、いささか飽きがきたという気分があったとしても、事故原因の究明や原発の危険性について、使命感を持って、訴え続けてゆく責任があるはずです。

 

原発事故は、わが国にとっての「第二の敗戦」とも云うべき歴史的な大事件です。

 

国の指導者が、第二の敗戦の教訓を忘れたかのように振る舞い、原発再稼働の道を進もうとしている時にあって、被災地・福島県の最高指揮官たる知事はどう対応すべきなのでしょうか。

 

県内の全原発の廃炉はむろんのこと、全国の原発の再稼働にも体を張っても反対することこそが、県民の指導者たる知事に求められていることであり、知事がそのような姿勢で事に当たることで、原発事故の風化を防ぐことができるのではないでしょうか。

 

「非常に困った・・・」などの発言は、本音なのかもしれませんが、政治家・指導者としては「困った」ことなのです。

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高橋雄三
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