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被災地の土地・建物・庭木・果樹園の樹木山林の立木等々の評価のあり方について、「原発賠償を考えぬく」(http://www3.plala.or.jp/kantei/baisyo22.html)というコラムを、この1年あまりの間に22回連載しました。

 

そのせいか、被災者だけでなく、全国の原発被災者を支援する弁護団からも多くの問い合わせや相談・鑑定評価の依頼を受けています。

 

当初は、東京電力の建物評価基準・手法では納得できないという相談が多かったのですが、最近は、自宅の庭として使っている部分の地目が「畑」となっているために、宅地の3分の1の「評価額」であり、どう考えてもおかしいという相談が多くなっています。

 

その他にも市街地に隣接する梨畑の評価が宅地の10分の1以下であったり、梨の木の評価について、東京電力から誠意ある回答が得られない・・・という相談も寄せられています。

 

いずれの相談も、現地をしっかりと調べれば、立場の違いを越えて、妥当な評価・納得いく賠償額の算定に到達可能な事案ばかりです。

 

双葉郡を中心にして、被災した建物は3万棟を超えており、宅地・農地・山林に至っては数10万筆になるわけですから、東電が一括評価・一括査定することは、当初から無理なことであり、個別・具体的な事情を十分に分かっている被災者・地権者の方々にとっては、とうてい納得できないケースが少なくないわけです。

 

原発事故の当事者である東京電力は原発賠償を支払う側であり、被災者は賠償を請求する側なので、その立場は正反対なわけです。

 

福島県内を中心にして、40年近く鑑定評価の仕事をしてきた者の責任として、「事実を並べて道理を説く」立場を貫き、公平・妥当な損害賠償額の評価・算定に全力をつくすことが自分に与えられた使命であると、つくづく思う今日この頃です。

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本年3月、東京電力は、原発事故被災地内の宅地・建物等についての賠償基準を公表し、請求書の送付をようやく始めました。
 
これまで、10数人の被災者や弁護士から相談や評価依頼が寄せられ、取りくんできました。
 
◎ しかし、4方式による建物価額の計算は、実際にやってみると、意外と煩雑であり、時間のかかるものだということがわかりました。
 
◎ そこでパソコン・ソフトに詳しい当社のスタッフが、約1ヶ月かけて4方式による建物価額の計算・試算シミュレーション・ソフトを開発しました。(http://www3.plala.or.jp/kantei/tatemono.html
 
◎ 全国に避難している被災者の方々が使い易い様に工夫し、当社のホームページの画面上で数字を入力し、選択肢をクリックすれば建物価額がただちに算出されるソフトです。
 
◎ 被災者や弁護団、関係町村の担当者にとっても、不動産賠償の請求額がいくらになるのかは、最大の関心事であり、しかも、手続きや交渉は遅きに失しているのも実態ではないでしょうか。
 
◎ そのような事情を勘案して、「建物賠償の4方式の試算シミュレーション」を当社のホームページで無料で公開することにしました。
 
 なお、原発事故による損害賠償については、東京電力基準であまりにも低すぎて、生活再建はおろか、移転・移住も不可能ではないかとの強い批判があることも事実です。
 
 私個人としても、1年有余にわたり、原発賠償のあり方については、考え続けており、「原発賠償を考えぬく」(http://www3.plala.or.jp/kantei/baisyo9.html)というコラムを9回ほど連載しております。ご笑覧下さい。
論より証拠という「ことわざ」は、わが国で広く知られており、諸外国にも同じ意味の言葉があります。
 
 言葉であれこれと説明するより、裏づけのある証拠で見せた方が説得力があるということは、世界共通の「真理」なのでしょう。
 
 この2ヶ月ほど、「原発賠償を考えぬく」というコラム(http://www3.plala.or.jp/kantei/baisyo.html)を鑑定部のホームページに書いています。
 
 3.11の原発事故後26ヶ月になるのに、被災地の不動産賠償は遅々として進まず、ようやく経済産業省・東京電力から「賠償基準」が示された段階です。
 
 不動産鑑定士として、原発被災地内に残る土地や建物の損害賠償はどうあるべきかを考えてきました。避難している人々が安全な場所・地域に移り住むことが可能になるような不動産賠償額は、どうあるべきかを考えぬくコラムとして、8回連載したところです。
 
 各地の原発賠償弁護団や少なからぬマスコミ関係者から問い合わせや取材を受けました。
 
 各々の立場で、被災者の生活再建のために何とか役に立ちたいという思いは全く一緒です。
 
 「原発賠償問題」を考えぬくために、少なからぬ時間を割いて、資料を集め、分析・検討を進めています。
 
 被災者側と東京電力側では、置かれている立場は180°違っており、文字通り真逆です。
 
 立場や利害が正反対な双方が納得し、受け入れることのできる土地や建物の賠償額を決めるために必要なことは何なのかを、コラムのスタートにあたり考えました。
 
 結論として、「事実を並べて道理を説く」立場に徹することではないかと思いあたりました。
 
 事実(証拠・論拠)を調べつくして、道理(公正な論理・議論・結論)の立場に徹することこそが、置かれた立場の違いを乗り越えて、受け入れ可能な、妥当な賠償額に到達できる唯一の方策ではないかという考え方です。
 
 感性的、あるいは人情・感情的には、被災者の立場に徹するべきだとの議論はよく分かりますし、弁護団が被災者の側から行動するのは十分に理解できます。
 
 しかし、不動産の鑑定評価に求められている役割は、理性的な判断です。それは、交換価値や市場価値の判定であり、それ以上でも以下でもありません。
 
 東京電力や経済産業省の考え方は、財物価値の減少分の賠償・補償というのが基本です。
 
 生活の場も仕事も地域も奪われた被災者にとってはとうてい受け入れることのできない論理です。
 
そこで、あれこれ考え、関係者とも議論をくり返しました。
 
事実上、いつ戻れるか分からない地域となった双葉郡とその周辺地域内にある不動産(宅地・建物・農地・山林・立木等)については、地域全体がダムの底に沈む場合等に適用される、「公共用地取得に伴う補償基準」を適用し、当事者の生活再建を可能にする考え方が、最も妥当で公正なものではないかということが、今の段階での結論です。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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