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新聞やテレビで「外国人訪日客が1,000万人に達し、外国人観光客が落とした金は1兆円を超え……」などといった報道が目につきます。

 

観光客や外国人が訪れた地域で金を使うことを「カネを落とす…」「カネが落ちる…」などと表現するわけですが、何となく引っかかるものがあり、他に適切な表現はないものかと、ずーっと考えてきました。

 

経済誌や観光庁の報告書などでも、「金が落ちる…」といった表現を使っているところをみると、他に適切な用語がないということのようです。

 

そこで、こだわって、インターネットで調べたり、博学な友人に尋ねたりしてみました。

 

なぜ、日本語では「金が落ちる…」などと、品のない表現を使うのか…?という疑問・質問です。

 

おおよその事情・背景が分かりました。

 

日常の買い物の場合は、「金を使う」という表現であり、「金を落とす」とは決して言わないこと。

 

「金を落とす…」という表現をする場合は、他の地域から来訪した観光客などが、買い物や飲食・宿泊などにお金を使う際に、お金を受け取る側(地域)の立場から見た表現として「金が落ちる…」ということになるのではないか。

 

こう考えると、「金を落とす」「金が落ちる」という表現は、品位にはやや欠ける面はあるが内容的には、大変良く分かる表現ではないかということが分かりました。

 

外国語ではどんな表現をするのかと、ネット辞典で調べたところ、英文では、観光客が地域の店等でお金を使うことを、

 

spend  (a lot of)  money

scatter (a lot of)  money

 

と表現することが分かりました。

 

衣服・食品などの日常的な買い物でも、観光地での支出もspend あるいはscatterという言葉で表現しているようで、「観光客の支出」を特に区別して表現はしないようです。

 

ここまで考えてみると、他の地域あるいは外国から来てくれた観光客が、その地域内で金を使ってくれることは、大変ありがたいことで、「金が降ってくる…」と同じように思えるのではないでしょうか。

 

「金が落ちる…」という表現も、そのように考えれば、少々品が悪くとも、まあ…いいか、と思えるようになりました。

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高橋雄三
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男性
職業:
不動産鑑定士
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