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この正月休みに、「膨張する金融資産のパラドックス(吉田繁治著)というやや硬い本を読破しました。
吉田氏は「ビジネス知識源」という有料メルマガで読者数が万を超える断トツのブロガーであり、情報システム・経営コンサルタントとして有名な人です。
著書の中で、現金・預金・株券・国債などの金融資産は、持ち主にとっては「資産」ですが、相手側(発行元)にとっては「負債」なので、重大な金融危機の時には、「負債」の踏み倒しや、価値の「消滅」が必ず起きるので、今から、その時に備えた準備をせよ、と説いています。
たしかに、古来、富の蓄積手段としては、家作(土地と建物)か金貨しか安全な資産はなかったわけです。
いくら、千両箱を金蔵に溜め込んでも、土蔵破りの盗賊には敵わなかったわけですが、大火に災っても「価値」は失わないという意味ではリスク・フリーの安全性があったといえます。
金(ゴールド)以外の「金融資産」は相手側(発行元)にとっては「負債」であり、発行元がデフォルトすれば、債券は文字通りの紙切れになってしまいます。
金融資産という区分からは外れるわけですが、土地もそれ自体が「絶対的所有権」という価値をもつ資産であり、誰かの負債ではないので、長期にみても、「安全資産」といえるのではないでしょうか。
金(ゴールド)と土地には、もう一つの共通性があります。それは、金や土地自体は価値を生まないということです。
もちろん、土地を他人に貸せば(利用させれば)、地代という収益を生み出しますが、地代の源泉をつきつめて考えれば、その土地を借りてビジネスを展開する人が稼いだ収益の一部を、土地の所有者が分けてもらうという経済行為ということになります。
金も土地も、資産・財産である以上、価格上昇によるキャピタル・ゲインや価格下落によるキャピタル・ロスは発生するわけですが、「金融危機」の際には安全性が高いだけでなく、価格上昇益(期待)も高いといえるわけです。
老婆心ながら付け加えれば、日本の土地は、確実に減少する人口・世帯数を反映して、価格は長期的には下落するわけですが、これまた確実視されている「金融危機」の際でも、価値がゼロになることはあり得ないという意味でも一定の安全性があります。
利用価値の高い、収益が見込める土地に対して、「金融危機」から逃避する「資金」が流れ込みつつあると考えれば、三大都市圏の地価上昇の背景も理解できなくもありません。