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不動産仲介業を始めて3年、この業界はまだまだ産業として未成熟な業界だという思いを強くしています。
 
 未成熟だということは、反面から見るとまだまだ成長改善の余地が多く残っていることであり、工夫次第でやりがいのある、チャレンジに値する仕事だと思っています。
 
 未成熟だと考える理由の第一は、誰の方を向いて仕事をしているのかということです。不動産仲介業はいうまでもなく、流通業の一分野です。流通業はお客様、つまりサイフを開いておカネを払ってくれる人がいて始めて成り立つビジネスです。ところが、この流通業のイロハが通用しない(分かっていない?)業界が、不動産仲介業界ではないでしょうか。
 
 売主様や貸主(大家)様との結びつきを強め、ご機嫌をそこなわないようにして、売り物件、賃貸物件を確保すれば仕事は万事うまくいくと考えている人が残念ながら多数派のようです。
 
 物件が少なく、買い手、借り手が多かった昭和の時代までは、そんな仕事のやり方で十分に通用したことでしょう。つまり、売り手市場の時代のビジネスモデルからまだ脱却できていないマーケットではないかということです。
 
第二の理由は、お客様と生涯付き合うという姿勢が非常に弱い業界ではないかということです。たしかに、売主や貸主と永く付き合うということは、業界人なら誰でも知っていますし皆が実行していることです。しかし、買うお客様、借りるお客様と一生お付き合いをするという姿勢・体制を確立している業者は、はたしてどれだけいるでしょうか。
 
 衣・食・住、どれ一つ欠けても生活は成り立ちません。衣・食の流通業は、リピーターなしでは一日たりとも成り立たないことは誰にでも分かることです。「住」関連、不動産流通業界の現状はどうでしょうか。衣・食と同じように生活密着産業・必要不可欠産業でありながら、本当のお客様=買い客・借り客の方を向いて仕事をしないし、ましてや、顧客・リピーターとして期待もしていないし、努力もしていないのが現状ではないでしょうか。
 
 住宅を購入するお客様は、一生に一度か二度かもしれません。しかし、一人のお客様のうしろには、100人の隠れたお客様がいるのではないでしょうか。この100人の隠れたお客様と生涯を通じたお付き合いをする。こんな姿勢でわが社は仕事を続けていきたいと考えています。
 
 未成熟だと考える第三の理由は、情報化社会・IT化社会に対する対応がまだまだ遅れているのではないかということです。
たしかに、不動産ジャパンや各ポータルサイトが全国の不動産物件情報を提供していますし、各地の不動産仲介業者もインターネット上で物件情報を提供しています。しかし、本当に物件情報を探しているお客様の立場に徹して、情報提供システムを構築しているといえるでしょうか。はなはだ疑問です。
 
 自社の手持物件(自社物件)を中心に情報提供をするだけで、地域内の物件情報総てを提供して、物件を探しているお客様の便宜をはかるという立場が貫かれているとは思えません。今後、業界全体として取りくむべき課題の一つでしょうが、わが社は、率先して福島市内の全物件の情報提供を目ざしてガンバルつもりです。
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住宅取得の準備を始めたお客さまは、期待と不安の入り混じった複雑な心理状態で行動を開始しなければならないといわれています。
 不動産事業部を開設してまもなく、お客様は多くの不安を心に抱いていることに気づきました。この3年間で100件を超える取引の仲介をさせていただきました。その経験の中から、お客さまが不安感を持つ原因、不安の内容、いささかオーバーな表現をすれば“不安の正体”も少し分かった気がします。以下にポイントをまとめてみます。
 
 ○ 誰もが関わるのに、誰もがよく分からない世界
 
 人間は誰でも、不動産と何らかの関わりを持ちながら生きています。借りて済むか、買って住むか、親の家に住むか、いずれにせよ住む場所=住宅は必要不可欠です。なのに、この世界のこと、不動産業界のことは誰にとってもよく分からない世界だといわれています。
 
 親元を離れて進学や就職をすると、多くの人はアパートなり、1Rマンションなりに住むようになります。賃貸仲介業者の案内で部屋を決め、敷金と仲介手数料を払って、生まれて初めての一人暮らしを始めます。この段階では特に問題はありません。問題はその部屋を退去する時に生じます。床が汚れた、内装のクロスや天井が変色した等々を理由にして、敷金を返さないケースが少なくありません。賃貸契約書をよーく読むと、確かにそう読みとれる内容が書かれています。契約書にそう記されているのであればやむをえないと、シブシブ払う人が多かったようです。でも借りる側は心から納得したわけではありません。最初にそのへんのことをよーく分かるように説明してくれたら・・・と業界の慣行(?)に対してだけでなく、仲介業者に対しても不信感を強めます。
 
 国土交通省の強力な指導と各地の簡易裁判所で貸主側が連敗したために、この悪しき慣行は改善される方向に向かっています。しかし、現実には、旧いルールのままの賃貸契約関係は数多く残っており、現場での混乱、トラブルは少なくないようです。
 
 ○ よく分からないのに単価は高い
 
 地方都市福島でも、不動産は単価の高い買い物です。中古住宅でも1,500万円程度、土地を買って家を建てた場合は2,500万円~3,500万円程度はします。借りて住む場合でも月額6万円の家賃の家に4年間住めば、288万円の買い物です。なのによく分からない世界と関わらなければならない。お客さまの不安は募るばかりです。
 
 ○ なにが自分にとって一番良い物件か分からない
 
 予算もほぼ固まった。現地も多く訪れた。仲介業者の話もかなり聞いた。選択基準の80%~90%を満たす物件も見つかった。だけど、どれが自分にとって一番良い物件なのか、一番良い選択なのか、いま一つ分からない。これは、ある意味ではぜいたくな悩みなのかもしれません。
 
 家族や友人に心を開いて相談することが大切です。もう一つ大切なことは、不動産業界のプロである仲介業者にありのままに相談することではないでしょうか。その意味でも信頼に値する、本当のことを相談できる仲介業者を選ぶことは本当に大事なことではないでしょうか。
 
 ○ わからないのに決定しなければならない
 
 業界の事情もよく分からない。どれが一番良い物件かも分からない。仲介業者を全面的に信用してよいのか否かも分からない。そんななかで、最終決断をしなければならないわけですから、不安がないといえばウソになるでしょう。お客さまの最終選考まで残った物件は、他に物件を探している人にとっても優良物件のはずです。一生に一度の高額な買い物です。失敗は許されません。自分の選定基準で85点以上であれば、決断すべきではないでしょうか。世界経済の先行きも含めて、世の中によく分からない、不安材料は少なくありません。求められているのは決断力なのかもしれません。
 
 ○ 業者とお客さまの深いミゾ
 
 ダーティーイメージの先行する業界に身を置く仲介業者と半年やそこらの付き合いで全面的な信頼関係を築くことは難しい問題です。そもそも、決まってナンボの仲介業者と一生一度の買い物をするお客さまの立場は、出発点においても、動機においても違うものだということをまず認め合うことが大切ではないでしょうか。
 わが社が、3年前に不動産事業部を開設し、仲介業務を始めた時に心に決めたことがあります。不動産鑑定事務所がドロドロした世界に入り込んで成果をあげることができるかどうかは分からない。しかし、世の中やお客さまのお役に立てる可能性があるならば、チャレンジしてみる価値はあるという決意でした。
 
 お客さまの利益、お客さまの立場に徹して仕事をしてみて、それが世の中に受け入れられないのであれば、自分の判断や能力に何か足りないものがあったということだ。それが分かるだけでもチャレンジしてみるに値するという決断でした。
 
 何かお役に立つヒントはありましたでしょうか?
ホームページを全面リニューアルして40日が経過しました。3年余り続けてきた物件情報の新聞折込広告チラシを中止し、ホームページ、インターネット中心の物件情報の提供に切り替えたわけですから、わが社にとっては、世の中のIT化を先取りした「戦略的転換」であったわけです。
 
おかげさまで、ホームページを訪れて下さるお客様も増えており、メールや電話での問い合わせや会員登録も増えております。
 
今の自分の最大の関心事は、どうすればよりお客様に役立つホームページにできるかということです。
 
その第一は、鮮度と精度の高い物件情報をどれだけ多く提供できるかにかかっています。つまり、お客様の物件選びに役立つことです。
 
次に大切なことは、お客様の不動産業者選びに役立つことではないかと考えています。物件選びと業者選び、この2つが住宅取得がスムーズにゆくカギと云われています。だとするならば、「不動産業者選びのチェックポイント」といった内容の文案をまとめ、ホームページ上で公開するのが一番の近道だし、お客様にも喜んでいただけるのではないかと考えたわけです。
 
この1週間ほど、手持ち資料を整理しインターネットで検索して、自分なりに無いチエを絞って考えてみました。いずれ、改めてホームページで公開しますが、今回はその要約版をコラムとして記しました。
 
不動産業者選び、5つのポイント
 
    お客様第一主義を貫いている会社か否か?
 
どの会社のホームページにも、顧客第一主義、買主本位、バイヤーズエージェント・・・といった文言が並んでいます。買手市場にマーケット環境が根本から変わった現在、お客様への「お役立ち」競争は当たり前のことですし、世の中にとっても良いことです。問題は、お客様の本音、不満、ニーズをしっかりと受けとめ、応えていけるか否かではないでしょうか。
 
②「使命感」「誇り」「志」をもって仕事をする会社か否か?
 
 不動産業、特に売買・賃貸の仲介業者は、ともすればダーティーイメージで見られがちな業界でした。しかし、世の中にとってはなくてはならない必要な仕事ですし、お客様にとっては大事な局面で関わらなければ「住宅取得」という目的はなかなか達せられない仕組みになっています。
 会社だけでなく、社員・営業マンもこの仕事に「誇り」を持って取り組んでいるか否かは、ホームページだけでは分かりにくいかもしれませんが、簡単な問い合わせをメールなり、電話なりでしてみれば分かるのではないでしょうか。「仕事への姿勢」「取り組みの熱意」「スタッフの人柄」について納得できるまで「面接」してみて下さい。
 
③売上至上主義の会社か否か?
 
 不動産業界はこの10数年、大きな変化に見舞われています。変化の一つは、マーケットが売手市場から買手市場に変化したことです。第2の変化はインターネットが広く普及し、家庭のパソコンから物件情報が無償で、しかも大量に入手できるようになったことです。
 この変化は、業界内部から見れば、お客様へのサービス競争が質・量ともに変化したということになります。この変化に対して、大手を含む一部業者は旧態勢然たる売上至上主義で臨んでいます。
 
 手持ち物件の公開に消極的で、来店したお客様に対しては、多くの物件情報を提供するのではなくて、特定の物件(手持ち物件=自社物件)をまず案内し、案内の直後に「早く買付証明を出さないと直ぐに売れてしまう」とか、「この物件はすでに○人案内しました」などといって「煽る」業者は要注意です。ホームページ上で「物件の買い取りもします」と謳っている会社も要注意とされています。買い取りができるということは、それだけの資金力があるということですが、反面から見ると買い取った物件は早く売らなければならない、売上至上主義に陥りやすいということでもあるわけです。
 
④「オトリ広告」や「売却済の物件」をホームページに載せていないか否か?
 
 ごく最近、Eという賃貸の全国チェーンを展開している会社が「オトリ広告」を載せていたとして当局から摘発されました。「オトリ広告」でお客さんを集め、別の物件を案内して契約を急がせるのは昔からの手口ですが、苦しくなるとこの手を使う業者や営業マンもまだいるようです。
 悪意はないのでしょうが、「売却済」の物件をホームページ上にそのまま残しておくことも、お客様の立場からすれば、結果として「オトリ広告」と変わらないことになりかねません。ホームページ中心の営業展開をしている会社にとっては頭の痛い問題ですが、「物件確認」の頻度と精度を上げて対応する以外に道はありません。
 
⑤マイナス情報の確認
 
 行政当局や業界団体が発行しているパンフレット等には、不動産業者選びのポイントとして、イ.免許業者か否か、ロ.業界団体に加入しているか否か、ハ.行政処分の有無等をあげています。行政や業界団体としての限度があるわけですが、イ.~ハ.のチェックポイントで分かるのは、よほど悪質な業者だけです。たしかに昨年の春、お客様とのトラブルが絶えなかった福島市内のT物産(東栄物産ではありません。念のため)は、宅建協会から脱退勧告を受け、業界団体から脱退しました。念のためにT物産のホームページで確認しましたが、加入団体名は載っていません。ハ.の行政処分についても監督官庁である福島県のホームページには行政処分を受けた会社名は載っていません。直接窓口へ行けば教えてくれるそうですが、行政当局の姿勢として物足りなさを感じます。
 
 以上、業者選びのポイントについて記しましたが、大切なことは、程度の悪い業者を見つけ出すことではなく、本当に信頼関係を保ちながら「住宅取得」というゴールに向かって共同作業を進めるパートナーを見つけることではないでしょうか。
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HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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