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市場・マーケットは売り手と買い手がいて成り立ちます。しかもその前提条件として、売り手も買い手もその仲介業者も「商品」や商慣行・ルールについて十分な情報と知識・経験を持っていることが 公平・公正なマーケット成立の大前提とされています。スーパーでの日常的な買い物でも、スーツを新調する時でも、マイカーを購入する場合でも、購入する商品についての一定の知識を持ち経験・体験をふまえたうえで、類似品と比較・検討し、価格、品質に納得がいけば買うことになるわけです。
ところが、不動産のマーケットは少し事情が違います。一昔前までは、仲介業者は売り主から預かった物件を「宝物」のように大切にし、来店したお客様に小出しにお見せして関心をつのらせ、現地案内をして、「早く決めないと他のお客様で決まってしまいますよ!」などと急かせる手法もあったと聞いています。インターネットが普及し、物件情報が手軽に、大量に入手できるようになった現在、少なくとも物件情報の量という面での格差は解消されたといえます。逆に、お客様の方が多くの物件情報を入手し、現地を確かめ、仲介業者よりも詳しいケースもみられます。
問題は物件情報の質という面にあります。価格は妥当なものか、立地条件・環境に問題はないか、地盤は安全か、水害のリスクはないか等々の「知識」「情報」「経験」は「一生に一度の高額なしかも初めての買い物」をするお客様はプロの仲介業者にはかないません。特にマイナス情報はプロの仲介業者でなければ分かりません。物件探しを始めたお客様がまず初めに迷うのはどこの仲介業者を訪ね、相談すればよいのかが分からないということのようです。そこで、インターネットを活用して仲介業者のホームページを何回も訪れ、物件情報の入手を併せてその会社の「仕事への姿勢」「取組みの熱意」「社長や社員の人柄」などについて納得するまで「面接」するといわれています。インターネットの普及が物件情報の入手を容易にし、会社の顔であるホームページを通して「会社選び」を可能にしたということの意味は大きいと思っています。不動産業界の「近代化」「体質改善」「信頼性の向上」が叫ばれて久しいのですが、これからは不動産業界のメンバーはホームページ経由でお客様の「面接試験」を何度も受ける時代に確実になりつつあると感じています。
わが社もお客様の「面接試験」「口頭試問」に鍛えられ、努力を重ねるなかで「地域での信頼一番店」から、いつの日か「実績一番店」の夢を実現したいと願っています。
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前回のコラムから10日が過ぎました。週に1回は書くと自分で決めているのですが、守れませんでした。不動産鑑定士としての本業である依頼者との打合せ、現地調査、資料収集、鑑定評価書起案、校正、納品と、年度末と重なる3月は普通の月の3倍は忙しい月です。お約束した住宅の立地、地域と環境ついて今回はとり上げます。
まず、不動産のマーケットは地域性の強い、ほとんど地域限定の市場です。土地や家を探す人は現在住んでいる場所、通勤・通学に便利な場所、親や兄弟の住んでいるところに近い場所、生まれた場所や地域等々、地縁、血縁、縁故地、あこがれの地などを基にして探しています。
福島市内には約600件の売地があると推定されていますが、探している人の条件に合致した物件は5~6件に絞られます。絞られた5~6件をさらに道路付や日照、通風、周辺環境、価格、面積などの条件で絞りこむと、ピッタリの物件はなかなか見つかりません。
でもあきらめないで下さい。新規の売地は年間300区画~400区画福島市内で出てきます。新規分譲地でなく、古い家を解体撤去して更地化した土地を含めれば500区画ぐらいは1年間に売りに出されます。わが社の使命、ポリシーは、まず、お客様に数多くの物件情報を提供することです。お客様の希望条件に合致しそうな物件情報を少なくとも5~6件はいつでも提供できる体制を整えておくことを基本としています。お客様が、それらの物件を現地で、自分の目で確かめて、お客様の第一次審査に合格したら、次のステップに話を進めるというやり方です。物件の多くには、売主側から依頼を受けた業者(業界用語で「物担」といいます)が付いているわけですが、その場合、私どもは買い主側の立場(業界用語で「客担」といいます)で売買についての交渉を進めるというやり方です。
米国では、売り主代理(セーラーズエージェント)と買い主代理(バイヤーズエージェント)とはっきりと分業になっている州が多いようですが、日本では、売り主、買い主の双方代理というケースも少なくありません。お客様は、いずれにしても3%+6万円の仲介手数料を支払うことになるわけですから、買い主の立場に徹した仲介業者を通して交渉を進める方が、価格交渉の面でも有利になるケースが多いわけです。
世の中のIT化が進み、インターネットで物件情報を簡単に大量に入手できるようになると、お客様は、物件選びだけでなく、仲介業者選びもインターネットで行うようになるといわれています。わが社もお客様から「選ばれる」業者を目ざして一層努力するつもりです。なお「買い主代理」についての詳細はトップページの買い主代理をご覧下さい。
前回のコラムは米国の中古住宅流通事情の分析からサブプライムローン問題へと話が少しずれてしまいました。今回は、日本の「中古住宅」という本題に戻って考えてみます。
今、売りに出ている中古物件の大部分は築後15年~25年です。つまり15年から25年ほど前に建築された建物ということです。丁度、日本経済の高度成長期であり、新しい建材も次々と開発され材質については問題はないといえます。問題は施工の良し悪しです。年間の住宅着工件数が150万件に達しようという建築ブームの時期であったために、建築職人は引っ張りだこ、大忙しだったわけです。施工面での「手抜き」による「欠陥住宅」が大きな問題になったのもこの頃です。しかし、安心して下さい。「欠陥住宅」は必ず分かります。2~3年も住んでみれば必ず表面化します。10年~20年実際に人が住んでいた建物なのですからその面では一応安心といえます。
しかし、実際に建物を見る際には、柱の傾き、戸の締まり具合、基礎部分の亀裂、雨漏り跡などはよくチェックして下さい。30年~40年経過した建物でも材料を吟味し、腕のいい棟梁に建ててもらった建物にはしっかりしていて今後30年~50年は十分使える建物も少なくありません。
次に建物の立地する場所ですが、これは土地選びと同じですから、次回以降にふれることにします。
三番目のチェックポイントは使用資材です。最近問題になっているアスベストは天井材の一部やスレート葺きの屋根材として使われているケースがありますが、住宅用の場合、特に問題はないといわれています。問題なのは、合板などに使われた接着剤が有毒化学物質として室内に排出されることの影響です。しかしこれも、新築後2~3年で有害物質は排出されてしまい、築後10年~20年経過すれば、全く問題ないといえます。
四番目のチェックポイントは施工の良し悪しです。○○ホーム、○○ハウスといった名の通ったハウスメーカーの建物も実際に施工するのは地元の建築職人です。築後10年以上も経過してからどこの誰が実際に施工したかは分かりようがありません。ハウスメーカーの現場カントクは目を光らせていますから、一定以上の施工品質は保たれているとみていいでしょう。しかし、実際に現場を見る際には、「欠陥住宅」のところでふれたチェックポイントは必ずチェックしましょう。自分も仕事がら、多くの中古住宅を見てきましたが、在来工法の建物でもしっかりした施工の建物は多くあります。特に地元のK建設工業施工の建物は施主の評判が良いようです。
五番目は、間取りです。ここに建て主(施主)の考え方や住宅観・人生観が現れます。文字通り、千差万別です。これはフィーリングの問題ですから自分の感性と合うかどうか、世帯構成と合うか否かで決めるほかありません。一般論としては、わが国の住宅は個性を主張しすぎているといわれます。隣との差別化、友人や知人の家との比較などに主要な関心が向かってしまい、住宅としての機能性や快適性・耐久性が二の次になってしまう傾向が強いようです。このように建て主の個性を強く反映した住宅は、いざ売る時にはその個性がじゃまになり、買い希望者の幅を狭め、価格を下げてしまうわけです。わが国の中古住宅流通市場がなかなか活性化しない理由の一つです。
最後はメンテナンスの問題です。日本人の大部分は、終の住処として家を建てるわけですから、そのメンテナンスも一定のレベルに達していることが多いのですが、ここでも住宅観の差を反映してやはり差が出ます。外壁の塗装ばかりに気を使っていないか否か、水廻りや床下など目に見えない部分にお金と気を使っているか否かがポイントです。建て主(売り主)の人柄、人生観、住宅観が最後の決め手です。それには庭の手入れや配置などを見ればある程度分かりますし、家にも人にも何度も会っているうちに自然に見えてきます。
(次回は住宅の立地、地域と環境をとり上げます)
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プロフィール
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高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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