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証券市場では「禁じ手」であり厳罰に処せられるインサイダー取引は、不動産マーケットでは法律的には問題とされてません。
そもそも、インサイダー取引とは、上場されている株式について、その会社の役員・社員・関係者などが、立場上入手した情報に基づき自社株を売買し、不当な利益を上げることを指す言葉です。
インサイダー取引が禁止されている理由としては、公開される前の内部情報に基づいて市場に参加して、特別な立場を利用しての利益追求を認めると、「市場の公平」を失うからだとされています。
国民経済で大きな役割を担う証券市場には「公平性」、「透明性」が強く求められるからだと考えると納得がいきます。
一方、衣・食・住という国民の日常生活に深く関わる分野の一つである住宅関連、特にその根幹である不動産のマーケットについては事情が異なっています。
大きな話で言えば、鉄道・道路・空港などが、いつ、どこに出来るかについて、事前に知る立場、あるいは計画の立案・変更に関与できる立場の関係者が、事前に、密かに土地買収を進めていたなどという例はざらにある話です。
計画案、予定案を事前に察知して、用地買収を進め、ばく大な利益を上げたとしても、何ら法的には問題とならないようです。
かつて、福島県内を主な舞台に活躍していた小針某なる人物は、政界との結びつきをテコにして、地上げや裏取引で有名な人でした。
しかし、20余年にわたる地価下落とバブル崩壊には勝てず、一族は表舞台から消えていきました。
小さな話、身近な例でいえば、東北中央自動車道の建設予定地を、前もって買い占めたケースなどがあるようです。
もっとも、この話には「オチ」が付いていて、実際の自動車道は約2㎞北西側を通ることになり、地目が「畑地」のために所有権の移転登記もできず、2,000万円余の代金は支払ったものの、所有権移転の仮登記のままで、大損(?)したとのことです。
中古住宅の売買の場合は微妙なケースも少なくありません。その家に永く住んでいた持ち主・売り主は、建物の良い点や欠陥については当然よくわかっているわけです。
建物の欠点や欠陥について、知っていながら相手に説明せずに売却するなどした場合は、「インサイダー的取引」になるわけです。
ところが、わが国の法制度は、不動産についてインサイダー取引を禁止していません。民法が売り主の瑕疵担保責任を強行規定として認めていないからです。
ただし、売り主が宅建業者である場合は、売買時から2年以内であれば損害賠償が宅建業法で認められることになります。
不動産取引の場合、仲介業者は「重要事項説明」を事前に行うことが義務とされていますが、契約書の締結と同時に、早口で読み上げるケースが多いようです。
当社の場合、4~5日前には文書をお渡しして、事前によく目を通してもらい、不明な事項や文言については、十分な説明をするよう徹底しています。
中古住宅の取引の場合、ホームインスペクション(住宅検査)を制度化し、これとセットで性能保証保険の制度化も検討されていますが、まだ実現していません。
今の段階では、自分の目で何度も確かめ、仲介業者に床下や天井裏まで点検してもらうことが大切です。
マイナス情報のインサイダー取引で、お客さまが思わぬ「損失」を被らないよう最大限の努力をするのは、当然のことながら仲介業者の仕事であり、義務でもあります。
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