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ポジショントーク(Position Talk)、つまり自分の立場・利害からの発言という意味で、そのような発言を続ける人は世の中の信頼を失います。
かつて、証券会社の営業マンや不動産仲介業者の営業マンは、ポジショントーク・セールストークをする人の代表とみなされ、世の中から信頼されるのは難しい立場でした。
株にしても、不動産にしても、売ってもナンボ・成約してナンボの世界です。つまり、取引が成立しなければ手数料は入らないわけです。
高額な取引が早く成立することを「切に願う」立場・ポジションからの言動として、割引されて受けとめられるのは、今でも事情は同じです。
経済評論家・エコノミストといわれる人たちの発言も、その多くは、実はポジショントークである場合が多いと感じています。
自分の所属する会社や研究機関の立場や利害に反する言動を公表するには、職を懸けなければならないからです。
GDPの2倍を超える国債などの公的債務問題にしても、当たり障りのないことを言う人が大部分です。
○○評論家といわれる人たちに共通していることは、事が表面化し、結果が明らかになってからの「後講釈」が大変上手だということです。
「死んだ虎なら誰でも打てる」「後講釈なら誰でも出来る」と云われるゆえんです。
九州電力玄海原発の説明をめぐって、「やらせメール」が発覚しました。
再稼働に賛成するメールをこっそりと組織的に送信させるという文字通りの「やらせ」です。
ポジショントークの場合は、発言する人の立場はある程度は明らかなわけですから、聞く側も割引して「理解」することができます。
やらせの場合は、公平・中立を装って発言するわけですから、巧妙かつ悪質です。
玄海原発の再開をめぐる報道では、古川佐賀県知事や岸本玄海町長のテレビ画面に映し出される「表情」から「情けないもの」「誇りを失った人間」を感じたのは私だけでしょうか。
7月10日付の新聞は、古川知事は九州電力の幹部社員から永年にわたり個人献金を受けていたこと、岸本町長は実弟の経営する岸本組が九州電力から年間3~4億円の仕事を受注していたことを報じています。
この記事を見て、知事や町長のテレビ映りの悪さの原因が分かりました。誇りを失った人間は卑しくなる、卑しい人間は卑しさが表情に現れる、プロとしてのカメラマンはその表情・卑しさを映し出す、ということのようです。
考えてみれば、ポジショントークをする人の立場や利益は、今の立場、目先の利益を追いかけているだけなのではないでしょうか。
不動産仲介業に当てはめて考えた場合、この物件で、今いるお客様に決めてもらおうとするからポジショントークになるわけです。
お客様が本当に納得できる物件を探し当てることのお手伝いをする、時間がかかってもお客様の立場・利益に立って行動する、そんな誇りを持って仕事をする仲介業者が世の中に受け入れられないはずはないと信じて仕事をしています。
甘いでしょうか?世間知らずでしょうか?
信じる道を進むしかありません。
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