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  不動産仲介業に携わって6年余りになります。売買仲介、賃貸仲介ともに、三つの透明化が大切だとつくづく思います。
 
 一つは物件の透明化です。土地、建物、マンション、いずれにせよ、市場に出てくる物件には、良い面とマイナス面が必ずあります。
 
 売り主や仲介業者は、物件の良いところだけを伝えたがりますが、マイナス面も含めて、しっかりとお客様に伝えるのが本当の仲介業ではないでしょうか。
 
 なぜかといえば、買って実際に住んでみれば、住宅の欠点・マイナス面は必ず分かるからです。仲介の際にマイナス面に気づかなかったとすれば、仲介業者はプロとして失格ですし、知っていてお客様に伝えなかったとしたら「サギ的行為」だからです。
 
 二つ目は、取引の透明化です。
 
 賃貸仲介でいえば、敷金精算時の内訳の詳細表示・透明化です。これは「東京ルール」の普及でかなり減少しましたが、旧い賃貸契約書ではまだ残っているので「要注意」です。
 
 売買仲介の世界には、不明朗な「取引慣行」が少なからず残っています。
 
○物件の所在地を地番まで表示しない。
○物件情報の意図的な出し惜しみ、囲い込みをする。
○来店を誘うことによる強引な営業。
○架空の競争相手を仕立てる「煽り行為」の横行。
など、旧い営業手法・不透明な手法が、残念ながら残っているのが実情です。
 
 しかし、これらの旧い手法は、インターネットの利用でお客様から見透かされ、数年のうちに姿を消すに違いありません。
 
 三番目の問題点は、不透明な業界体質です。
 
 不動産業界は、売主(貸手)と買主(借手)と仲介業者の三者が存在して成り立つ業界です。
 
 売買仲介に限っていえば、売主と買主は価格については鋭く利益は対立します。物件情報の開示についても、その利害は一致しません。
 
 仲立ちする仲介業者は、どちらの立場に立てば良いのでしょうか?
 
 米国では、仲介業者は原則として両方の代理人(仲介業者)となることを禁止されています。その最大の理由は、仲介業者の立場が「あいまい・不透明」になり、売主・買主双方の利益が損なわれる恐れが多いということのようです。
 
 日本では、大手仲介業者を中心にして、双方代理・両手数料取引が大手を振って行われています。法的規制がないからです。
 
 このことが、わが国の不動産仲介業界に不透明な体質が根強く残る最大の原因だといわれています。
 
 たしかに、売主・買主の両方から仲介手数料が入るのは大きな魅力です。しかし、これが続いていたのでは、売主側業者による物件情報の囲い込みが一般化し、市場の透明化・業界の透明化は望むべくもありません。
 
 
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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