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3年前まで、NHK福島放送局は、当社の隣にありました。当社の入っているビルが「福島法曹ビル」ですから、名前が似ていたためお互い「迷惑」したこともたびたびありました。
電話で場所やビルの名前を説明する時に、フクシマホウソウ「局」とフクシマホウソウ「ビル」の違いをまず説明しないと、聞く側は思い違いをするケースがよくありました。
NHK福島放送局は視聴者サービスの一環として、毎年7月の中旬に「会館公開日」と銘打ったイベントを行っていました。
5年ほど前に、イベントの際、放送局の内部を見学する機会がありました。三次元映像(立体映像放送)の実演やテレビ放送の未来像を見た後に、ふだんは立入禁止の「技術室」も見せてもらいました。
最先端技術の粋を集めた機器類がズラリと並ぶ部屋のなかになぜか「神棚」がデーンと鎮座していました。
近くにいたベテランの技術マンらしい人に聞いてみました。
「最先端の技術と神棚のとり合わせは、何か理由があるのですか?」と。
その技術屋さんは真面目に説明してくれました。
放送技術は、今やコンピューター技術の固まりです。何十台というコンピューターを同時に起動させて秒単位以下の正確さが求められる世界なのです。
ところがなぜか、コンピューターのご機嫌の悪い日や時があるのです。そんな時、技術者達はすべての知識・経験、スタッフを総動員して回復につとめますが、すぐに復旧するとは限りません。
そこで「神様」の出番となるとのことでした。もちろん、トラブルが発生してから「神棚」に向かって手を合わせてお願いしたのでは文字通り「手遅れ」です。
コンピューターに宿る「神様」にお願いするのは、「どうか今日一日、できれば末永く、「原因不明」の不具合を起こさないで下さい」ということのようです。
神様の効用は事前にお願いしたり、誓ったりするところにあるのではないかと、この文を書きながらフト思いました。神に祈る、神に誓うという行為は、よーく考えてみると、自分に言い聞かせる行為・儀式なのではないでしょうか。
神様にお願いしたり、誓ったりするという儀式を通して、仲間や自分の心を引き締め、心構えを再確認すると解釈すれば、NHKの技術室に神棚がある理由もよく分かります。
私もパソコンを利用しています。30年近くパソコンに触れていますが、全く上達しません。インターネットで調べものをする時に、その性能・能力にいつも感心・感謝しながら活用されてもらっているといったレベルです。
ところが、パソコンの方は(神様のいたずらか?)私が、ヨチヨチ歩きの初心者であることを見抜いて、持主を馬鹿にしているようです。
プリンターの用紙はよく目づまりしますし、突然画面が「凍結(フリーズ)」して動かなくなったりします。
対応策は二つあります。
一つはコンピューター操作のイロハを学んで初歩的トラブルに自分で対応できるようにすることです。
二つ目は、室内に神棚を設け、毎朝、手を合わせることでしょうか。
さて、どちらの道を選ぶか、大いに迷います。
追伸
NHK福島放送局に問い合わせたところ、福島駅の東口近くに移転した後は技術室に神棚は置かなくなったそうです。
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