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前回のコラムは米国の中古住宅流通事情の分析からサブプライムローン問題へと話が少しずれてしまいました。今回は、日本の「中古住宅」という本題に戻って考えてみます。
今、売りに出ている中古物件の大部分は築後15年~25年です。つまり15年から25年ほど前に建築された建物ということです。丁度、日本経済の高度成長期であり、新しい建材も次々と開発され材質については問題はないといえます。問題は施工の良し悪しです。年間の住宅着工件数が150万件に達しようという建築ブームの時期であったために、建築職人は引っ張りだこ、大忙しだったわけです。施工面での「手抜き」による「欠陥住宅」が大きな問題になったのもこの頃です。しかし、安心して下さい。「欠陥住宅」は必ず分かります。2~3年も住んでみれば必ず表面化します。10年~20年実際に人が住んでいた建物なのですからその面では一応安心といえます。
しかし、実際に建物を見る際には、柱の傾き、戸の締まり具合、基礎部分の亀裂、雨漏り跡などはよくチェックして下さい。30年~40年経過した建物でも材料を吟味し、腕のいい棟梁に建ててもらった建物にはしっかりしていて今後30年~50年は十分使える建物も少なくありません。
次に建物の立地する場所ですが、これは土地選びと同じですから、次回以降にふれることにします。
三番目のチェックポイントは使用資材です。最近問題になっているアスベストは天井材の一部やスレート葺きの屋根材として使われているケースがありますが、住宅用の場合、特に問題はないといわれています。問題なのは、合板などに使われた接着剤が有毒化学物質として室内に排出されることの影響です。しかしこれも、新築後2~3年で有害物質は排出されてしまい、築後10年~20年経過すれば、全く問題ないといえます。
四番目のチェックポイントは施工の良し悪しです。○○ホーム、○○ハウスといった名の通ったハウスメーカーの建物も実際に施工するのは地元の建築職人です。築後10年以上も経過してからどこの誰が実際に施工したかは分かりようがありません。ハウスメーカーの現場カントクは目を光らせていますから、一定以上の施工品質は保たれているとみていいでしょう。しかし、実際に現場を見る際には、「欠陥住宅」のところでふれたチェックポイントは必ずチェックしましょう。自分も仕事がら、多くの中古住宅を見てきましたが、在来工法の建物でもしっかりした施工の建物は多くあります。特に地元のK建設工業施工の建物は施主の評判が良いようです。
五番目は、間取りです。ここに建て主(施主)の考え方や住宅観・人生観が現れます。文字通り、千差万別です。これはフィーリングの問題ですから自分の感性と合うかどうか、世帯構成と合うか否かで決めるほかありません。一般論としては、わが国の住宅は個性を主張しすぎているといわれます。隣との差別化、友人や知人の家との比較などに主要な関心が向かってしまい、住宅としての機能性や快適性・耐久性が二の次になってしまう傾向が強いようです。このように建て主の個性を強く反映した住宅は、いざ売る時にはその個性がじゃまになり、買い希望者の幅を狭め、価格を下げてしまうわけです。わが国の中古住宅流通市場がなかなか活性化しない理由の一つです。
最後はメンテナンスの問題です。日本人の大部分は、終の住処として家を建てるわけですから、そのメンテナンスも一定のレベルに達していることが多いのですが、ここでも住宅観の差を反映してやはり差が出ます。外壁の塗装ばかりに気を使っていないか否か、水廻りや床下など目に見えない部分にお金と気を使っているか否かがポイントです。建て主(売り主)の人柄、人生観、住宅観が最後の決め手です。それには庭の手入れや配置などを見ればある程度分かりますし、家にも人にも何度も会っているうちに自然に見えてきます。
(次回は住宅の立地、地域と環境をとり上げます)
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