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広辞苑で「実業」を引くと、農業・工業・商業・水産などのような生産・経済に関する事業、とあります。同じく「虚業」を引くと、堅実でない事業、とあるだけで具体的なイメージが浮かびません。残念なことですが、わが国では、不動産業、特に不動産売買仲介業は「虚業」に近いイメージでとらえられていることが多いようです。
40年程前、まだ不動産鑑定士となる前に、宅建主任者の資格を持っていたので宅建業を始めようかと考えたことがあります。親しい友人、知人に相談してみました。「こまめに人の面倒をみるタイプだから、向いていると思う」と言ってくれる友人もいましたが、「ゴマノハエのような仕事には決して手を出すな」と厳しく言う知人もいました。この知人はアパートや貸家を多く所有し、不動産業者との付き合いも多い人だったので、いささかショックでした。幸い、その後不動産鑑定士試験に受かり、鑑定評価の仕事を柱として3年前までやってきました。開発案件については、企画・立案・用地買収・収支計画作成と数多くお手伝いさせてもらいました。ゴルフ場開発、リゾートホテル計画、都市再開発プロジェクトと多々の案件に参画しましたが、完成までこぎ着けたのは駅前の再開発ビルだけです。それ以外のリゾート開発案件は文字通り「虚業」に近いものでした。それも今だから「虚業に近い」といえるのであって、当時は皆が浮かれていて必ず「実現」できる、完成すれば「大儲け」できると信じていたわけです。バブルとはまず人々の心や気持ちをパーンと膨らませるものだということがよーく分かります。恐ろしいことです。
鑑定評価の立場から物件と業界を見ているなかで多くのことを学ばせてもらいました。特に業界には多くの課題が残されていると強く感じるようになりました。一番の問題点は「お客様本位」ではない業界の体質です。アパートやマンションの賃貸契約でいえば、退去時の敷金返済は「貸主本位」で決められてきたわけで、やっと2年程前に東京都住宅局の強力な指導で全国的な改善に向かいつつあるのが実態です。売買仲介のケースでも「売り主様」の意向に添い、「売り主様」との関係を強めていれば仕事になると信じている同業者もまだまだ多くみられます。
一生一度の高額な買い物をする、汗水ながして稼いだお金でローンの支払を20年~30年続ける「買い主」の立場に徹した売買仲介業。そのために知恵を絞り、汗を流し、時には体を張っても勝負する。そんな会社を、「実業」を目ざして不動産事業部を三年前に開設しました。
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