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リゾートホテルや一部ハウスメーカーのキャッチコピーに「上質な生活空間」を体験してみて下さい…、という文言を目にすることが多くなりました。たしかに、衣・食は豊かさや安さを実感できるし、時には過剰と思うこともあります。しかし、こと住生活となると上質とか豊かさとはいえないのが平均的日本人の実感ではないでしょうか。
1泊3万円を払えば高級リゾートを体験し、40坪の建物を2,500万円程度で建てれば、毎日「上質な生活空間」を楽しむことができます。しかし、高級リゾートの長期滞在は経済的に無理ですし、2,500万円の建物を1,500万円の土地の上に建てればローンは4,000万円となり、普通のケースでは「生活空間」は豊かだが、サイフは火の車となります。
福田内閣は「200年住宅」を内需振興等の柱とするようですから、10年~20年後には「上質な生活空間」を多くの国民が実感できるようになることでしょう。でも、生活は毎日のことであり、10年、20年後の夢では今の日常生活を満たすことはできません。
ここで、皆様に一つの提案をします。それは、発想の転換、つまり頭の切り替えをして、新築にこだわらないということです。30万都市福島は、公務員の多い都市です。特に退職した元公務員の人口比率は断然多いといわれています。この人たちが定年退職を前にして郊外に家を建てたのが20年~30年前です。これらの人たちが今70才~80才に達し、自宅を売却し中心部のマンションに移るケースが多くみられます。大都市に定住した子供達の家に移るケースもあります。人生経験も豊かな人が、環境・設計にこだわり、材質・施工に目を光らせて建てた住宅は30年経ってもビクともしません。建てた人の設計思想とフィーリングが合い、環境が気に入れば、手頃な価格で「上質な生活空間」が手に入ります。手頃な価格とは、年収の3倍~4倍です。年収の5倍以上となると「サイフ」が上質ではなくなる恐れが強いからです。
「寝に帰るだけの家」ではなく、「上質な生活空間」で心に余裕を持ち、感性や意欲を高めながら生活を楽しむ、そんな住宅取得のお手伝いが、わが社の使命だと自分に言い聞かせています。
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高橋雄三
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不動産鑑定士
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