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広辞苑で「掘出物」を引くと、「思いがけず手に入った珍物」「安価で手に入ったよい品物」とあります。かつて、不動産の世界では、「不動産に掘出物なし」といわれていました。事実その通りでした。戦後、40年余り続いた不動産が右肩上りする時代には、よほどのワケあり物件以外はそこそこの値段が付き、それなりの値段で売れていた、だから掘出物はなかったというわけです。
ところが、わが国で不動産バブルがはじけたこの10数年来、様子が違ってきました。誤解を恐れず言えば「不動産に掘出物あり」の時代になったということです。正確に言えば「木造中古建物のなかには掘出物といってもよい、安くて良い物件がある」ということでしょうか。理由はいろいろあるのですが、日本の木造建物は築後30年を過ぎると査定額ゼロ、場合によっては土地の値段から建物の解体撤去費用をマイナスした価格で取引されるケースが多いわけです。
例えば、70坪×15万円/坪=1,050万円の土地の上に築30年30坪の木造建物があったとします。本格的な平家建木造建築で使用資材も施工も良質であり、あと30年~50年は十分に使える建物です。ところが取引の現場では建物価格は最大限よく評価しても30坪×50万円/坪×1/10=150万円です。これに土地価格1,050万円を加えると総額1,200万円で今後30年~50年は住める住宅が手に入るわけです。
人によっては、新品同様にしたいということでリフォーム代に300万円ぐらいかける人もいます。それでも総額1,500万円で環境も良く、住宅としての性能も広さも十分な土地・建物が手に入るわけです。
この物件の例でいえば、最悪の場合土地代1,050万円から建物解体撤去費用150万円(30坪×5万円/坪)をマイナスした900万円まで値段が下がる可能性があります。今後30年~50年住める住宅に900万円の値段が付く、これは掘出物といっても過言ではありません。
限られた資源の有効利用、地球温暖化対策、満杯に近づきつつある産廃施設対策、あらゆる面からみて良いことばかりです。福田総理の持論であった「200年住宅」、官民力を合わせて取り組もうとしている中古住宅流通の活性化(住宅リサイクル)事業、日本経済の活性化のヒントの一つはこの辺にあるのではないでしょうか。私も残された人生を、中古住宅の性能評価、価格査定、安全・安心取引のお手伝いのためにがんばってみるつもりです。
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