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本業のエレクトロニクス事業の不振が続くなか、このほど、ソニー本社が不動産仲介・管理事業への本格参入を発表し、8月から営業を開始しました。
保険・介護などの有望分野へチャレンジし、一定の実績を上げると同時に、自動車保険では走行距離に応じた保険料の設定など、業界に新風を巻き起こしたことは広く知られています。
新技術・新分野にチャレンジする「ソニー・スピリット」は、不動産仲介業界にどんな新風をもたらすのか、期待と不安の眼差しで業界関係者で見守っています。
ソニーの発表によれば、既存の不動産仲介業界に新しいビジネスモデルを持ち込み、消費者利益を新たな切り口で開いていく。不動産業界の顧客満足度ナンバーワンを目指す、とのことです。
ソニーの関係者によれば、「日本の不動産取引は、仲介業者の担当者が売り主と買い主の双方の窓口を務めるのが主流。利益相反の関係となるが、うまく立ち回って双方から手数料を得るために、自社の顧客同士での成約(その裏返しとしての物件情報の囲い込み)しようとする傾向が強い」とされる。
ソニー不動産のビジネスモデルは、こうした悪しき商慣習をゼロベースで見直す。売り主と買い主にそれぞれ専任の代理人(仲介業者)を立て、米国流の新しい仲介業の仕組みを導入する。
手数料も一般的な「3%+6万円」という「料率」ではなく、サービスに応じた「金額」で算出するなどわかりやすくし、仲介手数料も数十万円安くできるという。
ソニーが不動産仲介業に目をつけたのは、仲介業者と消費者の間で情報格差が大きいこと。それに加えて、IT(情報技術)化も遅れているという業界の旧い体質だったようです。
天下のソニーが「顧客満足度NO.1」を目指して仲介業界に参入することは、消費者にとっても、仲介業界にとっても、大いに歓迎すべきことです。
理由の一つは、両手取引・物件の囲い込みという業界の旧い体質を一掃する動きを加速させるからです。
二つ目の理由としては、ソニーが社内に蓄積した情報技術を仲介業の効率化や透明化に生かすことで、仲介業界のインターネット活用が一層進むと予想されるからです。
老婆心ながら付け加えれば、生涯一度の高額な買い物である「不動産取引」はネットや情報技術だけで完結するものではなく、「実店舗」での「安心サポート」「身内のつもりでお世話をします」という「おもてなし」が何よりも大切だということです。