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挑戦と応戦の違いについて、かつて、考えたことがあります。
日本語ニュアンスでは、挑戦という言葉には、外部から挑む、他に向かって仕掛ける、敵対行動をとるといった意味が強く、通常はそんな使われ方が多いわけです。
応戦という言葉のニュアンスはより直截的で、挑戦に応じる、反撃する、といった軍事的な意味が強くこめられているようです。
ところが、よく調べてみると、挑戦という言葉には、人間の攻撃的行動だけでなく、時代の変化や技術の変化、あるいは気候変動・自然災害や病(病原菌からの挑戦)やストレスなど幅広い現象も含む言葉として、世界では使われていることが分かりました。
応戦という言葉にも、当初は軍事的意味が強かったようですが、現代社会では、上記の挑戦に対して、当方もしっかりと対応・応答する、つまり、時代の変化等々の「挑戦」の内容と特徴をよく研究し、対応の戦術・戦略を練り上げることこそが真の「応戦」であるという意味が強く含まれるようになってきました。
「挑戦」と「応戦」(challenge and response)という言葉を対比して使ったのは、恐らくイギリスの歴史学者トインビ博士が始めてだったと思われますが、その後、歴史だけでなく、社会学や経営学でも使われる概念となったようです。
英和辞典で調べてみました。
「挑戦」 ・・・challenge
「応戦」 ・・・fight back
・・・return (the enemy's) fire
・・・accept the challenge
といった解説で、いずれも軍事用語の域を出ていません。
私自身も「挑戦と応戦」という切り口でものごとを分析することに強い関心を持ち、2年ほど前に書き終えたネット不動産フロンティアノート(NO.11-4)http://www.takakan.co.jp/netfudosan/frontier53.htmlで以下の記述をしています。
今、世界経済はグローバリゼーションとインターネット革命という大変動期を迎えています。幸い、ドメスティック産業(国内限定業種)の代表格であるわが国の不動産仲介業は、国際化という荒波の影響は直接的には受けていません。
しかし、インターネット革命という時代の大潮流、世の中の大変革に直面し、仲介業者はその営業戦略を根本から変化させていかざるを得ない立場に立たされています。
好きとか嫌いの話ではなく、得意とか不得意のレベルでもありません。時代が、世の中が、情報発信・受信の手段が、インターネット中心に根本から変わったのです。この認識を誤り、従来の集客手法にこだわり、インターネット時代にふさわしい営業スタイルを生み出せない仲介業者は、10年後には確実に淘汰され、世の中から消えていくことでしょう。
戦略的な用語でいえば、不動産仲介業はインターネット革命という外部からの挑戦を受けている真っ最中です。この挑戦に対して、真正面から受けとめて「応戦」する気概・勇気を持たない業者は戦場から消える運命にあるわけです。
今、読み返してみても、不動産仲介業界に限っていえば、その通りだと思います。
今後は、もう少し視野を広げて、わが国が置かれた現状について、挑戦と応戦という視点から考えを進めていくつもりです。
3.11は自然がわが国民に与えた試練であり、見方を変えれば、天が大震災という自然現象を通して、わが国に対して挑戦してきたともいえます。
この挑戦に対して、国として、民族として、どう応戦するかが試されているのではないでしょうか。
安易な道を選ぶのか、試練の道を進むのか、国の指導部も含めて、真価が問われているとつくづく思います。