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私が愛読しているメールマガジンに「ビジネス知識源」(http://www.cool-knowledge.com/)というコラムがあります。吉田繁治氏です。大阪を本拠として、流通業界のコンサルタントが本業なのですが、世界の政治、経済、軍事を分析・予測し、国内問題についても鋭く深い分析で高名(?)な方です。
 その6月4日号のコラムで「保障」と「保証」の違いについてふれていたので一部を引用しながら、不動産流通業との関連について考えてみました。
 
………社会保険庁が言う「年金の支払い保障」は「保証」と違い、その支払いに向かい努力することする誤魔化しめいた行政用語でもあります。国会の口頭の官僚答弁では、分からない。文章を精査し、初めて分かる。
 
社会保険庁は、年金支給については保証という言葉を使わず、「国が保障する」と言っています。
 
<公的年金は、長期にわたる老後生活の主柱となるに足る保障を(国家が)行うものです。(社会保険庁)>
 
………警備保障も、保証とは言わない。警備を契約した世帯に損害がないように努力する。空き巣のときも、警備保障は損害の賠償義務は負いません。しかし保険なら、賠償義務を負うはずです。
 
………金融商品では、「元本や利回りの保証がない商品」では、それを契約書や宣伝に大きく書いて説明を加えないと、金融の犯罪になります。保証ではなく、実は支払いを努力するという保障だったと言って誤魔化すのは、金融庁が、許しません。損害賠償の義務と刑事罰が待ちます。
 
以上引用が長くなりましたが、要は、「保障」の内容は努力義務にすぎず、「保証」という言葉は「連帯保証人」の恐さからも判るように、法的な義務を伴うものだということです。この大きな違いについて日頃あまり注意しないでいたことを遅ればせながら反省しています。
 ところで、わが社の目標と使命の一つに「お客様の取引の安全をサポートし、保障すること」という文章を不動産事業部開設時から掲げています。この文言を決めるとき、なにげなく「保証」という原案を書いたのですが、「○○安全『保障』条約」というふに「安全」という言葉には「保障」という言葉を使うのが正しいようだと考えて「保障」という文言にしたことが思い出されます。自分の語学力もこの程度なのかといささか反省しています。
 ここから本題に入ります。わが社がお客様とお約束できる内容は「保証」と「保障」の中間の意味と理解して下さい。誤解のないよう箇条書きにします。
 
① お客様の取引の安全が守られるように全力で努力し、あらゆる手段を講じると共に、十分な事前調査を行うこと。
 
② 手付金の保全処置や決済代金と登記手続・引渡しの同時履行について最善の注意を払い事故やトラブルのないよう努力すること。
 
③ 手付金や違約金についても契約書で明記し、万が一「事故」が発生した場合は、宅建業保証協会の「保証」が得られる措置を講ずること。
 
以上が「保障」の具体的内容です。
 余談ですが、不動産鑑定士として30余年仕事をしていますと不動産がらみで様々な人と出会います。○○師、○○組交友者、○○同盟関係者、○○ブローカーといった類の人とも出会う場面も少なからずありました。普通の場合は、そのような人々とは最初から話も聞かない、会うことも拒むという対応をするのでしょうが、こと不動産に関連した話の場合、積極的(?)に会うよう心がけてきました。なぜかといえば、そのような人々の話の進め方、ワナの仕掛け方、手口についてなるべく具体的に知り、実地で体験することが重要だと考えたからです。
プロの仕事の世界では、ダマす方より、ダマされる方がバカだとまでは云いませんが、「何か足りない」と思うからです。ダマす側の人間について、その人相、態度、人脈、手口について、機会があればよく研究し、経験を積むことが、ダマされないために必要なことだと信じるからです。この経験は大変役に立っています。改めてこのコラムでご紹介する機会を設けます。ご期待下さい。
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高橋雄三
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職業:
不動産鑑定士
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