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「見切り千両」という言葉はよく知られていますが、相場用語、マーケットの格言だと思いこんでいました。
ところが、ある本を読んでいると、旧米沢藩の藩主を勤めた、あの有名な上杉鷹山(1751年~1822年)の教えの一節らしいことが分かりました。
早速、検索エンジンで「上杉鷹山」「見切り千両」と入力してみますと出てきました。すばらしい教えです。
働き 一両
考え 五両
知恵借り 十両
コツ借り 五十両
ひらめき 百両
人知り 三百両
歴史に学ぶ 五百両
見切り 千両
無欲 万両
とあります。
何年も続く凶作や浅間山大噴火を原因とする「天明の大飢饉」の時代にあって、藩財政の立て直しと殖産振興をはかった、名君の誉れ高い人物らしい格調高い名言です。
ついでに「なせばなる、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という格言も原作者は上杉鷹山であることを知りました。
これなどは、今の今まで受験英語で習った「Just do it! Nothing can be done unless you make it」が原作だとばかり思っていました。
思いこみというものはおそろしいものです。
ついでに言えば、学校英語の教師が「Nothing……」を英文法の受動態表現の例として教えるときに、その同じ表現・内容が上杉鷹山の教えにあることを何でふれなかったのか疑問に思います。
私の学んだ中学・高校の(教師の)レベルが低かったせいなのか、インターネットの時代の今だからこそ、誰にでも分かることがらになったといえるのか、よく分かりません。多分後者なのでしょう。
それにしても、「見切り千両」とは、よく云ったものです。仕事のコツ・処生訓 を比較して、分かりやすく金額に換算して表現したものですが、今、世界中が大騒ぎしている「不良債権処理」について240年も前にその対応策を訓示しているようなものです。
言葉の意味としては、「早く処理・処分するほどうまくいく」といったことでしょうが、その重み、緊急度を金額で表現するあたり、山下清の「兵隊の位で云えば…」をしのぐ分かりやすさです。
ちなみに、240年前の千両は今の価値としては4,000万円といったところでしょうか。
鷹山公の教えで最高の格付・評価を得ている「無欲 万両」は、勝海舟が西郷隆盛を評した言葉として知られる「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は…」という言葉に通底するものがあります。
私ごとき俗人・凡人には「無欲 万両」などは望むべくもありませんが、せめて知恵借り(10両)、コツ借り(50両)、ひらめき(100両)、人知り(300両)、歴史に学ぶ(500両)、計960両(現在価値で約4,000万円)ぐらいの仕事は毎年コツコツとこなしたいと願っています。
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