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ネット不動産フロンティアノートを書き進めています。先週で30回分まで書き上げ、ホームページに載せました。今朝は、朝4時過ぎから中古住宅の流通について書き始めましたが、論点が多く、出勤時までにはまとめられませんでした。
中古住宅全般について一言で表せば、玉石混交の世界ということでしょうか。
玉石混交とは正確には「玉石混淆」と書き、「すぐれたものとつまらぬものが入りまじっていること」の意味です。
中古住宅には、次のような商品特性があります。
○ 総てが、個別性の強い、ユニーク商品である。
○ 玉石混交の世界であり、玉か石かの見分けが難しい。
○ 品質・機能を見極めるには、専門的な知識・経験・技術を必要とする。
○ 地域限定の商品である。
○ 商品と扱い業者に対する不安感・不信感が根強い。
○ 売り主は住宅の良い面、マイナス面をよく知っているが、買い主はマイナス情報は入手しにくい。
仲介業者は、このように扱いの難しい物件を、お客さまが納得するまで調べつくさなければなりません。
戦後の混乱期に建てられた住宅は、文字通り粗製乱造で、資材も品質も劣るものが多かったようです。
しかし、70年代以降、特に宮城県沖地震を契機として強化された耐震基準(1981年基準)を満たす住宅は、性能・機能ともに耐久性のあるものが大部分です。
しかも、1981年以降に建築された住宅が、今や住宅ストックの6割を超えるまでになりました。
これからは、築30年以上の中古住宅も市場で流通する時代に、中古住宅の取引が新築住宅を上回る時代になるのではないでしょうか。
中古住宅・マンションは、建てた時の品質・性能はほぼ同じでも、住んでいた人、使っていた人により大きな差違が生じます。
スタート時点は一緒でも、年を重ねるにつれて、玉と石に変わっていくところが、「中古住宅流通」の難しさでしょうか。
こんな難しさをかかえながらも、中古住宅市場は大幅に伸びると予想されています。
不況がながびく中で、長期の住宅ローンを目一杯組むことに否定的な考えが強まっていることも中古住宅市場にとっては追い風です。
若者のあいだでは、ネットオークションやリサイクル量販店などでの取引に慣れたため、「中古」という言葉に対して悪いイメージを持たなくなってきていることも指摘されています。
新築に手が届かないから中古住宅を買うのではなく、その家にしかない魅力を生かし、自分流に改造・リフォームして、自分流の「住生活」を楽しみたいというお客さまは確実に増えています。
私ども仲介業者の仕事は、お客さまが玉と石を見分ける際のお手伝いをすることに加えて、「石」を磨いて「玉」にするお手伝いをすることも大切な仕事の一つではないかと思っています。