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政治の世界では、自衛隊を「暴力装置」と発言した官房長官が辞めさせられるという「事件」が2年前にありました。
 
 政治学の定義では、「国家とは、軍隊、警察といった暴力を正統的に独占・行使できる唯一の組織である」となるわけですが、時の仙谷官房長官の発言はいかにも「稚拙」でした。
 
 「暴力装置」という表現が独り歩きして、「暴力団」的イメージで自衛隊をとらえているのではないかとの「世論」に押されて、表舞台から去ったわけです。
 
 経済の世界、金融マーケットの世界はある意味では、無慈悲な、「暴力的」な世界だとつくづく思います。
 
 ギリシャの財政破綻は、金融マーケットでの国債利回りが28%超という現実を前にして、「打つ手なし」の状態です。経済的な「死刑宣告」です。
 
 国内では、オリンパスの10年余にわたる「損失隠し」が表面化し、株価は5分の1に暴落しました。
 
 ギリシャの場合も、発端はユーロ加入時の「損失隠し」だったようです。
 
 マーケットが機能し、存続するための最低限の条件は、公平・公正・透明性の確保です。
 
 「損失隠し」という不正な手段で市場に嘘をついた市場参加者に対して、市場側が厳しく、場合によっては「暴力的」に制裁を加えることは当然のことです。
 
 その意味で、マーケットは「暴力装置」ということになるわけです。
 
 マーケットの暴力性を考える場合、「大恐慌」という側面も無視することはできません。
 
 何かがきっかけで、市場参加者の大多数が「超弱気」となり、経済の前途に「恐怖」を感じたとき、「恐慌」は現実化するといわれています。
 
 「大恐慌」の無慈悲さ、国民の生活を根底から覆す暴力性については、想像を超えたものになるのではないでしょうか。
 
 不動産マーケットの場合、幸か不幸か、正常なマーケットというものが存在しません。
 
 取引は個々の「相対取引(あいたいとりひき)」であり、公正さや透明性は世の中からあまり期待されていないという事情があるからでしょうか。
 
 厳密な意味での不動産マーケットはないわけですが、インターネットでの物件情報の公開は、マーケット機能のかなりの部分をカバーできる時代になりました。
 
 お客様の立場からすれば、仲介業者のホームページを詳しくチェックすることで、いま市場に出回っている不動産情報の大部分をカバーできるようになったということです。
 
 仲介業者側としては、手持ちの物件情報は、良い面も、マイナス面も含めて総てオープンにすることが求められているのではないでしょうか。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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