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  消費者教育の大切さが叫ばれて20年ぐらいになるでしょうか。
 
 様々なサービスや商品が氾濫する世の中で、トラブルを避けるための知識や判断力を身につけさせる「教育」を指す言葉です。
 
 多くの人が日常的に利用するサービスや商品購入の場合は、毎日の消費行動のなかで、実地教育を受けているので、大きな失敗をすることは多くありません。
 
 腐ったリンゴを売る店や不味いランチを出す食堂は、それだけで失格であり、存続できません。
 
 お客様がその店や食堂を二度と訪ねることはないからです。
 
 商品の流通やサービスの提供を通じて、買う側のお客様と送る側の業者が、お互いに日常的に経験し、共通の理解が得られるので、大きな間違い、行き違いは起きにくいわけです。
 
 ところが、土地を買う、住宅を買う、住宅を建てるというような、非日常的な大きな買い物をするという経験は、普通の人は一生に一度が二度の体験です。
 
 不動産業者、仲介業者は、仕事ですから日常的に経験し、慣れているのは当たり前です。
 
 ここに、プロとアマ(普通のお客様)の大きな違い、経験格差があります。
 
 10年ぐらい前までは、この経験格差と情報格差(手持ちの物件情報量・質の違い)だけで不動産仲介業が成り立つといわれていました。
 
 今は、インターネットで物件情報はすぐに手に入る時代になったので、情報格差は小さくなりました。
 
 しかし、経験格差はやはり大きなものです。
 
 この格差を少しでも小さいものにしようとするのが消費者教育であり、「不動産教育」というわけです。
 
 つい最近、あるお客様から相談を受けました。
 
 福島市郊外の古い住宅付きの土地を買ったのだが、実はその古家で、3年程前に独り暮らしの老人が孤独死をして、1ヶ月程発見が遅れたという事情が買った後で判ったという相談です。
 
 仲介業者は、そんな事情は知らなかったと言い張り、売り主は、安く売ったのだから、そのぐらいのことは我慢して欲しいと、解約に応じないとのことです。
 
 宅建協会本部や県庁住宅課の窓口を訪れ、じっくりと相談し、対応等を進めるつもりです。
 
 「不動産教育」は、まず、仲介業者の「教育」から始めなければ・・・と考えさせられる出来事です。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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