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不動産業界、特にアパートやマンションを貸したり、借りたりする不動産賃貸の世界は不思議な世界です。
 
 月額賃料(家賃)が5万円のアパートを借りる場合、前家賃1ヶ月、敷金2ヶ月、礼金1ヶ月、仲介手数料1ヶ月、合計5万円×5ヶ月=25万円が必要となります。
 
 敷金の2ヶ月分10万円は、退出する時には、原則として戻ってくることになっているので、保証金としての意味で納得できます。
 
 問題は礼金を1ヶ月分払わなければならないケースが増えていることです。
 
 戦後の極端な住宅不足の時であれば、大家さんの好意で貸していただけたことに対する感謝の意味で、「礼金」をお支払いするということもある程度理解できます。
 
 今は、住宅過剰の時代です。アパートやマンション、戸建貸家などの賃貸住宅は全国に約1,800万戸あります。そのうち空室、つまり空家になっているのが約400万戸、率にして22%が空家なわけです。
 
 福島県内に限っていえば、東日本大震災前の2010年の統計では、賃貸住宅は206,900戸、空室は60,000戸、空室率は29%でした。その結果として、「礼金」という意味不明の金銭支払いも激減していました。
 
 津波と原発事故で多くの県民が被災し、福島市にも約1万人の方々が避難してきています。
 
 応急仮設住宅が福島市内に956戸建設されていますが、これでは足りないので、民間のアパート等約3,500戸を借り上げ住宅として活用しているわけです。
 
 この影響で、福島市内では賃貸物件が極端に不足しています。例年ですと、常に5,000戸程度の賃貸物件が空いているわけですが、現在は300戸~500戸程度です。
 
 マーケットの力関係でいえば、完全な貸し手市場となっています。
 
 それに便乗して「礼金」などという説明のつかない「悪慣習」が復活してきました。
 
家賃をしっかり受け取った上に、「礼金」という相手の弱味につけ入った金銭を求めることは、どう説明しても借りる側、払う側には納得してもらえないのではないでしょうか。
 
当社が1月25日現在で取り扱っている賃貸物件はファミリータイプ、シングルタイプ合わせて45件です。そのうち20件は0.5ヶ月~1ヶ月の「礼金」が必要な物件です。
 
あえて、貸主・大家さんに申し上げます。人の弱味につけ入るようなビジネスは長い目で見れば、決してプラスにならないのではないでしょうか。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

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