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 幼少時から、先のこと、将来のことをあれこれ考えるのが好きな方でした。

 

 実技としてのソロバンは全く苦手でしたが、生きていく上でのソロバン勘定は、得意な方だと、周りから見られていたようです。

 

 中学生のときに、能力的には優れているのに、なぜか「グレ」て、不良グループの番長格だった級友に、「いつまで間尺に合わない生き方をしているのだ!自分の人生を計算してみろ!」などと忠告して、後日、大いに感謝されたことがあります。

 

 目先のソロバン勘定からいえば、不良グループの「番長」などは相手にしない、関わらないという対応が普通なのでしょうが、なぜか、「大きなソロバンで考えてみろ!」などと大きなお節介を言ったらしいのです。

 

 「元不良」の友人は、その後厳しい修行に耐え大工の「棟梁」となりましたが、会うたびに「感謝」されています。

 

 目先の利害・損得ではじく「小さなソロバン」でなく、将来のことも考えた「大きなソロバン」勘定という生き方、考え方はあたりまえだと思っていましたが、「大きなソロバン」の意味については誤解もあるようです。

 

 20年程前でしょうか、大手商社の仙台支店のトップと親しくお付き合いをしていた時期があります。

 

 商社マンですから、当然、ソロバン勘定には慣れていると思い込んでいましたが、「大きなソロバン」を話題にした時、小学校でソロバンを習う際に使う大型ソロバンの意味だと相手が思い込んでいることに気づきました。

 

 長い目でみた、戦略的な「ソロバン勘定」という意味での「大きなソロバン」ということが、なかなか理解してもらえなかった不思議な経験です。

 

 今にして思うと、大手商社マンとはいっても、目先の利益を上げることで毎日を過ごしていたんだなーと、少し分かりかけてきました。

 

 そういえば、「今手がけているプロジェクトが〇になれば、歩金として3%を払いますよー」と、アケスケに言われました。

 

 人間を70余年やっていますが、こんなにアケッラカンと言われた経験は初めてでした。

 

 私に人を介して接近してきた理由も、そんなところにあったのかーと、相手が急に賤しい人間に見えてきて、・・・以来、疎遠になりました。

 

 当時のY市長と私の関係を嗅ぎつけて、便宜をはかってもらいたい・・・ということのようでした。

 

 そういえば、この商社は幹部が目白の田中邸に5億円の現ナマを持ち込んだ有名な会社です。

 

 このコラムを書いている途中で、念のため、Yahooの「大きなソロバン」を検索してみました。

 

 「小さなソロバンよりも大きなソロバンをはじく・・・」中内 功 2014-7-28

 

 「片手にそろばん、片手にロマン」

 

 「喬、小さなそろばんをはじくな。大きなそろばんをはじけ。心がけや覚悟、そういう大きなそろばんをはじいた方がいい。」

エステー会長 鈴木喬さんの父の遺言 2014-8

 

 「論語と算盤(そろばん)」

 

 など41万件余りが表示されました。大部分はソロバンメーカーと「ソロバン教室」の案内ページです。電卓→パソコン→スマホの時代になっても全国でそろばん教室が健闘(ピーク時の14分の1、約10万人)していることもよーく分かりました。

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プロフィール
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高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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