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不動産事業部を開設し、売買仲介・賃貸仲介の仕事を始めて7年になります。不動産鑑定士としては40年程仕事をしてきましたが、最近新たな「発見」をしました。
「発見」というほど大げさなことではないのかもしれませんが、賃料の粘着性・遅行性、つまり、地代や家賃は土地や建物の上昇や下落に遅れて現実化することの理由が分かったということです。
不動産鑑定の世界では、賃料の粘着性・遅行性は良く知られた「法則」であり、不動産の価格と賃料の乖離が地主と借地の争いや裁判になるケースが多いのも事実です。
私自身も、不動産鑑定士として、あるいは、裁判所の調停委員として、地代や家賃にかかわる案件・事件を数多く手がけてきました。
不動産バブルの時代は、不動産価格が3倍になったのだから、地代や家賃もせめて2倍にして欲しいという、地主・家主側からの請求が多くありました。
この20年程の、地価下落の時代には、不動産価格が半分になったのだから、地代や家賃も下げて欲しいという借地人・テナント側の要求・請求が増えています。
地価は上昇したり、下落したのに地代・家賃はそれに追いついていかないことが、争いの種となり、不動産鑑定士としてはメシのタネでもあるわけです。
そんな大切なメシのタネである賃料の粘着性・遅行性について、実は、不動産鑑定士の側は当然の現象・法則として受けとめ、その理由や原因については深く考えてこなかったのが実情ではないでしょうか。
賃料の粘着性が現れる例は二つの場合に分けることができます。
一つは、不動産価格が上昇している場合です。
不動産の価格が3倍になったのだから、地代や家賃も3倍にして欲しいというのは、ある意味では正当な要求です。
しかし、借地人やテナント・借家人側は、借地法・借家法の規定を楯にして抵抗します。
戦時下に制定された借地・借家法は借地人や借家人を手厚く守る内容となっています。調停や裁判になれば、借りている側には有利に展開します。
その結果、地主や家主は地代や家賃の値上げを先延ばしにされたり、諦めたりするわけです。
これが値上げ時の賃料の粘着性・遅行性となって現れるということが、最近になって分かったというわけです。
不動産の値下がりの時はどうでしょうか。
不動産価格や固定資産税が下がったのだから、地代や家賃も下げて欲しいという要求もまた当然なことです。
しかし、地主や家主とすれば、一ヶ所を値下げすれば、他のところの地代や家賃も値下げするようになることを、何よりも恐れるわけです。
その結果、調停や裁判になるケースも少なくありません。調停や裁判は時間がかかります。賃料の遅行性の原因はこのへんにもあるわけです。
賃貸マンションや賃貸アパートの場合、築後10年も過ぎると、空室が多くなります。
家主・大家としては、値下げをしてでも満室にしたいのはヤマヤマですが、一室を値下げすれば、他の部屋の家賃も下げざるを得ません。ヤセガマンをしながら、値下げをしないで、何とかしようとガンバルわけです。これも、家賃の遅行性の原因となります。
この程度のことは、不動産仲介業の実務に携われば、すぐに理解できることなのかもしれません。
しかし、不動産鑑定業だけをやっていては、分からなかったことです。
「不動産鑑定業の遅行性」についても気づかされたことを申し添えます。
「発見」というほど大げさなことではないのかもしれませんが、賃料の粘着性・遅行性、つまり、地代や家賃は土地や建物の上昇や下落に遅れて現実化することの理由が分かったということです。
不動産鑑定の世界では、賃料の粘着性・遅行性は良く知られた「法則」であり、不動産の価格と賃料の乖離が地主と借地の争いや裁判になるケースが多いのも事実です。
私自身も、不動産鑑定士として、あるいは、裁判所の調停委員として、地代や家賃にかかわる案件・事件を数多く手がけてきました。
不動産バブルの時代は、不動産価格が3倍になったのだから、地代や家賃もせめて2倍にして欲しいという、地主・家主側からの請求が多くありました。
この20年程の、地価下落の時代には、不動産価格が半分になったのだから、地代や家賃も下げて欲しいという借地人・テナント側の要求・請求が増えています。
地価は上昇したり、下落したのに地代・家賃はそれに追いついていかないことが、争いの種となり、不動産鑑定士としてはメシのタネでもあるわけです。
そんな大切なメシのタネである賃料の粘着性・遅行性について、実は、不動産鑑定士の側は当然の現象・法則として受けとめ、その理由や原因については深く考えてこなかったのが実情ではないでしょうか。
賃料の粘着性が現れる例は二つの場合に分けることができます。
一つは、不動産価格が上昇している場合です。
不動産の価格が3倍になったのだから、地代や家賃も3倍にして欲しいというのは、ある意味では正当な要求です。
しかし、借地人やテナント・借家人側は、借地法・借家法の規定を楯にして抵抗します。
戦時下に制定された借地・借家法は借地人や借家人を手厚く守る内容となっています。調停や裁判になれば、借りている側には有利に展開します。
その結果、地主や家主は地代や家賃の値上げを先延ばしにされたり、諦めたりするわけです。
これが値上げ時の賃料の粘着性・遅行性となって現れるということが、最近になって分かったというわけです。
不動産の値下がりの時はどうでしょうか。
不動産価格や固定資産税が下がったのだから、地代や家賃も下げて欲しいという要求もまた当然なことです。
しかし、地主や家主とすれば、一ヶ所を値下げすれば、他のところの地代や家賃も値下げするようになることを、何よりも恐れるわけです。
その結果、調停や裁判になるケースも少なくありません。調停や裁判は時間がかかります。賃料の遅行性の原因はこのへんにもあるわけです。
賃貸マンションや賃貸アパートの場合、築後10年も過ぎると、空室が多くなります。
家主・大家としては、値下げをしてでも満室にしたいのはヤマヤマですが、一室を値下げすれば、他の部屋の家賃も下げざるを得ません。ヤセガマンをしながら、値下げをしないで、何とかしようとガンバルわけです。これも、家賃の遅行性の原因となります。
この程度のことは、不動産仲介業の実務に携われば、すぐに理解できることなのかもしれません。
しかし、不動産鑑定業だけをやっていては、分からなかったことです。
「不動産鑑定業の遅行性」についても気づかされたことを申し添えます。
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不動産の鑑定評価の仕事に携わって40余年、不動産仲介部門を立ち上げて7年になります。
先日、ある雑誌で、「家の価値は、住める・貸せる・売れるの3点しかない」という記事を見つけました。
たしかにそのとおりです。40余年も不動産鑑定士の仕事をしていながら、こんなに簡潔に家・住宅の価値を表した言葉に初めて出合いました。
鑑定評価の専門用語・業界用語では、不動産の使用(利用)価値、収益価値、交換価値などと、小難しい用語を使って説明していますが、要は、住める(使える)・貸せる・売れる、ということです。
これから、中古住宅の取引が活発になると予想していますが、手を加えれば、十分に住める(使える)家が、建物としてはほとんどゼロ評価(交換価値をゼロとみる)がマーケットの実態です。
十分に使えるものが、マーケットでは無価値と扱われることの矛盾をどう解決するのかが、これからの大きな課題だとつくづく思います。
先日、ある雑誌で、「家の価値は、住める・貸せる・売れるの3点しかない」という記事を見つけました。
たしかにそのとおりです。40余年も不動産鑑定士の仕事をしていながら、こんなに簡潔に家・住宅の価値を表した言葉に初めて出合いました。
鑑定評価の専門用語・業界用語では、不動産の使用(利用)価値、収益価値、交換価値などと、小難しい用語を使って説明していますが、要は、住める(使える)・貸せる・売れる、ということです。
これから、中古住宅の取引が活発になると予想していますが、手を加えれば、十分に住める(使える)家が、建物としてはほとんどゼロ評価(交換価値をゼロとみる)がマーケットの実態です。
十分に使えるものが、マーケットでは無価値と扱われることの矛盾をどう解決するのかが、これからの大きな課題だとつくづく思います。
銀行や信用金庫などの金融機関は、個人や会社から預金を預かって、そのマネーを別の個人や会社に貸し付けて運用するという、いわば「マネーの仲介業」という位置づけができます。
銀行などから融資を受けるとき、何となく、銀行からお金を借りるという感覚で受けとめていますが、よくよく考えてみれば、金融機関は、預金者から預かったお金を、他の借主に貸し付ける、いわばマネーの仲介業者だということが分かります。
不動産仲介業者は、売却なり賃貸なりの「物件」を預かって、購入なり賃貸なりの希望者にその情報を伝達し、仲介をするのが仕事です。
マネーか物件かの違いはありますが、いずれも、人様の大切な財産・資産をお預かりするという意味では共通しているわけです。
さらに、いずれの場合も、お客様からの信用・信頼がなによりも大切だという点でも共通しているのではないでしょうか。
厳密な意味でいえば、不動産仲介業は「物件情報」をお預かりして、その情報を基にして、当事者同士の取引の斡旋・仲介をするのが本来の仕事です。
不動産というお客様の財産そのものをお預かりするわけではありません。
金融機関は、お金という命の次に大切な財産をお客様から預かるわけですから、その責任の大きさは、比べようもなく大きいわけです。
しかも、金融機関は、お預かりした資産を運用して収益を上げなければ経営が成り立ちません。貸付金として運用するにしろ、国債で運用するにしろ、金融機関自身のリスクで運用するわけですから、常に優良な貸付先を選別し、運用益を確保しなければならないわけです。
不動産仲介業は、物件情報を右から左に伝えるだけで仕事になるのだから、「気楽な稼業」だなどといわれることがあります。「他人のフンドシで相撲を取る」虚業だなどと極論を云う人もいます。
ある意味では当たっています。情報サービス業というのは物を作るわけではないので、世の中が必要とするモノでない何かを提供するのが仕事だと割り切って、その「何か」の中味を磨き、お客様に満足していただく以外に、この批判にお答えする方法はありません。
金融機関に求められている信用・信頼とまではいかなくても、せめて、この会社なら大切な資産、大切な物件の仲介をまかせてみようかと云われるぐらいの信用をお客様から得られるまで、精進を続ける覚悟です。
銀行などから融資を受けるとき、何となく、銀行からお金を借りるという感覚で受けとめていますが、よくよく考えてみれば、金融機関は、預金者から預かったお金を、他の借主に貸し付ける、いわばマネーの仲介業者だということが分かります。
不動産仲介業者は、売却なり賃貸なりの「物件」を預かって、購入なり賃貸なりの希望者にその情報を伝達し、仲介をするのが仕事です。
マネーか物件かの違いはありますが、いずれも、人様の大切な財産・資産をお預かりするという意味では共通しているわけです。
さらに、いずれの場合も、お客様からの信用・信頼がなによりも大切だという点でも共通しているのではないでしょうか。
厳密な意味でいえば、不動産仲介業は「物件情報」をお預かりして、その情報を基にして、当事者同士の取引の斡旋・仲介をするのが本来の仕事です。
不動産というお客様の財産そのものをお預かりするわけではありません。
金融機関は、お金という命の次に大切な財産をお客様から預かるわけですから、その責任の大きさは、比べようもなく大きいわけです。
しかも、金融機関は、お預かりした資産を運用して収益を上げなければ経営が成り立ちません。貸付金として運用するにしろ、国債で運用するにしろ、金融機関自身のリスクで運用するわけですから、常に優良な貸付先を選別し、運用益を確保しなければならないわけです。
不動産仲介業は、物件情報を右から左に伝えるだけで仕事になるのだから、「気楽な稼業」だなどといわれることがあります。「他人のフンドシで相撲を取る」虚業だなどと極論を云う人もいます。
ある意味では当たっています。情報サービス業というのは物を作るわけではないので、世の中が必要とするモノでない何かを提供するのが仕事だと割り切って、その「何か」の中味を磨き、お客様に満足していただく以外に、この批判にお答えする方法はありません。
金融機関に求められている信用・信頼とまではいかなくても、せめて、この会社なら大切な資産、大切な物件の仲介をまかせてみようかと云われるぐらいの信用をお客様から得られるまで、精進を続ける覚悟です。
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