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  悪夢のような、巨大地震・巨大津波から1年が過ぎました。
 
被災地の再建・復興は、まだまだ見えてきませんが、国民の災害についての意識が、大きく変化したことだけは確かです。
 
リスク・危険というものは、実は身近にあるものだし、リスクへの備えは常に心掛けなければならない、という意識は確実に高まりました。
 
不動産鑑定士として、又、不動産仲介業を営む経営者の一人として、得がたい体験もさせてもらいました。
 
その体験・経験から見えてきたものは数多くあります。その中で、不動産にかかわるもの、特に国民の住宅観、住宅購入についての意識の変化について、思うところを記します。
 
住宅購入には、二つの大きなリスクがあります。
 
一つは、経済的なリスク、つまり、土地価格・住宅価格の下落リスクと所得減少によりローン返済が困難になるというリスクです。
 
もう一つは、物理的なリスク、つまり、住宅購入時の品質面・性能面での欠陥リスクと、自然災害による被災・滅失リスクです。
 
東日本大震災は、ローンを組んで住宅を購入することは、実は、大きなリスクを抱え込むという一面もあることを国民に教えてくれました。
 
地震や津波で住宅は失う、しかし、住宅ローンは残るという、手の打ちようがない巨大リスクが、現に存在するのです。
 
首都圏や東海地方では、高い確率で巨大地震の発生が予測されています。
 
だからといって、この地域に住む人が、この地域を離れては、生活が成り立ちません。
 
どうすれば良いのでしょうか。
 
自分の家を持たない、ローンを借りての住宅購入はしない、借家に住むというのも一つの選択肢です。
 
しかし、わが国では、一定の広さと品質の「借家」は極端に少ないというのが実情です。中間の選択肢として、ローンの負担・リスクを小さくして、自己所有の住宅に住む、つまり、手頃な値段の中古住宅購入するという現象・傾向が確実に増えています。
 
当社は、福島市を中心に売買仲介と賃貸仲介を行っていますが、3.11以降、土地取引は激減し、中古住宅の取引は増大していることを、日々実感しています。
 
もちろん、原発事故の影響もあるわけですが、目一杯のローンを組んで、住宅を購入することのリスクの大きさを多くの人が認識しはじめたということではないでしょうか。
 
福島に限らず、これからは、全国的に中古住宅の売買が多くなることはまちがいありません。
 
中古住宅の流通が一層活発化するためには、住宅品質検査(ホームインスペクション)、適正価格の査定、リフォームとの連携など多くの課題があります。しかし、不動産関連では、唯一拡大が見込まれるのが、中古住宅の流通マーケットです。
 
当社も、3.11から得た教訓を生かしてホームインスペクション、適正価格の査定、リフォーム業者との連携に力を入れて、世の中のお役に立つ覚悟です。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

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