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地震発生から100時間近くが経過しました。行方不明者の捜索が懸命に続けられていますが、無事救出を願うばかりです。
今回の地震は阪神大震災と比べてみると地震のエネルギー規模を示すM(マグニチュード)は7.2と阪神大震災(M7.3)よりやや小さかった(Mが0.2大きくなると地震の規模は約2倍と計算されます)ようですが、揺れの大きさを示すガル(加速度の単位)では4,022ガルと阪神大震災(818ガル)の約5倍です。私達が日常感じている地球表面における重力加速度がおよそ981ガルですから震源地近くではいかに強い力が働いたかが分かります。
ガルという聞き慣れない言葉は、地動説で名高いガリレオ・ガリレイに由来する加速度の単位を示す言葉だということを、インターネットで、今知りました。インターネットで調べて分かったことがもう一つあります。福島地方気象台の山田博文氏が地元テレビ局のインタビューに次のように答えています。
 
Q.県内では、これまで、相馬市や福島市、喜多方市などで活断層と認定されているものがあります。しかし、ほかにも活断層が隠されている可能性があるといわれていますが?
 
A.「活断層の中には、まだ見つかっていない地表面にでていないものも数多くあると言われている。いつどこでおこるとはなかなか言えないが、やはり今回のような地震がおこることもあると認識していた方がいい。」
「山地ではあまり揺れないが、直下型だとやはり、地盤のゆるいところでは同じような被害が起こる。川が流れててそこに土砂が堆積しているような平野盆地、あとは沿岸部の海岸線のあたりは揺れやすい」
内閣府の調査では、阿武隈山地のふもとの浜通り側や、福島市付近の阿武隈川沿いは、特に地盤がゆるく、揺れやすいといった調査結果も出ています。
  (福島中央テレビ、インターネット版08/06/16 18:40)
 
 私達の住む福島盆地も絶対安全とは云い切れないことがよく分かりました。 このコラムでも何度かふれましたが、福島市の飯坂―大笹生―庭坂―佐原地区を結ぶ「福島盆地西縁断層帯」(長さ57㎞、想定する地震の大きさはM7.8)という活断層の存在が分かっています。1,000年に一度も暴れないとは云われていますが、頭の隅には置いておくべき情報でしょう。
 4月28日のコラムでも紹介しましたが、福島市の地震に対する安全性の高さは日本一です。08年版「全国地震予測図」によれば、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は、低い順位で①福島市0.1%、②盛岡市0.2%、③宇都宮市0.3%とダントツの低さです。確率0.2%の盛岡市は今回の地震で震度4でしたから福島市民が感じたと同じ程度の揺れだったことになります。
 13年前の阪神大震災の時も感じたことですが、今回の地震でも強く考えさせられたことが一つあります。それは、ここ10数年のあいだに7回発生しているM6.4以上の大規模地震は「天」が発し続けている警告ではないかということです。近い将来確実に発生すると予測されている東海地震や首都圏直下型地震に対して国や地域住民は、今にうちにしっかりと対策を講じなさいという警告ではないかということです。
 国や自治体が行うべき対応策は別として、地域住民の一人として、家庭や家族を守る責任者の一人として備えるべき事項は少なくありません。
 第一は住居の安全対策です。安全性の高いといわれている市内でも、福島盆地西縁断層帯近くと阿武隈川沿いの地域はできれば避けたいものです。職場と子供達が通う学校の建物の安全性はしっかりと対応していきたいものです。
 私が代表をしている「福島法曹ビル」管理組合も2年前に耐震診断を受けました。結果はランク(2)で部分的な耐震補強が必要との判定でした。地下駐車場の鉄筋コンクリート柱8本を強化グラスファイバーでぐるぐる巻きにする工法でかなりの強度が出るらしいので、近々見積書をとり関係者と協議することにしています。
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丁度11年前の今ごろ、時々背中の痛みをうったえていた92才の母親を連れて、会社の近くの済生会病院を訪ねました。私が30年も前から人間ドックでお世話になっていた栗原先生に診てもらったところ、末期の膵臓ガンという診断です。高齢と患部の位置からして手術は無理であり、本人の苦痛を最小限に抑えながら最善の手をつくすという基本方針が即座に決まりました。
 今、11年前の手帳を取り出して日付を追いながらこのコラムを書いています。私は40年程前から、毎日の予定と出来事を手帳に記入する習慣が身についています。「手帳を秘書として使う(http://www10.plala.or.jp/tika-infre/techouihsyo.html)」という自作の寄稿文を文字通り実践しているからです。
 1年で3~4冊の手帳を使い切るやりかたですが、毎日の行動記録がしっかりと残るので大変重宝しています。
 ’97年の4月25日から9月8日まで使った手帳のページを繰っていたところ、8月31日(日曜日)の欄にこんな短歌が記されていました。
 
 「黙しつつ 大地踏みしめ 大空に    相あふ心 今しおぼえぬ」
                      昭和2年 クラ子
 
とあります。小康状態であった母親が、日曜日の夕食時に昔語りをしていた時のメモです。日本女子大国文科2年生の母が、井の頭公園で、その後私の父親となる徳助(徳チャンと呼んでいた幼なじみです)とデートをした時の心情を詠んだものです。学生時代、武島羽衣先生に師事していた母は歌ごころも豊かだったようです。
また、闘病中の7月にはこんな歌も残しています。
 
「のきしたの あまだれの音に ふと目ざめ  さわやかなりし 夏の一日」
                        平成9年7月 クラ子
 
ポプラの巨木の下に建つ我が家は、夏涼しく快適な家でしたが、落ち葉で雨どいが詰まっていて、すぐに雨だれが落ちてくるという欠点もありました。日中に夕立ちのあった日の夕食時だったと記憶しています。こんな歌をつくってみたが、下の句の最後は「夏の一日」と「夏の夕暮れ」でどちらがいいと思うか、と話かけてきました。私は、一日を通してさわやかと感じていたのであれば「夏の一日」の方がふさわしいのではないか、などと話した と記憶しています。
 痛み止めのモルヒネの使用量もだんだんと多くなっていくなかで、自分は今、幸せな時間を過ごしているというメッセージを周りの人に知らせたかったのだということが、今にして理解できます。
 そんな母がよく口にしていた言葉が「すまじきものは、宮仕へ」です。清少納言が1,000年も前に書いた「枕草子」の書き出し文言だということはなんとなく分かっていましたが、母がその言葉に込めて伝えようとしたメッセージの意味が分かったのは、社会人として仕事に就いてからでした。
 不本意なことでも「宮仕えの身」であれば実行しなければならない場合もある。自分を殺して仕事をしているから給料がもらえる。そんな世の中の仕組みと宮仕えの悲哀から早く脱出し、自分で独立して仕事なり事業を始めなさいという願望を込めたメッセージだったのでしょう。
 30才を過ぎた頃から独立志向、事業にチャレンジしてみたいという意欲が一層強くなりました。運良く不動産鑑定士の二次試験に合格し、(財)日本不動産研究所で5年間修業した後、独立開業したのは40才を目前にした丁度今頃でした。30年前の日本経済は、高度成長の途上であり公共事業も年々増加していたので、不動産鑑定業界は恵まれた環境にあったわけです。
 独立開業してつくづく感じたことは、「宮仕え」から「世の中に仕える」「世間一般の人に役立つ仕事をする」ことの重要性です。特に3年前に開設した不動産事業部の仕事は、世間一般の人々が自ら汗を流して稼いだお金で一生に一度の高額な買い物である住宅取得のお手伝いをする仕事です。
 「宮仕え」ではなく「世の中に仕える」という意味で、やりがいのある仕事だと感じています。
私が愛読しているメールマガジンに「ビジネス知識源」(http://www.cool-knowledge.com/)というコラムがあります。吉田繁治氏です。大阪を本拠として、流通業界のコンサルタントが本業なのですが、世界の政治、経済、軍事を分析・予測し、国内問題についても鋭く深い分析で高名(?)な方です。
 その6月4日号のコラムで「保障」と「保証」の違いについてふれていたので一部を引用しながら、不動産流通業との関連について考えてみました。
 
………社会保険庁が言う「年金の支払い保障」は「保証」と違い、その支払いに向かい努力することする誤魔化しめいた行政用語でもあります。国会の口頭の官僚答弁では、分からない。文章を精査し、初めて分かる。
 
社会保険庁は、年金支給については保証という言葉を使わず、「国が保障する」と言っています。
 
<公的年金は、長期にわたる老後生活の主柱となるに足る保障を(国家が)行うものです。(社会保険庁)>
 
………警備保障も、保証とは言わない。警備を契約した世帯に損害がないように努力する。空き巣のときも、警備保障は損害の賠償義務は負いません。しかし保険なら、賠償義務を負うはずです。
 
………金融商品では、「元本や利回りの保証がない商品」では、それを契約書や宣伝に大きく書いて説明を加えないと、金融の犯罪になります。保証ではなく、実は支払いを努力するという保障だったと言って誤魔化すのは、金融庁が、許しません。損害賠償の義務と刑事罰が待ちます。
 
以上引用が長くなりましたが、要は、「保障」の内容は努力義務にすぎず、「保証」という言葉は「連帯保証人」の恐さからも判るように、法的な義務を伴うものだということです。この大きな違いについて日頃あまり注意しないでいたことを遅ればせながら反省しています。
 ところで、わが社の目標と使命の一つに「お客様の取引の安全をサポートし、保障すること」という文章を不動産事業部開設時から掲げています。この文言を決めるとき、なにげなく「保証」という原案を書いたのですが、「○○安全『保障』条約」というふに「安全」という言葉には「保障」という言葉を使うのが正しいようだと考えて「保障」という文言にしたことが思い出されます。自分の語学力もこの程度なのかといささか反省しています。
 ここから本題に入ります。わが社がお客様とお約束できる内容は「保証」と「保障」の中間の意味と理解して下さい。誤解のないよう箇条書きにします。
 
① お客様の取引の安全が守られるように全力で努力し、あらゆる手段を講じると共に、十分な事前調査を行うこと。
 
② 手付金の保全処置や決済代金と登記手続・引渡しの同時履行について最善の注意を払い事故やトラブルのないよう努力すること。
 
③ 手付金や違約金についても契約書で明記し、万が一「事故」が発生した場合は、宅建業保証協会の「保証」が得られる措置を講ずること。
 
以上が「保障」の具体的内容です。
 余談ですが、不動産鑑定士として30余年仕事をしていますと不動産がらみで様々な人と出会います。○○師、○○組交友者、○○同盟関係者、○○ブローカーといった類の人とも出会う場面も少なからずありました。普通の場合は、そのような人々とは最初から話も聞かない、会うことも拒むという対応をするのでしょうが、こと不動産に関連した話の場合、積極的(?)に会うよう心がけてきました。なぜかといえば、そのような人々の話の進め方、ワナの仕掛け方、手口についてなるべく具体的に知り、実地で体験することが重要だと考えたからです。
プロの仕事の世界では、ダマす方より、ダマされる方がバカだとまでは云いませんが、「何か足りない」と思うからです。ダマす側の人間について、その人相、態度、人脈、手口について、機会があればよく研究し、経験を積むことが、ダマされないために必要なことだと信じるからです。この経験は大変役に立っています。改めてこのコラムでご紹介する機会を設けます。ご期待下さい。
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高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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