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 先日、NHKと福島テレビの取材を受けました。地価公示価格の発表についての取材です。

 

 福島県内は18年連続の地価下落で、今年は下落幅が拡大したことについての意見を求められました。

 

 商業地の土地価格は、福島駅前の例でいえば、ピーク時(1,000万円/3.3㎡)10分の1(100万円弱/3.3㎡)まで下落したので、今後は横ばいか、小幅な下落との予測を伝えました。

 

 住宅地の価格は、郊外住宅地の場合、ピーク時(25万円/3.3㎡)の半値程度まで下落しましたが、今後も、「良くて横ばい」との予測です。

 

 NHKの記者からは、地価が下がって困った話ばかりが多いのですが、何か明るい話題とか、地価下落のメリットはないですか、と質問されました。

 

 土地の値段が下がり、家賃が下がって得をする、有利になる人もいるのです、と申し上げました。

 

 例えば、飲食店やファッション衣料品店を開業する人にとっては、土地の下落や家賃が下がることは「大歓迎」ではないでしょうか。

 

 現に「文化通り」では家賃が半値以下になったので、若くてセンスの良い人が、ファッション関連の店にチャレンジしています。

 

 置賜町界隈でも飲食店の新規開業が多くみられます。当社がお世話をした旧東北電力福島支店東側の「ホルモン横丁」は12月の開店でしたが、連日、大入り満員の賑わいを見せています。

 

 20年近く、市内の食肉卸店に勤め、福島県特産のエゴマ豚をブランド化した努力の人です。

 

 シソの仲間であるエゴマを食べさせて育てたエゴマ豚は生活習慣病の予防効果もあるし、内臓も含めて捨てるところがないのだそうです。

 

 健康ブームと「価格破壊」路線に沿った「ホルモン系飲食店」はたしかに増えているようです。

 

 380円均一の焼肉コーナーには「298-380(ニクヤ-サンパチ)」、ホルモン焼きのコーナーは「電力ホルモン」などと、工夫をこらしたメニューと店舗構成、ネーミングになっています。

 

 なぜか、元気の出る店です。皆さんも、ぜひ一度寄ってみて下さい。「福島元気酒場」ホルモン横丁の大将(店長のことです)は宮本大資さんです。

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 先回のコラム「政権運営も試行錯誤」に対して、熱心な読者の一人である菅野さんから、ご自身の体験も含めたメールをいただきました。
 
 ご本人の了解を得て一部をご紹介します。なお、菅野さんは、岐阜市のKさんとして何回かこの欄でメールをご紹介した方です。
 
『 さて、本音のコラムを拝読させていただきました。
 胆をくくって対処・対応するほか途はないという指摘事項と変化を楽しみ、チャレンジできることに感謝する。そんな心の余裕を持ちたいものです。という文章に共鳴いたします。
 
仕事で胆をくくることは何度もありましたが、本当に死ぬ覚悟でクレームを解決したことを思い出しました。
 
今から18年前当時はマンション建設ブームに沸いており、当社もマンション建築部材を開発販売し始めました。プラスチック型枠と強化ガラスプラスチック製のバタ材(型枠支持材)です。働く人が軽い材料を希望しており、軽いのでマンション高層へ多量に持ち運ぶことができると評判を呼び九州、関西地区で大幅に売れ始めました。
 
ところがバタ材(関西地区は角バタ、関東東北は丸バタを使用)の使用についてのクレームがある神戸地区型枠大工店社長からあり、部下と一緒に説明に参上することになりました。
 
部下から「この社長は背中にtatooを入れており、型枠大工をこぶしでなぐった現場を何回も目撃した怖い方です。一人では行けません」「きっと難癖をつけお金を脅しとろうとするためクレームをつけています。
 
当社バタ材を使用したらコンクリート壁が部屋内部に曲がってきてその湾曲壁をはつったそうです。その代金を全額負担せいとの要求です。」まず会って部下と社長の言い分を聞いてみようと思いました。一般素人にはその業界人は手を出さないということを知っていましたが、危害を被った時はそのとき考えようと胆をくくり会談に臨みました。
 
開口一番社長から「お前のところのバタ材は軽いので大工の作業負担を軽減するよう購入したら壁が曲がるようではクレーム品ではないのか?壁を手直し(はつる)するのに200万円余分に遣った。どう補償してくれる」との発言がありました。
 
私は「もしかしてバタ材とバタ材の間隔を広く開けすぎたのではないか?鉄バタは強度があるのですが、当社バタ材を組み立てる時は60センチ間隔以内とカタログにも書いてるし、施工現場担当者へも必ず注意事項として当社営業員が説明をしてるはずですが。もう一度現場の担当者へ説明があったかどうか確認していただけますか?説明がなかったなら当社の落ち度です」と回答しました。
 
早速担当者が呼ばれました。当社の営業からもピッチを従来の鉄バタで使用する間隔から短くするよう説明は受けたが、現場作業員への説明を怠ったと返答しました。途端に社長の鉄拳制裁2発、足蹴り1発でその現場担当者は倒れこみました。
 
「菅野さん、申し訳ない。現場作業員は老齢なので少しでも負担を軽くしてやろうと考えたのに。お宅の担当から作業手順を聞いてたのにもかかわらず、クレームだと抜かしやがった。俺に恥をかがせやがって。」と倒れ伏した人間をさらに蹴ろうとするので「待ってください。当社の担当者も説明したのですが、施工現場に立ち会うというサービスをしなかったのはこちらにも落ち度があります。これ以上この方を責めないでください」と説得しました。
 
それ以来、この社長とは縁が繋がり、当社製品を一番多く使用していただく型枠大工店になりました。クレームを怖がり、暴力を恐れ警備員同行で説明しに行ったらこのような関係には結びつかなかったことでしょう。高橋様の言及する通り胆をくくって対処・対応するほかに途はないのです。将来先が見えないなど恐れるのは杞憂へとつながります。
 
何があっても命までは盗られないと肝に銘じ、自分の思いを実行することこそ成功への一歩に通ずると断ずる次第です。
 
ところで、この社長さんも神戸大地震で亡くなってしまいました。経営していた大工店も店をたたんでしまい現在その住所には高層マンションが建っています。この社長は古い民家を改造した家に住んでいましたがあの地震には耐え切れず、ご夫婦とも亡くなってしまいました。こんな経験からも一戸建てには不安を持ってしまい終の棲家はマンションと考えていました。
 
長々とコメントというよりは経験談を語ってるようで済みません。
昼休みに書き終えましたが、午後一番客があり今帰りました。
 
推敲して送ります。 』
 
U・N化成(株)にお勤めの菅野さんは、38年の会社勤めを終え、この6月に福島に戻る予定の方です。当社がお世話をして、福島市中心部のマンションを購入されました。
 
 社員を育てる、営業マンを育てる仕事を永くやってこられた方で、その真髄は「誉めて育てる」ことだとうかがいました。私どもも教えられることが多々あった方です。心から感謝しています。
 国民の大きな期待を背に受けてスタートした民主党政権は、「雲海」の中での低空飛行を続けているようです。
 
 国民の期待が大きかっただけ、その反動も大きくなり、内閣支持率はさらに低下するのではないでしょうか。
 
 世界経済も厳しさを増しており、確たる見とおしも、打開策も見えません。
 
 弱い環の一つである、日本経済の見とおしも、かなり長期にわたり厳しいと見るべきでしょう。
 
 GDPの2倍、1,000兆円を超える(隠れ債務を含めれば?兆円)公的債務、つまり借金の存在。デフレギャップ(生産設備の能力と需要の差)は30兆円程度です。
 
 22年度の当初予算は税収(37兆円)を大きく上回る国債発行(44兆円)で帳尻を合わせています。補正予算も2回程度は組むでしょうから、国債発行額の50兆円台乗せもありうるでしょう。
 
 今さら、誰の責任だ、ムダ使いをしてきた○○○が悪いなどといっても、何の解決策にもなりません。ましてや、世の中が悪いとか、時代が悪いなどと言ってもはじまりません。
 
 今の置かれている状況、現実をしっかりと見すえ、胆をくくって、対処・対応するほかに途はないのです。
 
 先が見えにくい時代、手探りの時代、変化の激しい時代に求められるものは何でしょうか。
 
 それは試行錯誤を大胆に実行することではないでしょうか。「思考停止」でないことだけは確かです。
 
 政権運営も企業経営も基本は同じです。戦略プランを想定し、打開策を用意し、胆をくくって実行する以外に途はないのです。
 
 不動産仲介業界も、大きな変動期を迎えています。チラシ広告の効果はゼロに限りなく近づいています。新築住宅の着工件数は年間80万戸を下回りました。仲介業者の売上高はサービス業の中で最悪、年間21%強の下落です。
 
 しかし、明るい、日の差す分野もあります。住宅を探すお客さまは、インターネット利用が80%を超えました。中古住宅(マンションを含む)の取引は増加しており、年間50万戸を超えたと推定されています。
 
 ホームページ中心のネット不動産に切り替えて2年になります。おかげさまでホームページを訪ねていただけるお客さまは月に6,000人を超えるまでになりました。
 
 問い合わせのメール、電話、来店は月に100件を超えています。
 
 しかし、まだまだ未熟であり、試行錯誤を繰り返しながら、勉強を続けるつもりです。
 
 先が見えない時代だからこそ、変化を楽しみ、失敗を恐れずに、チャレンジできることに感謝する。そんな心の余裕を持ちたいものです。
 
 「ネット不動産フロンティアノート」は連載25回になります。おかげさまで好評です。「不動産戦略」e―REVIEWの2月号から同じ内容が転載されて、国内の同志、同業者からご意見をいただいております。
 
 ぜひ、一度ご覧下さい。(http://www.takakan.co.jp/frontier.html
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高橋雄三
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不動産鑑定士
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