忍者ブログ
[31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38]  [39]  [40]  [41
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

4年前の5月に、不動産仲介業界での競争と協調について書きました。
http://takakan.blog.shinobi.jp/Entry/21/
 
 競争という面では、いかにして多くのお客様の信頼を獲得するかという「競争」です。協調という面では、業界全体として、どうすればお客様にとっての利便性が向上するか、そのために業界全体で取りくむべき課題に対して協同・協調体制をいかに作るべきかといった意味のことを書きました。
 
 お客様に対してどう対応するかという面から競争と協調を考えてみたわけです。
 
 今回は、不動産仲介業者の企業戦略という面から競争と協調について考えてみます。
 
 結論からいうと、「協調」は弱者の戦略であり、誤解を恐れずにいえば、農民的発想、労働組合的発想ではないでしょうか。
 
 団結、連帯、協同、協調、いずれも強いものに対して一致結束して行動するという考え方が根底に見え隠れします。
 
 不動産仲介業者の本質は「商人」であり、サービス業者です。
 
 商人たる者、競争を回避したり、共同作業の中に生きる道を探るなどと夢にも考えてはならぬことではないでしょうか。
 
 ただし、その競争の中味は、お客様の信頼獲得競争であり、サービス向上の競争だということです。
 
 不動産仲介業を始めて8年になりますが、業界の一部には、売上競争、早く決めさせる競争という体質が残っていることが気がかりです。
PR
何とかなる、望みがある場合が「希望」。どうにもならない、望みがない場合は「絶望」。ぐらいに、何となく思っていました。
 
 出典は失念しましたが、2ヶ月程前に、『努力が報われる見通しがある場合は、「希望」となり、努力が報われる見込みがない場合は、「絶望」となる』という文章を目にしました。
 
 なるほどな・・・、と思いました。どんなに苦しい立場に立たされても、努力をすれば何とかなる、報われるという場合であれば、「希望」は持てるということです。
 
 その反対に、どんなに努力してみても、どうにもならない、見通しがつかない、努力が報われない場合には、「絶望」に陥るということのようです。
 
 70余年も人間をやっていると、苦しいことも、楽しいことも、数多く経験します。
 
振り返ってみると、独立開業してからの30余年は楽しいことが多かったように感じます
 
自分で選んだ道なのだから、少々苦しいのは当たり前という「覚悟」みたいなものがあったから、苦労が苦にならず、「苦労を楽しむ」余裕みたいなものがあったからでしょうか。
 
今回の東日本大震災の被災者の場合、巨大津波の被災者の大部分は、自宅の跡地には戻れないようです。
 
しかし、高台代替地が準備されるようで、「安全」な新天地での新生活は可能でしょう。
 
問題は、原発による被災者です。政府は、かなり甘い見通しを立てているようですが、今後10年、20年と故郷を離れての生活を余儀なくされそうです。
 
 生活の基盤を全て失い、避難先では仮の住まいはあっても、仕事は見つかりません。
 
 その心情は、いくら希望を持てといわれても、絶望に近いのではないでしょうか。
 
 数日前には、浪江町の自宅に一時帰宅した人が、帰らぬ人となったと報道されていました。
 
 十数年来、苦境に立たされてた友人・知人に対して「首くくらずに、胆くくれ!」と言い続けてきましたが、今回の事態には、言葉になりません。
 
 天が人類に与えた「試練」と受けとめ、原発周辺地域の人々は「試練」に立ち向かうフロンティアだと胆をくくる外に道はないのでしょうか。
 
 本業である不動産鑑定評価の世界も「試練」の場に立たされています。
 
 原発周辺の地域だけでなく、福島市や郡山市の放射線量もかなり高いからです。
 
 この地域の土地の値段はどうなるのでしょうか・・・。誰にも確かなことは分かりません。
 
 何とかして、安心して生活できる地域にする以外に道がないことだけは確かです。
 
 
  不動産事業部を開設し、売買仲介・賃貸仲介の仕事を始めて7年になります。不動産鑑定士としては40年程仕事をしてきましたが、最近新たな「発見」をしました。
 
 「発見」というほど大げさなことではないのかもしれませんが、賃料の粘着性・遅行性、つまり、地代や家賃は土地や建物の上昇や下落に遅れて現実化することの理由が分かったということです。
 
 不動産鑑定の世界では、賃料の粘着性・遅行性は良く知られた「法則」であり、不動産の価格と賃料の乖離が地主と借地の争いや裁判になるケースが多いのも事実です。
 
 私自身も、不動産鑑定士として、あるいは、裁判所の調停委員として、地代や家賃にかかわる案件・事件を数多く手がけてきました。
 
 不動産バブルの時代は、不動産価格が3倍になったのだから、地代や家賃もせめて2倍にして欲しいという、地主・家主側からの請求が多くありました。
 
 この20年程の、地価下落の時代には、不動産価格が半分になったのだから、地代や家賃も下げて欲しいという借地人・テナント側の要求・請求が増えています。
 
 地価は上昇したり、下落したのに地代・家賃はそれに追いついていかないことが、争いの種となり、不動産鑑定士としてはメシのタネでもあるわけです。
 
 そんな大切なメシのタネである賃料の粘着性・遅行性について、実は、不動産鑑定士の側は当然の現象・法則として受けとめ、その理由や原因については深く考えてこなかったのが実情ではないでしょうか。
 
 賃料の粘着性が現れる例は二つの場合に分けることができます。
 
 一つは、不動産価格が上昇している場合です。
 
 不動産の価格が3倍になったのだから、地代や家賃も3倍にして欲しいというのは、ある意味では正当な要求です。
 
 しかし、借地人やテナント・借家人側は、借地法・借家法の規定を楯にして抵抗します。
 
 戦時下に制定された借地・借家法は借地人や借家人を手厚く守る内容となっています。調停や裁判になれば、借りている側には有利に展開します。
 
 その結果、地主や家主は地代や家賃の値上げを先延ばしにされたり、諦めたりするわけです。
 
 これが値上げ時の賃料の粘着性・遅行性となって現れるということが、最近になって分かったというわけです。
 
 不動産の値下がりの時はどうでしょうか。
 
 不動産価格や固定資産税が下がったのだから、地代や家賃も下げて欲しいという要求もまた当然なことです。
 
 しかし、地主や家主とすれば、一ヶ所を値下げすれば、他のところの地代や家賃も値下げするようになることを、何よりも恐れるわけです。
 
 その結果、調停や裁判になるケースも少なくありません。調停や裁判は時間がかかります。賃料の遅行性の原因はこのへんにもあるわけです。
 
 賃貸マンションや賃貸アパートの場合、築後10年も過ぎると、空室が多くなります。
 
 家主・大家としては、値下げをしてでも満室にしたいのはヤマヤマですが、一室を値下げすれば、他の部屋の家賃も下げざるを得ません。ヤセガマンをしながら、値下げをしないで、何とかしようとガンバルわけです。これも、家賃の遅行性の原因となります。
 
 この程度のことは、不動産仲介業の実務に携われば、すぐに理解できることなのかもしれません。
 
 しかし、不動産鑑定業だけをやっていては、分からなかったことです。
 
 「不動産鑑定業の遅行性」についても気づかされたことを申し添えます。
<< 前のページ 次のページ >>
アーカイブ
ブログ内検索
プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

アクセス解析
忍者ブログ [PR]