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不動産事業部を開設し、仲介業を始めたのは5年程前のことです。
当初は、売り地・売り家・売りマンションの「物件情報」約220件を掲載したチラシ広告9万5千枚を、新聞折込として市内各家庭に配布し、問い合わせを待つという方法でした。
10万弱のチラシ広告に対し、40人~50人の問い合わせや来店がありました。反響の多さに、社員一同、テンテコ舞いでした。
不動産鑑定事務所という「堅い」会社が始めた「不動産業」として、お客さまから新鮮なイメージで受け入れていただけたからでしょうか。
その後、チラシ広告に対する問い合わせ数、来店数は目に見えて減少し、2年後には10万枚のチラシに対し、10人程度の問い合わせになってしまいました。
同時並行的にホームページも開設し、約700件の物件情報の概要を常時閲覧でできる体制を作りました。
写真も、間取りも載っていない初歩的なホームページでしたが、物件数が多かったせいでしょうか、1日に100人近くの人が訪れてくれるようになりました。
ホームページを見たお客さまからの問い合わせや来店が多くなり、「希望登録条件」も多い月には20人を超すまでになりました。
同業者からも、チラシ広告の時代は終わったのではないかという声が聞かれるようになっていました。
チラシ広告は経費・広告単価が高いのです。用紙代・インク代・印刷機のリース代・新聞折込費用を入れると1枚5円程度のコストです。
10万枚の折込広告を市内の各家庭に配布するには50万円の費用がかかるわけです。しかも、人件費は含めないコスト計算としてです。
50万円の費用をかけて、10人のお客さまから問い合わせや来店があった場合、1人のお客さまあたり5万円の「集客コスト」(業界用語で、お客さまに来店していただくために必要な広告費という意味です)がかかるわけです。
これでは、どうしても、お客さまの都合に合わせて住宅購入のプロセスを進めるのではなく、自社都合、自社利益に合わせた「営業スタイル」になりがちになるのではないかと、真剣に悩みました。
幸い、初歩的なホームページの運営にも慣れてきていたし、一定の効果も出ていたので、全面的にホームページ本位の広報・広告・情報発信に切り替えました。
丁度2年前からです。おかげさまで、ホームページを訪れたお客さまからの電話・メール・FAXでの問い合わせは月に150件程度いただけるまでになりました。来店されるお客さまは月に20人程度、賃貸の繁忙期(2月~3月の転勤・入学シーズンを表す業界用語です)には40人を超すこともあります。
インターネット・ホームページに特化した不動産仲介業を「ネット不動産」、「オンライン不動産」と言います。これも業界用語というニュアンスが少し残っていますが、ネットスーパー、ネット通販などと一般的には使われだしたので、「ネット不動産」という表現を積極的に使うように心がけています。
厚かましいというか、図々しいというか、ネット不動産業の3年程度の体験を「ネット不動産フロンティアノート」というテーマで書き始めました。
ホームページに載せるのと併行して、月刊誌「不動産戦略」に連載しています。
「ネット不動産」はまだ黎明期・揺籃期ということもあってか、同業者だけでなく、一般のお客さまからも期待と支援の声をいただいております。
手探りで進む道ではありますが、不動産仲介業の進む道は、インターネット・ホームページの全面活用・完全活用以外にはないと確信しています。
先駆者・先頭集団の背中の見える位置をキープしながら、自分なりの工夫やアイデアを試し、楽しみながら、ネット不動産のフロンティアの役目が果たせれば、それで、満足という思いです。
今朝も、カッコウの鳴き声を聞きました。
いい日になりそうです。
今朝、5時前だったでしょうか。
ネット不動産フロンティアノートの資料を前にして、どんな切り口で論を進めようかと思案投げ首の最中にカッコウの初鳴きを聞きました。
例年だと5月20日頃と記憶していましたので、今年は少し遅いようです。寒さが戻った日が続いたせいでしょうか。
福島盆地の北西部、笹谷に住んで40年になりますが、カッコウやウグイスの声はいつ聞いても、何度聞いてもいいものです。
野鳥の会の友人に言わせると、「カッコウやウグイスの声を自宅で聞くことができるということは、それだけ自然環境に恵まれていること」だそうです。
カッコウの一鳴きは、無い知恵を絞って原稿と格闘していた私の心を解き放ってくれました。
能力以上のものが書けるわけではない。収集した資料を素直に読み込み、自分の経験や知識、感性、判断に従って、思ったことをそのまま書けばよい。結果として試論レベルのもの、誤った結論となったとしても、試行錯誤を恐れては一歩も進めない……、そんな勇気をカッコウの一鳴きは与えてくれました。
カッコウの初鳴き、自然の恵みに感謝しています。
米軍普天間基地移転問題が二転、三転するのを見せられて、多くの国民は、理想と現実の距離の大きさを改めて考えさせられたのではないでしょうか。
あるべき姿、理想から考え方をスタートさせれば、沖縄に米軍基地は存在しない方が良いことだし、ましてや危険極まりない市街地の真ん中の米海兵隊基地は、今日にでも撤去させるべきだとなるのは当然でしょう。
沖縄県民や普天間基地周辺に住む住民にとっては、基地撤去は永年の悲願だったし、厳しい現実からスタートした考え方、文字通りの現実主義でしょう。
この問題について、理想論から出発したやに見える鳩山政権の現実への対応が、いよいよ「歴史の審判」を受ける時が近づいているようです。
ユートピア思想・空想主義・理想主義・博愛主義・友愛精神、どうも鳩山家には理想からスタートしたがるDNAが受け継がれているようです。
企業の経営者、とりわけ創業者といわれる立場の人は、起業の理念を高く掲げ、企業のミッション・使命を前面に出すというDNAが強いという特徴があるようです。
使命感と狂気にも似た情熱がなければ、起業・創業などとてもできるものではないということもよく分かります。
5年前に不動産事業部を開設し、仲介部門を立ち上げたのも、不透明感の強いこの業界にあって、心からお客さまの立場に徹した仕事のスタイルが通用するのか否かを試してみたい……、との思いからでした。
理想の追求、理想主義からのスタートだったといえます。丁度、チラシ広告からインターネット広報・ホームページによる情報発信に切り替える時期と重なったために、遠回りもしました。
決して安くない授業料・広告経費を払ってチラシ広告中心の不動産仲介業は成り立たないし、未来はないという「現実」を知ることができました。
現在は、ホームページ・インターネット中心の広報活動・情報発信に徹し、インターネットが使えない、苦手だというお客さまのために月一度「不動産情報誌」を発行しています。
理想論からいえば、ホームページ・インターネット広報だけに限定すべきなのかもしれませんが、「不動産情報誌」を心待ちにしているお客さまが約300人いるという「現実」も見据える必要があります。
鳩山政権だけではなく、企業経営も、わが社の経営方針も、理想と現実の間(はざま)を揺れ動いているといったところでしょうか。