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本年3月、東京電力は、原発事故被災地内の宅地・建物等についての賠償基準を公表し、請求書の送付をようやく始めました。
 
これまで、10数人の被災者や弁護士から相談や評価依頼が寄せられ、取りくんできました。
 
◎ しかし、4方式による建物価額の計算は、実際にやってみると、意外と煩雑であり、時間のかかるものだということがわかりました。
 
◎ そこでパソコン・ソフトに詳しい当社のスタッフが、約1ヶ月かけて4方式による建物価額の計算・試算シミュレーション・ソフトを開発しました。(http://www3.plala.or.jp/kantei/tatemono.html
 
◎ 全国に避難している被災者の方々が使い易い様に工夫し、当社のホームページの画面上で数字を入力し、選択肢をクリックすれば建物価額がただちに算出されるソフトです。
 
◎ 被災者や弁護団、関係町村の担当者にとっても、不動産賠償の請求額がいくらになるのかは、最大の関心事であり、しかも、手続きや交渉は遅きに失しているのも実態ではないでしょうか。
 
◎ そのような事情を勘案して、「建物賠償の4方式の試算シミュレーション」を当社のホームページで無料で公開することにしました。
 
 なお、原発事故による損害賠償については、東京電力基準であまりにも低すぎて、生活再建はおろか、移転・移住も不可能ではないかとの強い批判があることも事実です。
 
 私個人としても、1年有余にわたり、原発賠償のあり方については、考え続けており、「原発賠償を考えぬく」(http://www3.plala.or.jp/kantei/baisyo9.html)というコラムを9回ほど連載しております。ご笑覧下さい。
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ほとんどの人にとって、生涯に一度か二度の大きな買い物である住宅購入について、冷めた目で検討してみます。
 
福島市内で、新築戸建2,500万円、中古戸建1,500万円のケースで、ローン借入リスク、売却時の目減りリスク(出口戦略)、快適に住むメリットについて考えてみました。
 
ローン借入リスクには二つの側面があります。一つは、金利変動のリスクです。年利1.4%の変動金利で2,500万円(25年元利均等返済)の借入をした場合、毎月の返済額は98,813円です。
 
これがもし、年利4%(十分にあり得ることです)になったとすれば、毎月の返済額は131,959円となり1.3倍になります。
 
長期のローンは固定金利で借りることは鉄則です。
 
ちなみに、フラット35の固定金利2.11%を利用した場合、25年返済で月額107,307円です。ハウスメーカーの営業マンの「家賃並みの支払いで持家が買えますよ!」とは、セールストークです。
 
もう一つのリスクは、病気・勤務先の倒産・転職・解雇などの事情で、ローンの返済力が低下するリスクです。
 
アベノミクスなどに踊らされて、甘い見通しを信じても、いざという時に誰も助けてくれません。
 
売却時の資産価値低下リスクにも二つの側面があります。一つは木造建物の資産価値(市場価値)は築後10年で半減するという現実のリスクです。20年経過した建物はほぼゼロ査定です。
 
もう一つのリスクは、土地価格そのものの低下リスクです。土地神話の時代は20年前に終わっています。人口減少・所得低下の時代に、よほどの好立地な場所・地域以外は地価の上昇は望めません。
 
安倍政権のインフレ政策が実現したとしても、変動金利でローンを組んで住宅を購入する人には、金利上昇のデメリットの方が土地価格上昇のメリットよりもはるかに大きいことを忘れてはいけません。
 
では、どうすれば良いのでしょうか?
 
ローンを組んで住宅を購入するということは、これだけのリスクが伴うことを十分に認識することが出発点です。
 
その上で、ローンの借入額をできるだけ低額に抑えて、年収の4倍以内にすることも対策の一つです。
 
さらに、10年後あるいは20年後の住宅価格(土地と建物の価格)が下がりにくい物件を購入することも大切です。
 
少しリフォームすれば、十分に使える戸建中古住宅が福島市内では年間500戸程度売りに出ます。これらの中古売家の中から、家族構成や自分の好みに合った物件を探し出し、建物の品質・性能チェックを十分に行った上での住宅購入が今の時代の「住まい探し」ではないでしょうか。
 
なお、念のため申し上げますと、築後40年前後の住宅(マンションも含む)は、要注意です。
 
40年前は、日本中が建築ブームでした。そのため人手不足、大工不足、建材不足が続き、素人大工や手抜き工事、粗悪建材の使用が広まっていました。
 
マイホームを買うことは、多額の借金をして不動産というリスク資産に投資をする行為です。念には念を入れて、最悪の場合にも対応できる事前の検討・準備が何よりも重要なことです。
父親を1945年10月に、母親を1997年10月に亡くしました。
 
生物の一種として人間をとらえた場合、両親から引き継いだDNAをパートナーとの共同作業で子や孫に伝えるのが本人の役割です。
 
子孫に残すDNAが何であるかについて、深く考えたことはありませんが、親から引き継いだものについて考えてみました。体質や体格でなく、気質・性格についてです。
 
父親については、私が3才の時にインドネシア・ジャワ島に、鉄道部隊の軍属として出征し、そのまま帰らぬ人となったので、記憶に残っているのは僅か三つの場面しかありません。
 
いずれも、優しい、子供の失敗を寛大に受け入れる父親像です。
 
苦学をして、日大法科の専門部を卒業し、鉄道省に勤めて、愛する幼馴染みのクラちゃん(母親)と一緒になり、5人の子供を育てた普通の父親像については、母からよく聞かされました。
 
「大東亜共栄圏の建設」という国策を信じ、インドネシアの独立と国家建設に協力するために、志願してジャワ島に行き、戦後のインドネシア独立運動の混乱の中で、命を失いました。
 
思ったことをすぐに行動に移す、思いを貫き行動する、という性格・DNAはしっかりと、私にも伝わっています。
 
子供や他人の失敗に、あくまでも寛大に対応するというDNAは、十分には引き継いでいなかったようです。反省点でもあり、これからの努力目標です。
 
母親から引き継いだものは少なくありません。
 
先進・最先端・新分野に挑戦するチャレンジ精神は、まちがいなく母親から受け継いだものです。
 
女性が大学に進学することが極めて稀であった昭和の初めに、日本女子大の国文科に入学し、石川啄木を卒業論文のテーマに選んで学業に励む傍ら、幼馴染みの徳ちゃん(父親)と学生結婚をするなどの「最先端」の新分野にも挑戦した「実績」を残しています。
 
親から影響を受け、引き継ぐものは、生物学的にはDNAを通してでしょうが、家族としての生活を通して、それ以上のものを引き継ぐのではないでしょうか。
 
日常生活を共にし、人としての生き方や考え方を学ぶのは、家族としての親子や兄弟の関係を通しての方が、DNA経由より多いはずです。
 
父親を幼くして失った兄弟姉妹5人は、日常生活・家庭生活を通して男親から引き継ぐものは少なかったわけです。唯一の心残りです。
 
そんな思いが心の片隅にあったからでしょうか。母親が90才近くなったある日、「長生きして皆に迷惑をかけてすいません……」ということを言いだした時に、すかさず、「父親を早くに亡くした子供達にとって、母親には父親の分まで長生きしてもらいたい気持ちが強いのだから……」と返事をしました。
 
母親の、心から納得がいった感じの、嬉しそうな表情が、なつかしく憶い出されます。
 
どんな行いよりも、この一言が、母親への最大の「親孝行」になったと、今でも信じています。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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