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不動産マーケットは、この10数年買い手市場だといわれています。たしかに、街の中には「売地」「売家」の看板が目立ちますし、2年経っても、5年経っても看板はそのままというケースも少なくありません。
米国のサブプライムローン関連の証券市場のように市場が成り立たない、値が付かないということではありませんが、売り値(売り主の希望価格)では買い手がなかなか現れないというのが不動産マーケットの実情です。正確にいえば、不動産にはもともと「市場」がないといわれています。あるのは市場ではなく「個別取引」「相対(アイタイ)取引」であり、実際の取引価格もオープンにはなっていません。国土交通省は、不動産取引の活性化、透明化を促すために、取引価格の公開を目ざしていますが、個人情報保護という厚いカベを前にして、なかなか進まないのが実態です。
私の本業である不動産鑑定業界では、40年余りにわたって取引の当事者である売り主、買い主双方に取引価格や取引の事情について文書による照会を実施し、その回答を基にして「取引事例カード」を作成・保存してきました。これを有力なデータとして「公示地価格」や「基準地価格」が決められるわけです。しかし、これらのデータも原則非公開であり、ナマの情報としてオープンになることはありません。不動産の流通業界近代化のためには「開かれた市場」「市場の透明化」が叫ばれて久しいのですが、その歩みは遅々としています。世の中一般では、インターネットの普及により、情報のオープン化、無料化が進んでいるのに、不動産の取引価格情報だけは「非公開」というのも何か変な感じです。チラシ広告やホームページで公開されているのは、あくまでも売り希望価格であり、実際の取引価格とはかなりの差があるケースが少なくありません。
戦後、長く続いた不動産の右肩上がりの時代は昭和と共に終わり、この20年近くはダラダラと下り続ける時代が続いています。マーケットの主導権、価格決定権は買い側が握っている、つまり買い手市場だといえます。しかし、大きな流れとしては買い手市場だといっても、個別、具体的な取引の場では希望条件に合致する、誰もが欲しがる「優良物件」は競争相手も現れ易く、価格も含めて決断力が求められる場合が多いわけです。「決断力」が求められる場面で、本当に信頼できる相談相手になれる会社、営業マンを目ざして、社員一同努力を続けていくことをお約束します。
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不動産の鑑定評価の仕事に関わって40年近くになります。その間に、福島県内を中心にして約3,000件の鑑定評価書を作成したことになります。少し専門的な解説になりますが、不動産は三つの手法で評価することが「原則」とされています。
第一は、類似の物件(土地や建物)がいくらの値段で実際に取引されたかを調査して算定する取引事例比較法です。
第二は、その物件を新たに作り出すにはどのくらいの費用を必要とするかを算定する原価法です。土地の場合でいえば、山林・原野を造成し、道路を付け、水道・ガス・下水の配管を設置する費用を積み上げて算定します。建物の場合は、類似の建物の建築費(原価)から現在の価値を算定する手法です。
第三は、その物件が生み出す利益・収益から物件そのものの価格を算出する収益還元法といわれる手法です。例えば、年間84万円(月額7万円)の家賃収入のある中古マンションの一室は、84万円÷12%=700万円と算定をする手法です。ポイントは月額7万円の家賃の安定性・継続性の判断、12%の還元利回りを高いとみるか低いとみるかの判断です。
12%という数字は建物の減価償却費や税金、管理費などを控除する前の収益(粗利益)に対する利回りですから、ネットでは7%ぐらいです。0%に近い定期預金の金利と比べて高いとみるか、30年~40年後にはスラム化して家賃収入はゼロになり、解体費用を考えるとマイナスの価値になる危険性を考慮すれば利回りはもっと高くなければ・・・と考えるかは投資家としての判断です。
これらの三つの手法を適用して不動産の鑑定評価を行えば、大きな間違いをしないでほぼ妥当な価格を算定できるとされています。
さて、今回のメインテーマである人物評価、人物鑑定に話を戻します。人間を永くやっていると様々な人と出会います。若い時から人の好き嫌いははっきりしているほうでしたが、最近は特にその傾向が強くなった気がします。個人的な好き嫌いは別にして、人物評価にも三つの手法・モノサシがあります。
第一は志の高さです。経済力や経験、学歴はなくても高い志さえあれば、その人は評価に値する人間ではないでしょうか。
第二は人間としてどれだけの幅をもてるかです。目先の利害や損得に追い立てられ、世の中や世界を広く見ることが難しくなっている時代にあって、包容力、受容力の大きさは、得難いキャラクターの一つです。
第三は、奥行きの深さというモノサシです。学歴や職歴ではなく、世の中や物事とどれだけ深く関わって生きてきたか、どれだけ真剣に人や仕事、学問に対処してきたかが問われることになります。この能力は本人の心構え一つで人生経験を重ねると共に伸ばし、研ぐことができるものではないでしょうか。この三つの評価手法・モノサシはなんのことはない、小学校低学年の算数で習う立方体の体積計算法と全く同じです。底辺X奥行X高さ=体積という計算式を人物評価に応用したものです。
ところで、「三高」という言葉が昔いわれたことがありました。女性からみて理想的な結婚相手の三条件というぐらいの意味だったでしょうか。
第一に背が高いこと、第二に学歴が高いこと、第三は収入が高いこと、という三つの高さを基準に男性を評価するということだったようです。最近は「三高」という言葉があまり聞かれなくなりました。個人的には大変良いことだと考えています。山あり、谷ありの長い道のりを共に歩むのですから、外見や目先の「三高」などのモノサシで道づれを選ぶのには賛成しかねるからです。
長い道のりを共に過ごすという意味では、住宅選び、物件選びも同じではないでしょうか。我が家に戻るとほっとする、心が安らぐ、リフレッシュできる、そんな条件を満たす物件選びのお手伝いを心がけています。
物件購入を決めるにはかなりの決断力が必要です。賃貸の場は、一定の期間だけ住む、嫌なら引っ越せばよいわけで、ある程度気楽に考えられますが、売買ではそういうわけにはいきません。一生のうち、一度か二度の高額な買い物です。物件探しを始めてみると分かることですが、数は多くあると感じるのですが、自分の希望条件に合う物件はほんの一部です。希望に合いそうな物件かなと思って、現地で確かめてみると何かピタっとしないケースが多いのではないでしょうか。
「何かピタっとしない」この感じは大切です。一生住み続けることを前提に物件選びをするわけですから、ピタっとする、ビビっとくる物件に出会えるまで探し続けることは大切な要素です。問題は、価格、予算ではないでしょうか。理想とする土地を探し出し、夢を満載した家を建てようとするとたちまち予算はオーバーしてしまいます。年収の4倍までという経験則はやはり大切です。特にこれからの時代は右肩上がりの経済は期待できないわけですから、背伸びは禁物です。以下は、価格、予算の問題は一応クリアーしたとして、話を進めます。
希望条件に合う物件は見つかった。予算の範囲内に納まりそうだ。しかし、何か引っかかるものがある。しかも、その「何か」がなんであるかよく分からない、そういう場面を多くの人が経験します。当然のことです。初めて体験する大きな買い物です。一生そこに住むことになるはずの買い物です。しかも、自分が気に入った物件は、他の人も気に入る確率が高いわけですから、早く決めないと買い損ないそうです。「決断力」が求められる場面です。長い人生のあいだには「決断」しなければならない場面も少なくありません。
病気との対決=難しい手術もその一つといえるでしょう。30年程前のことです。妻の母親(当時60才)が肝臓ガンの疑いで入院した時のことです。60才という年齢からいってリスクは高いが手術をするか、経過をみながら治療を続けるかの判断を担当医から求められました。妻と私は相談することもなく即答しました。「自分の母親が同じ立場に置かれたらどうしますか」と担当医に聞いたのです。担当医は少し考えたうえで「細心の注意をしながら経過をみます」「手術はしません」という答えでした。妻の母は90才を過ぎて今も元気に暮らしています。
病気への対応は命にかかわる問題です。不動産との対応はその人の生活に深くかかわるという意味ではやはり大きな問題です。そんな大きな問題にかかわる時、信頼して相談できる、買う人の立場に立って本当のアドバイスができる、そんな仕事をするために三年前に不動産事業部を開設しました。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
自己紹介:

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