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 不動産は「動かざる資産」という名のとおり、実物資産の代表といわれてきました。その特徴は、物理的には不動性、経済的には流動性が低い(簡単には売れない)ことが最大のデメリットとされてきました。その対極にあるのが、株式や債券、現金・預金などの金融資産であり、すぐに現金化できる(流動性が高い)ことが最大の特徴であり、メリットであるとされてきました。
 
 ところが、世界的な金融危機のなかで、サブプライムローン関連商品や国有化されたアイスランドの銀行が発行した債券が流動性を失う(市場が機能しなくなり、現金化できなくなり、最悪の場合無価値になる)ということが起きています。リターンの大きい金融資産、金融商品はリスクが大きいということを世の中の人々にあらためて教えてくれることになりました。
 
 今回の世界的な金融危機も、その始まりは米国の住宅バブルにあるとされており、その住宅バブルを煽ったのがサブプライムローンという「妖怪」だったようです。
 
 実物資産・実物経済と金融資産・金融経済の関係でいえば、本来は実物経済が頭であり金融経済は尻尾の関係であったはずのものが、ここ10数年のあいだに金融経済が異常に肥大化して、尻尾であったはずの金融経済が頭である実物経済を振り回す時代に入ったとされています。
 実物経済・実物資産の代表である土地や住宅などの不動産もその影響から逃げることはできないということです。
 
 考えてみれば、不動産は実物資産の代表格といわれていましたが、その売買、特に購入にはローン(融資)が付きものであり、金利の変動、価格の変動との関連も強く、正確にいえば金融的実物資産だったといえます。
 
 住宅ローンを組み、収入・所得のなかからローンの支払いを続け、場合によっては他人に貸したり、売却したりすることもあるという意味で不動産の金融的資産としての側面に十分配慮した行動が求められる時代になったことをあらためて考えさせられました。金融経済の世界では、豊富な情報・判断材料が決め手だとされています。返済にムリのないローン、年収との比較でムリのない購入価格、そんな物件探し、物件選びがますます重要になってきました。わが社も全力でサポートします。
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 わが国は、格差の小さい住みやすい国だと云われてきました。ところが、この10年来、経済的格差は拡大し、結果として、地域間格差、産業間・企業規模による格差、ひいては教育格差も拡大傾向にあると統計数字は示しています。
 その原因をすべて「小泉・竹中主導の構造改革」のせいだとする論調も一部にはあるようですが、あまり説得力が感じられません。
 
 世の中の動きを一回りも二回りも大きく見るならば、欧米日の先進国とBrics諸国との格差、南米やアフリカ諸国との大きな経済格差は、これから20年、30年という時間をかけて格差縮小に向かうとみることもできます。
 
 ニューヨーク発の「金融危機」はこのことを端的に示しているように思えます。しかも、国内にあっては二極化=格差拡大という厳しい情況がしばらく続くとみるべきではないでしょうか。それを、小泉構造改革のせいだとか、経済のグローバル化が悪いだのと云ってみてもなにも解決しません。世の中の流れをしっかりと見きわめたうえで、最悪の場合にも備えて対応策をとること以外にわれわれ庶民には打つ手がない、といってはあまりに酷でしょうか。
 
 選挙対策も考えてのことでしょうが、麻生総理は住宅ローン減税の拡大・強化を宣言しました。内需を拡大し、地方経済の活性化には一番効果的だし、これから住宅を取得しようとする人々にとっては大きな朗報であることはまちがいありません。
 
 しかし、比較的土地の安い福島でも、土地を買い建物を新築するとなると3,000万円近いローンを組むことになります。経済的に余裕のある人は別として、年間所得の5倍~6倍になるローン借入をすることは正直いっておすすめできません。若い世代の人々にとって子供の教育も大きな仕事です。特に格差が進むと予想される社会にあって、せめて教育だけは十分にその機会を与えてやりたいと思うのは当然のことです。
 ここで、住宅取得で無理をすると、子供の教育にお金が回らなくなることを恐れるのは、大きなお世話でしょうか。
 
 この春以来、若いカップルに築後15年前後、1,500万円程度の中古住宅を数件お世話しました。いずれのお客さまも土地を買い、建物を新築することも考えたようですが、3,000万近いローンを組むことの将来の負担を考えたうえで、気に入った(自己採点で90点)中古住宅を購入しました。正解だと思います。
 欠陥住宅、リフォーム詐欺、耐震偽装、「オトリ広告」・・・不動産業とその関連業界に対する風当たりはけっして良いとはいえない状況が続いていました。そこに「大不況」を予兆するかのような世界的な株式暴落と金融不安、不動産業界にとってはまちがいなく逆風です。
 
 今朝、笹谷の自宅に入った新聞折込チラシを見て、・・・アアやっぱり福島でも始まったかと思いました。穴吹工務店が今年6月に竣工した郊外型マンション「サーパス南矢野目」を13%余り値下げすると書かれていたからです。残り5戸となったこと、モデルルーム使用住戸だったことを理由にしていますが、3LDK(22.10坪)を旧価格2,280万円から300万円値下げの1,980万円にするという内容です。福島でも、いよいよ新築マンションの値引競争が本格化したことを思い知らされるチラシです。
 
 当社が不動産事業部を開設して、売買仲介、賃貸仲介を始めてからこの10月で丁度3年6ヶ月となります。決して「順風満帆」ではなく、むしろ強い向かい風の中での船出だったと振り返っています。たとえ風は向かい風だとしても、一度決めた目標であるならば、思い切って船を出そう、そんな思いでの船出でした。
「嵐は樹木を強くする」「風雪は人を磨く」
こんな言葉で自分自身を励ましながらなんとか航海を続けています。
 
 逆風の中の航海から多くのことを学びました。その一つは、業界が今、大きな変化の真っ最中であるということです。インターネットがこれだけ普及し、物件情報だけでなく、業界事情や不動産についての知識・情報が誰にでも、容易に入手できる時代になったということです。業界としての対応は、はたして十分といえるでしょうか。
 
 学んだことの二つ目は、不動産業界にはまだまだ改善すべき課題が多く残されているということです。インターネットの活用でお客さまと不動産業者の「情報格差」はたしかに少なくなりました。情報量という面では、インターネット利用のお客さまの方が優位に立っている場面も多くみられます。しかし、「情報の質」「情報や取引の透明性」という面ではまだまだ課題が少なくありません。
 
 考えようによっては、解決すべき問題が多い程、仕事のしがいがある、成果を出せるということではないでしょうか。暴風雨を予兆するような「経済天気図」ですが、お客さまの立場・利益に徹し、お客さまの一番身近にいるというビジネスモデルで仕事を続けていけば必ず乗り切れると信じています。
 
 今日は、亡き母の11年目の命日です。これから相馬まで墓参りに行き、「近況報告」をしてきます。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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