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口も八丁手も八丁、口先男、口は禍の門、……口にまつわる格言は少なくありません。
口は身体の一部、器官としてみれば、飲食・発声の機能を受け持つ部位ですが、社会的な動物として人間をみた場合、言語を発する重要な器官と位置付けられます。
口は禍の門、禍のモトとよく言われますが、これは、別な見方をすれば、狭い「ムラ社会」レベルでの「処世訓」「真理」を表しているのではないでしょうか。
本当のことを言う、本音を語れば、摩擦が生じ、トラブルになった時代、ムラ社会を反映した「格言」でしょう。
今はグローバルの時代、ネット社会です。そんな時代の口の「効用」について、情報発信という切り口で考えてみました。
口による発声機能と言語機能だけで情報を伝えることのできる範囲は限られたものです。せいぜい、家庭内の会話、井戸端会議、ムラの寄り合いなど半径50m程度でしょうか。
文章や絵図を使うことで、情報伝達の範囲は広がりました。飛脚を使えば、京、大阪に便りを出すこともできたし、瓦版で江戸中にニュースを伝えることも、洞穴に壁画を描くことで数万年後まで生活ぶりを伝えるメッセージを残すことができたわけです。
個人的なことでいえば、インターネットを使い始めたのは10数年前です。個人レベルの情報発信手段としてホームページを開設し「地価・インフレ情報発信館」などという刺激的なネーミングだったせいか、少なからぬ反響・反応がありました。
情報受信・収集という面では、大いに利用し、お世話になりました。初期のYahooのテーマ別検索(図書館で文献を調べる方式に似た方式)も、当時としては画期的であり、大いに活用しました。その都度電話回線に接続し、回線使用料は安くなかったと記憶しています。
Googleが検索エンジンをインターネットの世界に持ち込み、回線利用料も定額制(使いホーダイ)になって、インターネットの世界は根本から変わったと感じました。
正確に言えば、インターネットが世界を根底から変えた(変えつつある)と実感しています。
インターネットのおかげで、地球の裏側にもリアルタイムで、しかも低費用で、24時間、情報発信・伝達ができるのです。夢のような世界ではないでしょうか。
誤解を恐れずに言えば、口が主な情報伝達の手段だった時代は、口は禍の門となることも考慮すべきだったでしょう。ツイッター、チャット、メール、ホームページと口(情報伝達の手法)が多様化したこの時代、口こそが元気のモト、だと言っては言い過ぎでしょうか。
時代が大きく変わろうとしている時、試行錯誤を恐れ、誤解を恐れて、行動や言動を小さく自己規制するのは「正解」だとは思えません。
口は元気のモト、大いに発信しようではありませんか。
「虎の尾を踏む」、「虎の威を借りる…」など虎は強いものの代表として表現されることが多い動物です。
先日、民放テレビの記者Kさんが、転勤のあいさつに訪ねてきました。4年前の「県政汚職事件」の際に大活躍した女性記者です。
「木戸ダム」の本体工事を請け負った前田建設とその下請業者水谷建設が、佐藤栄佐久知事が筆頭株主であり、実弟が経営する三東スーツの「本社・工場」を「時価」より数億円も高く買い取ってもらったのではないかという「贈収賄事件」です。
捜査は、知事周辺の関係者からゼネコン関連まで広範囲にわたり、国税の捜査官も含めて400名に近い「大部隊」で行われ、マスコミも大々的に報道しました。
実質的に知事が所有する会社、実弟が経営する会社に関する事件であり、知事自身がダム工事の発注者なのですから、県民の関心、マスコミの関心は、知事がどう対応するかに集まりました。
知事の公式発言は、工事発注には一切関与していないし、会社の経営にも全く関わっていない。水谷建設が時価よりも高く買い取ったと云われているが、「誰も損をしていない普通の土地取引だ」といった素っ気ないものでした。
自分は「全く触っていない」、「弟の会社のことなので弟に聞いてくれ」といった対応だったようです。
その弟さんは雲隠れして、マスコミの前に現れません。報道各社の記者達も、在職18年の威力ある知事の前では、それ以上質問し追求することには「勇気」が必要だったようです。
そんな時、正義感と勇気に溢れた女性記者Kさんは質問をしたそうです。「弟の会社のことは弟に聞いて下さい、とのことですが…、弟さんが所在不明で聞く方法がないのです。知事は県民が納得できるような説明をする義務があるのではないでしょうか?」と。
知事は激怒したと聞きました。隣の席にいた副知事がなんとか抑えて、引きずるようにして栄佐久知事が記者会見の場から退席したと、他社の記者から聞きました。
虎のような権勢を誇った現職知事に対して、臆することなく質したK記者の勇気に感ずるものがありました。
そういえば、彼女は「ならぬことは、ならぬものです」という什の掟が、今にして生きている会津の出身です。
死んだ虎なら誰でも打てる。「生きている虎に立ち向かう勇気を持ったKさんと友人であることを誇りに思います」という言葉を「はなむけ」として贈りました。
Kさん、本社での一層のご活躍を期待しています。特に、いま、政権与党には、猛虎が幅をきかせているようです。
Kさんを含むマスメディアの虎退治、多くの国民が期待しています。