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FRK(不動産流通経営協会)が先ごろ発表した2010年の既存住宅(中古住宅)流通戸数が、50万2,000戸(前年比4万2,000戸増)となりました。
新築住宅着工数が81万3,000戸(前年比2万5,000戸増)で、既存住宅流通比率は38.2%(前年比1.4ポイント増)となったわけです。
米国では中古住宅の流通比率が90%を超えているわけですから、わが国の中古比率も2020年頃には50%を超えるのは確実でしょう。
中古住宅の流通比率が50%を超えれば、日本の不動産流通業・売買仲介業も本格的な変革の時代を迎えることになりそうです。
変革の第一点は、ホームインスペクション(住宅性能検査)の充実です。
耐震強度の検査・白アリ検査。床下検査・水まわりのチェック等はプロの検査が一般化するものと予想されます。
第二点は、地盤の強度・浸水リスクなどの土地に対する安全性のチェックもより厳しいものが求められることになりそうです。
今回の東日本巨大地震で、都市の地盤の強さ、地震に対する地盤強度の違いが明らかになりました。
福島市に限っていえば、日本の都市の中で地震に対する強さ(リスクの小ささ)は日本で一番です。(http://takakan.blog.shinobi.jp/Category/5/)
「雨降って地固まる」という言葉がありますが、福島市の場合、今回の地震で「地、ゆれて(震れて)評価高まる」ということではないでしょうか。
県北地方の二本松市や伊達市、国見町が震度6強であったのに、福島市は震度5強でした。被害の程度にも大きな違いがあります。
他人の不幸を云々するわけではありませんが、巨大地震の際の震度1の差は想像以上に大きなものでした。
福島市は、地震に対する安全性をもっとアピールしても良いのではないでしょうか。
しっかりした福島市の地盤の上に建つ、しっかりした中古住宅の流通が一層拡大するよう、スタッフ一同努力いたします。
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先週、出身地である相馬市を震災後初めて訪れました。
空家になっている姉の家や3ヶ所の墓地がどうなっているか気にはなっていたのですが、ガソリン不足もようやく解消し、泊まりがけで出かけました。
先祖代々の墓地は墓石が直接土から立ち上がっているためか、少し傾いた程度です。
他の2ヶ所の墓は三段重ね、四段重ねのせいでしょうか、総て倒れていました。
相馬市は震度6強、福島市は震度5強でしたから、震度が1違っただけで被害の差は大きいものがあると実感しました。
海岸寄りの津波の被災地は悲惨でした。巨大津波が根こそぎ破壊し、奪っていく恐ろしさを目のあたりにして、言葉を失いました。
相馬市と南相馬市の海岸沿いの被災地を廻りながら、あらためて、土地は生活の基盤だということを思い知らされました。
地盤沈下の対策も含めて、被災した土地はこれからどうなるのかが気懸かりです。
数百年に一度だとしても、巨大津波におそわれる危険性のある土地で人間が生活をすることは、そもそも間違いなのではないかと、つくづく思いました。
福島原発の放射性物質流出の影響も深刻です。このまま流出が続けば、周辺地域は人の住めない土地になってしまう可能性が大です。
人の住めない土地が、日本の中に出現することなどは、それこそ、想定外のことです。
人が住めないだけでなく、周辺にリスクを撒き散らす土地は、どう評価すべきなのでしょうか。
存在するだけで周辺に害を及ぼす土地は、マイナスの価値しかありません。
マイナスの価値しかない土地は、マイナス500円/㎡とかマイナス5,000円/㎡ということになるのでしょうか。
このマイナス分は、東京電力なり政府が、周辺住民に毎年払い続けるということになるのでしょうか。
不動産鑑定評価の世界にも「想定外」のことが起こりつつあります。
仕事が早めに終わったので、会津虚空蔵尊に立ち寄りました。
ご存知の方も多いと思いますが、只見川が大きく蛇行する急傾斜地に建っていて、「裸祭り」で有名な寺院です。
本堂の内側は撮影禁止なので、写真をお見せすることができないのが残念です。
小学生の頃でしょうか。母親が柳津虚空蔵尊をお参りした時の話を何度か聞かされました。
寅年生まれの人の守り神なので「雄ちゃん」のことをよくお願いしてきましたよ……、といった話です。
それに加えて、柳津虚空蔵尊には「うなぎ」にまつわる伝説が多くあるようです。
その一つが、「うなぎ」が願い事をご本尊へ届ける役目をしているという言い伝えです。
お寺の住職をはじめ、その家族や周辺の住民もうなぎを食べないとのことです。
相馬で暮らしていた頃、たまに「うなぎ」を焼いて食べる時にその話を思い出して、少しうしろめたさを感じながら食べたことを、なつかしく憶い出しました。
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