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 世の中の変化が激しくなり、どんな方向に進むのかも見えにくくなっています。
 
 そんな時代に求められるのは、自分の立ち位置を確かめ、周りの状況や競争相手を見つめ直すことではないでしょうか。
 
 「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」(孫子)
 
兵法家の孫子の言う「敵」とは、文字通りの敵という意味ですが、平和な時代、ビジネスの世界での「敵」とは、仕事の相手側や競争相手、その周辺事情ということでしょうか。
 
 これは昔から戦略の要諦とされていますが、実は、己を知ることだけでも大変なことなのに、事情や状況のよく分からない敵、つまり相手側のことを知るということは至難のことです。
 
 この難しい課題の解決策の一つとして、「反対側から見る訓練」が有効だとされています。つまり、将棋盤に喩えて言えば、その将棋盤を180度回転させ、相手の立場から盤面を見る訓練をすることが効果的だということです。
 
 分かりやすく言えば、相手の立場に立って物事を考えてみる。自分の反対側=相手側からの戦略を考えるということでしょうか。
 
 この考え方を不動産仲介業に即していえばどうなるでしょう。自社の反対側・相手側にいるのはお客様と同業他社ということでしょう。
 
 まず、お客様の立場に立って物事を考えることの難しさについてです。
 
 お客様の立場・利益と仲介会社の立場・(短期的)利益は当然違います。
 
 お客様は本当に満足できる物件を妥当な価格(できるだけ安価に)で、安心・安全に取得したい立場です。
 
 仲介業者は、なるべく早く、できるならば現地案内したその物件で、お客様が決めて欲しいという立場なことはまちがいありません。
 
 子供の学区のこと、ローンのこと、通勤・通学・日常生活の利便性、納得いくまで時間をかけて調べた上で決めたいというお客様の立場を理解して、時間をかけてサポートする仲介業者は、まだまだ「少数派」です。
 
 ところが、インターネットとホームページを活用することで、「少数派」が多数派・主流派になる道が拓けてきました。
 
多額の宣伝広告費を使わなくとも、ネットとサイトのフル活用で、多くの物件情報を発信し、多くのお客様からの問い合わせや来店・現地案内が実現できるようになったのです。
 
見込客(物件を探しているお客様を意味する業界用語)のデータベースを整備し、お客様の希望に合致する物件情報をメールでお届けすることで、経費節減が可能となり、お客様の都合を考えない「追客」(しつこい電話営業や自宅訪問)と無縁な会社経営が可能な時代になったのです。
 
ところが、広告宣伝=物件情報の発信をインターネット・ホームページだけに絞り込み、チラシ広告や地域情報誌への広告掲載をきっぱりと止めてしまう仲介業者はまだまだ多数派とはいえません。
 
インターネット時代になったにもかかわらず、多大な広告費をかけてチラシ広告を全戸配布するこの矛盾した行動、時代の流れに逆行した経営戦略を採用する会社の未来はどうなるのでしょうか。
 
広告に費やす多大な経費が経営を圧迫し、お客様の都合により自社都合、しつこい営業、不誠実な営業に陥り易くなるのは火を見るより明らかです。
 
加えて、福島原発の影響で市内の土地取引は停滞しています。
 
こんな時こそ、経営戦略の原点に立ち帰り、お客様の立場・利益を十分に理解し、お客様の最も身近にいる仲介業者としての姿勢を貫くことが求められているのではないでしょうか。
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 「実業」、「実務」の正反対の意味で「虚業」、「水商売」という言葉が使われます。
 
 自分で言うのも何ですが、不動産仲介業は、どうしても、「虚業」に近いイメージでとらえられていることが多いようです。
 
 「虚」、つまり、「実」がないということでしょうか。
 
 実業の代表的な例としては、農業・工業・商業・水産業など、商品や原料の生産・売買に関わる仕事をあげることができます。
 
 虚業の定義は、投機的で堅実でない事業、大衆を騙す、うさんくさい事業とされています。
 
 不動産事業部を開設し、売買仲介・賃貸仲介の仕事を始めてから、この6月で丁度6年になりました。
 
 不動産鑑定事務所という堅い(?)会社が始めた仲介ビジネスということで、お客様からは好意的に受けとめてもらえました。
 
 チラシ広告を一切利用しないで、ホームページと口コミだけで仕事をしていますが、おかげさまで、最近は、物件売却の相談・依頼が多くなっています。
 
 市内の土地や建物を売却したいという相談です。県外に住む人が、当社のホームページを見て、相談するならこの会社、売却・査定依頼をするならこの人にと決めた上で、メールや電話をいただくケースが大部分です。
 
 「当社のホームページをよく見ています」、「コラムやフロンティアノートも読みました」、「信頼できる会社だと思えたので電話しました」とお客様から言われると、言葉では表現できないほどの嬉しさ、充実感をおぼえます。
 
 不動産仲介業という、玉石混交・虚実の綯い交ぜる世界にあえて飛び込んだのも、世のため人のためにいささかでも役に立つ仕事をしてみたいという思いからでした。
 
 多額の広告費を使わなくとも、ホームページで物件情報をしっかりと発信し、会社の仕事に対する姿勢・理念をお客様に伝えることができれば、世の中の人からは必ず理解していただけると信じてやってきた6年間でした。
 
 この世の中から、不動産を売りたい人・貸したい人、物件を買いたい人・借りたい人がいなくならないかぎり、不動産仲介業は「必要不可欠」な仕事です。
 
 世の中にとって必要不可欠な仕事は、「実業」といえるのではないでしょうか。
 
 たしかに、この業界の一部には、お客様の無知に乗じて「急がせたり」「煽ったり」「騙したり」する人もまだ残っているようです。
 
 でも、時代は変わったのです。インターネットで調べれば、虚業のようなやり方で仲介業を行っている業者の「手口」などは、それほど難しくなく判明する時代になったのです。
 
 逆の見方をすれば、インターネットは不動産仲介業を「虚業」の世界から実業の世界へ大転換させた業界にとっての「大功労者」ということになります。
 
 この大功労者であるインターネットをフルに活用し、「お客様の役に立つ」という起業の原点に戻って、7年目の今年もがんばります。
不動産を売買する場合、金額も高額であり、売り主も買い主も一生に一度というケースが多いので、契約は文書で取り交わし、細かい点まで契約書には書き込むことになっています。
 
しかし、文書を交わしただけではただの約束であり、不安が残ります。売り主も買い主も、途中で気が変わったり、特別な事情が生じたりする場合があるからです。
 
約束したこと(契約内容)をしっかりと守りますという意味を込めて、「手付け金」を買い主から売り主へ契約時に支払うわけです。
 
手付け金は売買代金の1割から2割程度のケースが大部分です。
 
買い主は、途中で気が変わったり、他にもっと良い物件が見つかったような場合、手付け金を放棄すれば、契約を解除することができます。
 
売り主の側が気が変わったり、他にもっと高く買ってくれる人を見つけた場合、手付け金の倍額を買い主に返せば、契約は解除できます。このことを業界用語で「手付け倍返し」というわけです。
 
3年ほ度前です。蓬莱団地に住む人から相談を受けました。今住んでいる場所から近いし、価格も安いと思ったので、1,200万円の物件に50万円の手付金を払って、売買契約を結んだが、10日後に、手付け金を返して契約を解除するとの通知を受けたとのことです。
 
よくよく話を聞いてみると、1,500万円で買う人が出てきたので、手付け倍返しで100万円を返しても(実質50万円の持ち出し)、300万円高く売る方が得だとの事情があったようです。
 
相談に来た方は、気に入った物件だったので大変残念がっていました。
 
この事情から分かることは、安いと思った物件、気に入った物件は、少々無理をしても、手付け金を2割ぐらいまで支払った方が安心だということです。
 
売り主も、2割の手付け金を受け取れば、浮気をしないはずです。
 
買い主も、万一、解約になっても2割もの金額がただ同然で手にはいるのですから、損な話ではありません。
 
「手付け金」については、思い出すのもつらい憶い出があります。
 
英国留学から戻り、福島で教職を得たKさんが旧市内の土地を奥様の名義で購入しました。
 
神戸に住む父親が、娘さんのために土地代金を支払い、夫であるKさんが家を建てるプランでした。
 
当社とは20年来の付き合いのある開発分譲業者の分譲地で、価格は2,500万円、手付け金は250万円で、当社が仲介をしました。
 
ところが、残金決済・引き渡しを目前にして、Kさんが急死したのです。
 
Kさんの急死を知って、売り主である分譲業者をすぐに訪ねました。
 
法律的には、契約は有効であり、亡くなったKさんの奥様が、契約書通りに、売買契約を進めるか、手付け金を放棄して解除するかのいずれかになるわけです。
 
しかし、開発・分譲業者(株式会社ベルウッド)の鈴木社長は立派でした。
「手付け金は全額返済します」、「契約はなかったことにします」と即座に決めました。
 
 こんな時、売り主や不動産仲介業者がどんな対応をすれば良いのか、どんな対応をする人や会社が多いのかは、今でもわかりません。
 
 多分、同じように手付け金は全額返し、淡々と契約解除に応じる会社が多いと信じたいです。
 
 少なくとも、(株)ベルウッドの鈴木社長と私は、人間として恥ずかしくない対応ができたと誇りに思っています。
 
 丁度3年前の、梅雨時のつらい憶い出です。
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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