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昨日、福島市の中心部の借地の上に建っている住宅を所有する方から相談を受けました。
 
 60坪余りの土地を戦前から借地しているのですが、建物も古くなったし、住む人も高齢者の一人住まいなので、何とかしなければとの相談でした。
 
 地代は年額50万円余りということで、決して安くはありません、経済的負担も小さくないとのことです。
 
 話し合いが進むうちに、何か、話が噛み合いません……。
 
 相談にこられた方は、借地人は建物を解体撤去し、更地にして、地主様に無償で返さなければならないと思い込んでいたのです。
 
 福島市の中心部の場合、「借地権」の価格は更地価格の4割~5割程度はすると説明すると、ビックリした表情をされました。
 
 わが国の借地法・借家法は、借り手の立場を強く保護しており、「借地権」というのは、立派な高価な価値のあるものですとの説明を聞いて、すっかり明るい表情になり、家族とよく話し合って、また来ますとのことでした。
 
 不動産に日常的に係わっている者や金融関係の人にとっては借地権に価格があることは「常識」ですが、永く借地をしている当事者にとっては、あまり知られていないケースもあるのだと、一つ勉強になりました。
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 土地や建物の売買をお世話する仲介業者に対する世間の目には厳しいものがあります。
 
 特に中古住宅の取引の場合、売り主(持ち主)は建物の良いところも、悪い面もよーく分かっているわけです。
 
 買い希望者は、はたして本当に良い物件なのか、値段は適正なのか、大いに迷うわけです。
 
 こんな場合、間に入った仲介業者はどう対応すれば良いのでしょうか。
 
 土地が毎年値上がりする時代、売り手市場だった頃ならば、少々問題のある物件でも、何年かすれば、物件のキズは価値が癒やしてくれました。しかし、買い主の心のキズは癒やせません。永く残ります。
 
 そんな時代が永く続いた後、不動産価格の下落の時代が始まりました。時代は、買い手主導、買い手市場に根本から変わったのです。
 
 加えて、インターネットで調べれば、どの仲介業者がお客様本位で良心的な仕事をする業者であるかが分かる時代になったのです。
 
 物件選びだけでなく、業者選びもインターネット・ホームページは可能にしました。
 
 ブログやコラムを通して、経営者やスタッフが積極的に企業理念や仕事に対する姿勢をお客様に伝えることが可能になったし、お客様もある程度の時間をかければ見分けることができるようになったのです。
 
 従来の、仲介業者に対するマイナスイメージを解消し、本当の良い仕事をする業者か否かをお客様に見分けてもらうことができるようになったという意味では新しい時代が始まったわけです。
 
 中古住宅は玉石混淆、仲介業者もピンからキリまでの時代を早く終わらせ、お客様が安心して中古物件を売ったり、買ったりできるようにするのが仲介業者の仕事のはずです。
 
 逆選択=お客様の業者離れ、業者見限りをいち早く対応し、お客様に選んでいただける仲介業者になることが、今、求められているのではないでしょうか。
 不動産に係る仕事を40年近くやってきましたが、ポケット・リスティングという言葉を初めて知りました。
 
 もちろん英語です。米国の不動産業界では、売り主から依頼された業者は、物件情報をMLS(Multi Listing Service)という業界内の公開欄(リスト)に掲載することを義務づけられています。
 
 この義務に違反すると、最初は罰金、度重なると免許取り上げになるそうです。
 
 マルチ(Multi)=大多数の、リスティング(Listing)=物件情報リスト、サービス(Service)=提供する、ことが業界にとっても、一般市民にとっても利益になるという考え方です。
 
 米国の不動産仲介業界も決して善人ばかりで成り立っているわけではないようです。
 
 売り主から売却を依頼された物件の情報をポケットに仕舞い込んで、オープンにしない行為をポケット・リスティングと表現するようです。(つい最近初めて知りました。)
 
 ポケットに入れた物件情報を自社あるいは自分のお客様だけに提供し、手数料を2倍稼ごうという魂胆からです。
 
 米国では、大部分の州で両手数料(売り主と買い主の両方を同じ会社が仲介すること)を禁じています。両手数料が禁止となれば、物件情報をポケットに入れる(情報を囲い込む)必要もメリットも無くなるわけですから、今ではポケット・リスティングという言葉も死語になっているようです。
 
 残念ながら、わが国では、ポケット・リスティング(物件情報の囲い込み)は、まだまだ盛んに行われています。
 
 特に大手業者は、日常的に行っているようです。レインズ(日本の物件情報公開システム)には一応載せるわけですが、他の業者が問い合わせをすると、「商談中」とか「申込中」とかいって、紹介(仲介)を断るわけです。
 
 同じ物件を買い希望のお客様が問い合わせをすると、もみ手をしながら、「今すぐご案内します」などと対応するようです。
 
 結果として、売り主にとっても、買い主にとっても利益にならず、あわよくば自社だけが2倍の手数料を稼ごうという姿勢の仲介業者に未来があるとは思えません。
 
 
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プロフィール
HN:
高橋雄三
性別:
男性
職業:
不動産鑑定士
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