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 年金危機が叫ばれて久しいものがあります。少子化・高齢化が進めば、受給資格者が増える一方、掛け金の支払者が減少するわけですから、年金制度の維持が難しくなることは誰にでもわかることです。加えて社会保険庁関係者の全くの無責任な運用と問題発覚後の対応に批判が高まり、国民年金はその存続すら危ぶまれています。
 
 云うまでもないことですが、年金制度とは老後の生活資金あるいは事故などで働けなくなった場合の生活資金を、加入者全員が超長期の時間軸の中で支え合う制度です。年金制度を維持する上で、働く若者の絶対数が減るだけでも問題なのに、若者の年金加入率も減り、パート・アルバイト・派遣では、掛け金は払いたくても払えないのが実態なのではないでしょうか。
 
 当局は、消費税をヨーロッパ並みに15%~20%に時間をかけて引き上げることで解決したいと考えているようです。計画通り消費税の引き上げが実現したとしても、国民1人当たりの年金受給額は現行水準を維持するのがやっとのレベルです。
 
 公的年金の不足分を補うものとして「企業年金」がありますが、これは一部大企業か個別業種団体に限られており、その財務内容も昨今の経済危機、世界不況の中で不透明なものになっています。
 
 米自動車産業のビッグ3が生き残れるか否かが大問題となっています。車の販売台数の急激な減少が問題表面化の直接的な原因ですが、真の問題点は退職者に対する「手厚すぎる」企業年金や医療保障制度にあることは識者が前々から指摘していたことです。
 
 厳しいことを云うようですが、GMなどが企業として存続できるか否かは、米当局とGMの経営陣が、GMの従業員と全米自動車労組の幹部に対して文字通り「生命を賭けた」説得で、退職者の企業年金や医療保障の水準を企業が存続できる水準まで落とせるかどうかにかかっています。
 
 話を日本に戻しましょう。我が国の公的年金制度が危険水域に入ったことはまちがいありません。当局が時間をかけて国民を説得して消費税の引き上げに成功したとしても、その給付水準は現行維持、つまり国民年金は5万円台、厚生年金は15万円台の後半ぐらいが財政上の限界のようです。
 
 年金の将来不安への対応策として、ワンルーム・マンション等を取得し、家賃収入を年金の個人版として活用するという手法が20年前の不動産バブルの頃に盛んでした。当初は、借入金の支払利息と建物の減価償却費を個人取得の経費として計上することで、節税効果を目的とし、将来的には個人年金として「安定収入」が得られるというのがセールストークでした。しかし、1Rマンション投資は1,500万円で買ったマンション価格が600万円程度に暴落することで「大失敗」に終わったことは、皆さまご存じのとおりです。
 
 最近また1R新築マンションや中古マンションに対する「投資話」が復活しつつあります。手元に新聞広告やインターネット広告の資料や解説記事が10数点あります。いずれも良いことづくしの広告や「解説」ばかりです。1Rなどの投資マンションの問題点は三つあります。
 
 一つは2%程度の変動金利でのローンを前提にしていることです。この15年、超低金利が続いたからといって、これからも超低金利が続く保証はどこにもありません。変動金利、超低金利を前提にした収支計算は「サギ話」と同じです。
 
 二つ目は家賃収入の将来性です。大学進学率の向上や各種専門学校への進学が一般化した現在、首都圏や大都市圏では1Rや1Kが満室で高家賃が続いているようです。しかし、今後少子化が一層進み、所得の二極化が進んだ場合、1Rや1Kの高家賃に納得し、満足して住む人がはたしてどれだけいるのでしょうか。はなはだ疑問です。
 
 三つ目は新築の1Rや1Kマンションの分譲価格が高すぎることです。ファミリータイプの新築マンションの坪単価と比べても明らかに割高です。築後10年程度の中古マンションとの比較でも価格差は2倍~3倍の開きがあります。地価下落に伴う中古マンション価格の下落という事情を考慮しても明らかに高すぎます。
 
 年金の個人版として投資用マンションや収益不動産の取得を真剣に検討しているお客さまが、最近確実に増えていることを仕事を通して実感しています。1月20日現在で638名のお客さまに希望条件登録をいただいておりますが、そのうち30余名のお客さまは、自分が住むのではなく、家賃収入を目的とした収益不動産の購入を希望しておられます。なかには、表面利回り30%以上の物件をじっくり探している不動産投資のプロ(見習い?)のお客さまもいますが、大部分はネット利回り(家賃収入-税金・管理費・減価償却)8%程度で、価格も400万円~700万円台の物件を探しているようです。
 
 老後の生活資金あるいは介護費用に備えて安定した家賃収入の見込める収益不動産を購入しようとするお客さまは今後も確実に増えていくことでしょう。福島市内で将来にわたり安定した家賃収入の期待できるいわば「年金適格収益不動産」といえる物件もかなり出回っています。
ファミリータイプの500万円台の中古マンション、あるいは築年数は古いが、しっかりした700万円~900万円台の戸建住宅の貸家への転用等は、工夫しだいで、年金の個人版は十分に可能です。
 
コラムでも何回かご紹介しましたが、福島市の南東部W地区の140坪の敷地の上に建つ築後40年の40坪の建物が600万円で購入できます。家賃は7万円/月を見込める物件です。90才を超えたご夫妻が今は3ヶ月のショートステイで施設に入っていますが、3月には自宅に戻る予定です。ご夫妻が天寿を全うするまでは5万円/月の家賃を5年分前払いし、住み続けるという条件付のために、格安の価格になっているわけです。現状・空家渡しであれば、土地代だけ(10万円/坪×140坪)1,400万円の価値のある物件です。
ご夫婦にとっては600万円のリバースモゲージであり、購入者にとっては600万円の掛金で5年後からは毎月7万円の家賃収入の見込める個人年金となるわけです。
 
これはほんの一例ですが、戸建住宅の貸家への転用、立地条件と管理状態の良い収益用中古マンションの活用など「収益物件で個人年金を創る」ことは今後の業界の課題の一つになると考えています。当社でも「個人年金」をテーマにした欄をホームページに近々開設する予定です。ご期待下さい。
 
 
 
 
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 住宅を購入する場合、二つの要因・動機が大きく作用するといわれています。一つは「外部要因」といわれるものです。つまり、これから土地が値上がりしそうだ、あるいは建築資材が上がりそうだという市況の場合、人々の背中を押す作用として働く要因です。
 
 昨今の市況は、土地も建築資材も不況の影響で値下がり傾向を強めています。これは「外部要因」としては住宅購入のブレーキの役目を果たすことになります。しかも、このブレーキ状態はしばらく続きそうです。
 
もう一つの要因が「内部要因」です。これは「子供部屋がほしい」「子供の学校の都合で…」「親との同居」など、本人や家族のライフスタイル、ライフサイクルから発生したものであり、家庭内要因、家族内要因という意味で「内部要因」といわれるわけです。広さ、快適さ、利便性などお金では代えられない充足感・満足感が得られものであり、市況にあまり左右されない、根強いものがあります。
 
 幸い市況はしばらくのあいだ、住宅購入者側に有利な風、つまり買い手市場が続きそうです。じっくり時間をかけて「内部要因」を十分に満足させる物件を探す時間的余裕があります。多くの物件の中から、落ち着いて自分のライフスタイル、ライフサイクルにあった物件を、納得のいく価格で購入することができるわけです。まずは、本人や家族の「内部要因」を十分に検討し、その希望条件を優先させて、気に入った物件が見つかって、ローン返済に無理がないのであれば、購入に踏み切れば良いわけです。
 
 住宅購入の買い控えが広がりつつあり、仲介業者には厳しい時代が予想されますが、住宅購入を考えているお客さまにとっては、選りどりみどりの、ある意味では良き時代の到来ともいえます。
 
 わが社は「早く決めないと、他の人で決まりますよ!」とか、「来年は土地や金利も上がりますよ!」といった「あおり行為」とは一切無縁なビジネススタイルを貫き通してきたつもりです。あくまでもお客さまが納得する物件を見つけることのお手伝いする。そして適正な価格、しかも、売り主も買い主も納得する価格での契約を目ざして、十分に時間をかけるという仕事のスタイルでやってきました。そのような仕事のやり方が世の中から認めてもらえる、光の当たる時代がやっときたのではないかと、心の中では思っています。
 最近100年住宅という言葉をよく耳にするようになりました。100年あるいは200年も使用に耐える住宅を作ることが日本の「住宅政策」の正しいあり方だとする議論です。まさに正論であることに異論はないでしょう。
 
 100年住宅の技術的な側面からの検討は、このコラムでも何度か取り上げました。それは建物を躯体部分と附帯設備に分けて考え、水まわりを中心とした附帯設備のメンテナンスを容易にして、建物本体を100年~200年の利用に耐えるようにしようという設計思想です。加えて、時間の経過で変化する生活スタイルや居住者数に対応して、間取りの自由度を高めるという考え方です。
 
 今回は、住宅の資産性という側面から100年住宅を考えてみました。世界第2位の経済力を持ち、衣と食については十分に満たされている日本人が、なぜ豊かさを実感できない人々が多いのかという問題とも深く関わることです。
 
 野村総研のリチャード・クー氏もたびたび指摘していることですが、日本の住宅は資産としての価値を築後30年程度でゼロになってしまうことの問題点です。住宅資金(土地代1,000万+建物建築費2,000万)として3,000万円のローン借入をして、30年かけて元利合計で4,500万円の返済を終えた時30年後には、資産価値としては土地代1,500万円だけが残ることになることの問題提起です。
 
 簡単にいえば、4,500万円、30年の分割払いで1,500万円の買い物をしていることになるわけです。差額の3,000万円は30年分の住宅費(家賃)の支払いと考えることで計算は合うことになりますが…。せめて土地(1,500万円)、建物(1,500万円)合わせて3,000万円程度の資産価値が残れば、日本の家計資産額が概算で2,000万戸×1,500万円(資産価値の差額)=300兆円増えることになります。
 
この計算の前提条件としては、これからの30年のあいだに、100年~200年の耐久性のある住宅が2,000万戸新築されるということです。これは国家レベルでの経済戦略としてのテーマ・計画であり、目下の住宅事情や資産形成の問題解決になるわけではありません。今、すぐに対応できる個人レベルでの対応方としては、優良な中古住宅を取得し、しっかりとメンテナンスをすることで、50年後、100年後にも資産価値を維持することではないでしょうか。そのためには、建物だけでなく、地域の良好な環境が維持され、さらに良くなるような地域を選ぶことも肝要です。
 
 世界同時不況の見とおしは、良くて横ばい、さらに悪化すると予測するのが順当でしょう。雇用問題は悪化し、所得の伸びも期待できません。今は、背伸びをして、3,000万円近いローンを組んで新築物件を入手する時期ではないと考えています。
 
 年収の3倍~4倍で、優良中古物件をじっくりと探す時期です。幸い、市内では優良中古マンション、優良戸建住宅がこれからも次々と流通市場に出てくることはまちがいありません。当社も迅速な情報提供を通して皆様方の物件探しをお手伝いいたします。
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高橋雄三
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職業:
不動産鑑定士
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